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お金について考える その8 お金から平和へ(後編) 当たり前過ぎて意識しなくなっていること

統一通貨=平和の固定化
EUの取り組みは未完成、でも今後に期待


経緯
 その1では、父が持って帰ってきた造幣局が作った貨幣の歴史に関する本がキッカケで、変動相場制、ニクソン・ショック(ドル・ショック)などをリアルタイムで経験しつつup to為替相場まで、これらの激しい変化も全てお金が仮想化されているからしなやかに吸収できているんだなぁと理解。そんな知識整理が人生の早い段階で整い始めたという経緯で、お金について考える時には仮想化ということを何時も意識する様になっているというお話でした。

 その2は、経済という切り口でのお金への理解。仮想化されたお金というパラメータが日常生活から世界経済まで等しく機能しているという理解のお話でした。

 そもそも経済とは市場が生産活動を調整するシステムこことで、古典ギリシア語の οικονομία(家政術)に由来するので日常生活からというのは当たり前過ぎなのですが、それこそ意識しなくなっていることでした。 

 その3は、お金について考え抜いたから基幹産業での人生を選び、その考え抜いた結果を確実に実践できたサラリーマン人生だったというお話でした。

 その4は、国という概念や民族という概念が厄介で、自国通貨も国という概念から出てきていて、国内的には各人の能力に応じて納税という形で社会貢献に使われることが最大の機能の1つだと理解して居るというお話でした。

 その5は、物理屋的な視点では、
お金について考える=為替について考える
ということというお話でした。

 その6は、物理屋からは、お金について考えと、世界経済が投機に委ねられているのは大きな課題だと見えているというお話でした。

 その7は、お金から平和へというEUの挑戦のお話でした。
本邦でも天下統一という形での戦国時代からの卒業し相対的に平和な江戸時代になり、徳川家康が貨幣制度を統一し天下統一を固定化しました。統一通貨ユーロ導入への道のりもEU地域の天下統一みたいなもんで、第一次世界大戦、第二次世界大戦等含めて人類も行くところまで行って目が覚めて、欧州では経済を切り口に国というややこしい戦争の種をEUとなることで少しずつ潰すことに成功しているのだと理解。人類にとってある意味でお手本かと。

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 今回は、お金から平和へというEUの挑戦のお話の深堀りです。
(以下の様なお金の視点で欧州の至近の動きを整理してみるのも良いかと…)

 平和に対してのお金の果たし得る役割については、その7で概観した様に、EUの挑戦の1つとしてのユーロという通貨の統一は

経済(お金)から始まり
欧州経済共同体 (European Economic Community (EEC))

その後順調に経済以外の分野でも管轄権を有する(平和の固定化)ようになって行き
欧州共同体 (European Community (EC))
に改名されるに至っています。

 軍事侵攻を受けているウクライナの至近の動向もこの枠組みの中に入ろうとする流れだと理解しています。

 この壮大な挑戦は、当然良いことばかりではありません。

 当たり前過ぎて意識しなくなっていますが、そもそも共通通貨のメリットとデメリットについては当然事前に徹底的に議論されています。

 メリットは、為替の取引コストがなくなり、欧州域内の価格の透明性が高まります。このため、より生産性の高い企業、産業、地域に資本と人材が流れて、全体として欧州経済が強くなるというものです。
 デメリットは、生産性、インフレ率、景気サイクルなどに格差が発生した時に使える政策手段が限られてしまうことです。

 詳細は譲りますので以下をご覧になって下さい。

公益財団法人 国際通貨研究所

 実際、ユーロ導入の結果として経済的(お金)に弱かったギリシャ等の南欧諸国への配慮の必要性が顕在化しました。財政(お金)支援とか、金融(お金)再生の共通の基金(お金)作りなど、もっと強い統合による政策の仕組み作りに苦しんでいるのが今のユーロ圏です。

(このパラグラフだけ分かり易く(お金)と入れてみました。お金について考えるという意味で、その実効性を視覚的に強調したかったので…)

 こちらも詳細は以下をご覧になって下さい。

公益財団法人 国際通貨研究所


 これも物理屋の私から見れば日本の北海道や沖縄の問題に似ていると見えます。こちらも未だに例えば国土交通省 北海道開発局 (旧北海道開発庁)、内閣府 沖縄振興局 (旧沖縄開発庁)としての支援が続いています。

国土交通省 北海道開発局 (旧北海道開発庁)

内閣府 沖縄振興局 (旧沖縄開発庁)

 本邦の様な小さな島国の国内ですら時間が掛かっています。

 詰まり発展途上のEUの仕組みの中途半端さ、国という概念がまだ強目に残ってしまっているだけで、それを払拭すればシンプルに同じEUの一部の地域として普通に支援すれば良いだけになります。

 まぁ人類にとっては歴史的レベル。第二次世界大戦以降EU域内では、相対的に平和が維持されていると思います。壮大な挑戦なので産みの苦しみの1つなのだと思います。どこまで人類が進歩したかお手並み拝見といったところでしょうか。

 平和に対してのお金の果たし得る役割としての通貨統一は正にナイストライという印象。ウクライナも加盟候補国になり、今後に期待しています。

つづく

補) 
 この延長線上にはウクライナ問題の解決に、日本の民家部門のEU加盟国との貿易、日本政府の外交を通じてのEUそのものへの支援やウクライナへの支援、そのEU加盟への支援をすることでその一助となり得るというストーリーが見えて来ます。

 また、当たり前過ぎて意識しなくなっていることですが、北海道や沖縄についての配慮は大事な大人のお作法かと。

アイヌ

琉球



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