今を見て生きる
球状の水晶玉を覗き込んでも
見えてはこない僕の未来のあれこれ
行く先は明るい光が差し込むのか
はたまた真っ暗闇に閉ざされるのか
僕には未来を予知する事も
楽観的な思考も持ち合わせてはいないから
ちっとも見えてこない
水晶玉の向こう側は揺らぐ事もなく瞬く事もなく
覗き込む僕の顔がそこに映るだけで
という事は未来も変わらず
アホ面ひっさげて変わらぬ日常を送っている
という事なのだろうか
水晶玉を転がせば突然アイデアが閃いて
新たな可能性の扉が開くわけでもなく
球体状の水晶玉は球体的な運動エネルギーを
消費するのみで僕の未来を
照らしだしてくれはしない
机の上のただの綺麗な球体を手で弄びながら
憂う未来の行き先
幸も不幸も分からない
分からないからこそ気をつけていこうと思う
それに未来が暗闇で閉ざされると
分かってしまったらきっと今の僕は動けなく
なるだろうから知らない方が良い
あの娘との未来の結末が分かってしまったら
きっと今から味わうであろう
ワクワクやドキドキを
十分に楽しめなくなりそうでもったいない
未知の刺激を先に知るのは不幸だ
5分後の未来さえ分からない僕だからこそ
のほほんと今を楽しんでいられるのだ
後悔することになろうとも
まだ起きるかどうかも分からない不幸に
怯えて決めつけて立ち止まってしまう方が不幸だ
僕には自らの未来のあれこれを
水晶玉の向こうに見る事はできないが
見えないからこそ見えないなりに
幸せも不幸せも受け入れる
楽しみ方を探していこうと思う
知らない事は不安だが
知らないからこそワクワクできる
辛い時はしっかり泣いて
楽しい時はめいっぱいに笑って
水晶玉にうつっている
僕の顔がそれを物語っている
幸せを幸せだと
心から思えるように
不幸せを不幸せだと
心から思えるように
今をしっかりと感じとり生きていく