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考 -kou-

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月桃のなかで本と一緒にかんがえたこと
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日本のことば 日本人のこころ

日本のことば 日本人のこころ

ここひと月くらいの話
“食べること” “殺すこと” “自然” “信仰”
こんなことが いろいろの人と 何度も
話題になった

関連する本をよく手に取るようになっていて
海外文学に偏った摂取をしていたと思う

『ウォールデン 森の生活』を読みながら
とてもいい言葉たちであるとは思いつつ
気の抜けた不覚の時折訪れるささやかな不快感を無視できずにいた
一体その文章の何が不快なのかわからぬまま
少しずつ読

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大人の事情と 子どもの犠牲と 選挙のこと

大人の事情と 子どもの犠牲と 選挙のこと

月桃を閉めてから夜の図書館に予約本を受け取りに行った
そうしたら
衆院選のある候補者さんが帰りの人びとに挨拶をしていて
横を通ったときに手を差し出してくれたので握手してみた
全然優しい手だった
片手で応えてごめんなさい

そして道すがら、いろいろのことを考えた

日日店の前を通る選挙カーから聞こえてくるのは
候補者名と政党のみで
どの政党も等しく
やる気も決意も発信せずに大声で一票を求めてくるんで

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働くということ

働くということ

近く、母校の高校生に向けて
進路指導の一環であろう働くということについて話す場をいただいたのだけれど
どんなことを どんな言葉で話そうかと模索している

人生四半世紀を目前にして
どうしてかこれは受け容れるべきだなと思ってお受けした
だからわたしの為でもある

相手が小学生ではないので緊張する
そもそもわたしは大きな人たちの前でひとり話せるんだろうか

高校生に “司書” は眠すぎるよなあとは思い

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「真は真である」と語り合いたいだけだった

「真は真である」と語り合いたいだけだった

何かをわかりかけていたような
そんな気がしていた
何かを掴みかけていて
もう少しでわたしも大人の仲間入りをするんだろうと
そんな気がしていた

けれど、
何もわかっていなかった
掴みかけていたものはシャボン玉みたいなもので
握ると壊れてしまった
それがとても潔かった
高潔だという言葉はやっぱり高潔だなと思う

あやうく大人になってしまうところだった

久しぶりによく知らない人とよく話して
はじめは

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余白に含まれるもの

余白に含まれるもの

立川談志が手塚治虫について話す番組を観た
昨日、再放送していたのをたまたま観たのだけれど

久しぶりにテレビ画面に釘付けだった
あの語りに聴き入っていた
ああいう大人は今どこにいるんだろう
居なくなってはいないはずなのに

呑みこんだことばに
あの間に
あの瞳に
一番伝えたかったことがあって
それがわたしにも分かる
ああ、これがすべてなんだと伝わる

そんなことを語り部がいう意味

簡単なことばは

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言語化、、、可視化?、、表現のこと

言語化、、、可視化?、、表現のこと

言葉にするとかしないとか
できるとかできないとか
そういう事を何度もこのnoteに綴りながら
考えてきた

今日、楽しみにしていた展示で
一瞬だけ言葉に対して晴れ間が見えた
、、ような気がしたから
霧の山道からほんのひと時だけ雲が下になる瞬間みたいな
見えたあの空を忘れる前に
必死に脳裏の画を引き戻しながら 今日また綴る

わたしが想いを言葉にすることを躊躇うのは
伝えきれないもどかしさに敗北して

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雇用されないということ

雇用されないということ

簡単に言葉にすることが出来ないはなし

私の知る語彙では伝えられなかったこと

わたしが図書室をはじめた理由

わたしが「日本の司書もそろそろ図書館から飛び出していいはず」と
思う理由がここにありました

沢山の人からお名前を聞く
気になってやまない本屋さんのnoteから出会った一稿

近いうちにお伺いしたいと思っています(緊張)

0410

学びについて考えてみる

学びについて考えてみる

初等科の教員免許を持っていて
司書教諭の資格を持っていて
図書館司書の資格を持っていて

世の中に存在するその他の検定は一度も受けたことがない

そんなわたしは “学ぶ” ということについて
よく考える
最近また思いを巡らせることが多いから
ここに綴りながら考えてみようと思った
大学時代の「教育者として教育現場を知る機会」はわたしに
何を思わせたのか

ちいさなころから本を読むことが好きだった

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すべての国語好きのみなさまへ | 『世界の読解可能性』

すべての国語好きのみなさまへ | 『世界の読解可能性』

とある人から「沢山本を読む人」として聞いた人がSNSで再版を喜んでいた本を
少し前に本屋さんで注文して、今日届いた
月桃までの道程はスキップしちゃいそうになった

「世界」を「読解力」で解くという魅惑的な視点
国語好き特有の 活字欲がざわざわする文章
この歳になっても読んで面白い 所謂説明文に出会えるとは

己の読解経験で生きる すべての人々に届いてほしい言葉たち
本日わたしに受肉いたしました

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心の傷むこの地球で

心の傷むこの地球で

好きなお店がSNSでパレスチナの話に触れていて
考えすぎて無力感に溺れないこと
それでもとにかく考え続けること
と発信しているのを見た

ちょうど
日本国憲法の生いたちについて書かれた本を読んでいるのだけれど、
ゆっくり考えてみた
無力感に溺れないように

心苦しい知らせが続く世界で私たち日本人が出来ることは
武力を放棄してもなお この世界で平和に暮らし続けること
これしか無いのではないかと思った

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ことばにできないということ

ことばにできないということ

歌いながら
私の活字欲がひたすら満たされていく
ヨルシカの歌やっぱり好き
なんて思う

「言葉で表しきれないこと」に美しさを感じる私が
「伝えられないもどかしさ」に敗北している私が
尊敬してやまないのが宮沢賢治

彼は
過去に誰かが作った言葉では説明しきれないことに
次々と名前を与えた
ひとつしか知らないけど、そうらしい

クラムボンはクラムボンでしかなくて
それ以外の言葉では説明出来なくて

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ことばにするということ

ことばにするということ

久しぶりの休日
午前中に少し活動して
エネルギーが切れる
珈琲を淹れる
読みかけの本を開く

そう過ごしていて今 ふと気づいたことがある
私のあたまの中は からだの中は こころの中は
人一倍沢山の言葉で溢れかえっているということ

昔から自分の思いをことばにして出すことが下手くそな私
それがずっとコンプレックスだった
頭でことばを組み立てるうちに
思いをそのままの形で伝えられないことに気づき
悔し

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