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2023年4月の記事一覧
どれだけ雨に打たれても
休日の夕暮れ時、不意にスマホが鳴った。
電話の主は…✕✕。
○○:…もしもし。
✕✕:『よぉ。今ちょっといいか?』
○○:何だよ。
✕✕:『明日さぁ、バイトの上がり時間代わってくんない?』
○○:別にいいけど…なんで?
✕✕:『実はな…』
✕✕:『明日のバイトの後、桜ちゃんに告ろうと思うんだ。』
○○:えっ…
✕✕:『だからさ、代わってくれた方が都合がいいんだ。頼むよ。』
○
新入社員は、社長令嬢
数ヶ月前、○○は上司に辞表を提出した。
部長:一体、どういうつもりだ…?
○○:どういう…そのままです。この会社を辞めようかなと。
部長:…なぜだ?
○○:思い描いていたものと違うといいますか…何のためにこの仕事をしているのか…よくわからなくて。
○○の言葉に、上司は はぁ…とため息をつく。
部長:○○君は…大学を卒業して今何年目だ?
○○:3年目です。
部長:そうだろう。君はまだ
茉央が君のこと好きなの全然気付いてないじゃんか...
「はい、じゃあ今日の授業はここまで」
四限目終了のチャイムが鳴って、クラスメイトは学食や購買に走りだす。
僕はそんな荒波の中、一人弁当箱を持って教室から離脱しようとした。
屋上とかいいな……
中庭もいいかもな……
なんて考えていたんだけど。
「ねえねえ、○○くん」
隣から肩をとんとんと叩かれて、僕はおずおずと振り向く。
「え、えと……なんの用でしょうか……」
「もう、そんなに怯えな
『桜は散り、歯車が止まる』第11話
第11話 『彼女との約束』
山:「ふふっ。頑固な桜ちゃんに苦戦してるみたいだね。
ねぇ?私が助けてあげよっか。この狂った状況を戻すために。
川﨑桜ちゃんが乃木坂46にいる世界を取り戻すために。」
和:「桜のことを覚えているんですか⁈」
山下さんの言葉に思わず、私は立ち上がった。
山:「覚えてるよ。最初からね。」
山下さんは微笑み、椅子に座った。
山:「それにしても...
まさか、5期生
『桜は散り、歯車が止まる』第12話
第12話 『あなたは何も知らない』
悠:「じゃあ、○○くんがさくたんのことを
推し始めたきっかけとかを聞こうかな?」
○:「推し始めたきっかけですか。」
○○は指を顎に当てて考える。
悠:「そう。」
桜:「桜も聞いたことないかも!」
○:「推し始めたきっかけは...お披露目の時の写真。」
桜:「お披露目の時?」
○:「ほら、5期生の特設サイトにある
教室で撮った写真があるで
『桜は散り、歯車が止まる』第13話
第13話 『苦悩』
悠:「さくたんの彼氏の○○くんのところだよ。」
一:「えっ?○○さんのところ?」
悠:「彼と会う約束をしているの。
あなたたちも来る?」
菅:「行きたいです!」
私は○○さんと会ったことはないけれど
一度話してみたいと思っていた。
あの人も桜のことを知っている。
何か桜のことを教えてくれるかもしれない。
そんな期待もあったから、行きたいと伝えた。
悠:「おっけ
『桜は散り、歯車が止まる』第14話
第14話『私たちの想いを伝えたい』
和:「これが桜が消えた理由だと思う。」
私は端末の画面をみんなに見せる。
一:「う、うん......」
菅:「桜がこんなに辛い目に遭ってるなんて......」
ア:「で、でも......これはなくならない。
桜が乃木坂に戻ったら、これも戻ってしまう。」
冨:「じゃあ、どうすればいいの!」
和:「私たちがそんなの気にしなくていい。
桜はありのままの自
『桜は散り、歯車が止まる』第15話
第15話 『結局は君自身どうしたいか』
○:「会場の中は暖かいね。」
桜:「うん......」
僕たちは会場に入り、自分たちの席につく。
桜は不安そうな表情をしていた。
○:「ごめん。ちょっと、お手洗い行ってくるね。」
桜:「う、うん。早く戻ってきてよ。」
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○:「送信っと......」
桜と一緒に横浜アリーナ