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コミュ障の私が恋をした




授業がつまらないなぁ、そう思いグラウンドをふと見る。

体育の授業でサッカーをしているみたいだ。

1人の男の子に目を奪われる。

楽しそうにサッカーボールを追いかける彼に。

いつの間にか、私は目が離せなくなっていた。

ゴールを決め、友達と無邪気な笑顔でハイタッチしている。

そんな彼に夢中になっていた。

そして、毎週この時間は授業中彼をずっと見ていた。
この時には、私の初恋が始まっていた。




先生「お〜い、井上〜」
井上「は、はい。」
先生「おい、井上。何をしとる。外ばっか見てないで授業に集中しろ。この問題解いてみろ。」
井上「分かりません。」
先生「言わんこちゃない。真面目に聞けよ。」
井上「す、すいません。」

昼休み

私は、〇〇先輩がサッカーをしているのを教室のベランダから見てた。

久保〇〇先輩は、私の1コ上であり、イケメンである。
サッカー部の次期エース。おまけに無自覚な天然さん。頭が良い。
ここまで揃えば放って置く女の子なんかいなくて、告白が絶えない毎日。
実際私も何回かその現場に遭遇している。


井上「は〜。かっこいい〜。」
五百城「まぁた、〇〇先輩?」
井上「茉央…」
菅原「飽きないねぇ。」
井上「さっちゃん…」


友達の五百城茉央と菅原咲月、同じクラス

井上「いいじゃん。好きなんだもん。」
菅原「さっきも、アンタ先生に怒られてたのにね。」

そう、〇〇先輩が好きなんだ。
例え〇〇先輩が私のことを知らなくても、好きなんだ。

井上「…っ。」

泣きそうになって俯く。

五百城「わー、泣かないで。和!!」
菅原「あ、ぶ、部活で作るお菓子考えよっ?!ね?!」

慌てふためく二人。


五百城「今日こそわたすんでしょ?」
菅原「頑張りなよ。」

私達は料理部。毎日お菓子を作るだけという部活。例年、サッカー部の練習終わりにお菓子を渡している。それ目当てで入部してる子も数知れずない。

まぁ、私もその1人だとは言えないけど。でもね、まだ〇〇先輩には渡せてないんだ。

井上「でも、女の子たくさんいるから。」

そう、〇〇先輩の周りにはいつも可愛い女の子が寄ってかかってる。ハイエナみたいに。

2人が何か言いたげな顔をしている。

井上「私は眺めてるのが一番。近くになんか行ったら緊張して倒れそう。」

まぁ、これは本当のことだしね。私が笑顔で言うと、二人の表情も明るくなる。


3人でワイワイと今日はどんなのを作るか話し合った。


放課後、私はやっぱり〇〇先輩にお菓子は渡せなかった。
近づくことすらも出来なかった。まだ、勇気がない。

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季節は巡り夏

いつものように校門をくぐる半袖の〇〇先輩。

そう私は、一目惚れした時から、日課としてやっていることがある。
校門をくぐる〇〇先輩を教室のベランダから眺めること。

〇〇先輩を見ると、今日一日やっていける気がする。


そう思い、眺めていると、〇〇先輩に女の子が走り寄って、何やら楽しげに話している。〇〇先輩は笑顔で、女の子は少し頬を赤くして恥ずかしそうにしている。

あぁ、あの人は〇〇先輩が好きなんだ。
好きな人に頑張って近づいて、頑張って見てもらおうとしていて…。

私なんて何もしてない。早く来て先輩を眺めているだけ。


ふと、下に視線を感じて下を見る。

その視線の先には…

「…っ?!」

〇〇先輩が居た。

私はバッチリ目が合ってしまった。先輩は私にウインクをしてまた女の子と楽しそうに話していた。

私はすぐに教室に戻る。

まさか、そんなことね。


私はそれから〇〇先輩の視界に映らないように努力をした。もう、どんな顔で接したらいいのかわからなかった。〇〇先輩を避けて、避けて、避けまくって。


その日から私の生活に〇〇先輩が消えた。朝の日課も消えた。

菅原「大丈夫?和〜。」
井上「なんで、さっちゃんが泣きそうなのよ。」
菅原「だって、そんな顔してたらね〜友達として心配となるというか」
私は笑いながら返す。

大丈夫な訳ない。正直、〇〇先輩が見れないのはつらい。

五百城「ムリしないでね、和。」
井上「ありがとう、茉央。」

いつも以上に二人とも優しかった。


徐々に私の頭から〇〇先輩がいなくなる。

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その都度悲しくて悲しくて涙が出てきそうになるのを抑えた秋。
文化祭の後夜祭で〇〇先輩のクラスは劇をやった。やっぱり〇〇先輩は主役だった。

頭の中でいなくなったはずなのに、〇〇先輩がどうしても離れない。
話したことだって、目の前に立ったこともないのに。


先輩は、いつもいつも、こうやって私の心の中に住んで掻き乱す。
劇中も私の方に向かってピースなんかしちゃって。
もう忘れなきゃならないのに。もう終わらせたはずの初恋なのに。
どうしても。

そして季節は巡り、冬になった。もうすぐ高校1年間が終わる。


井上「う〜、寒い寒い。」
五百城「和は本当に寒がりだよね〜。」
菅原「おっはよ〜!!」

さっちゃんが手を振りながら後ろから走ってくる。

私と茉央は、電車でさっちゃんは自転車だった。

「「おはよ〜。」」

茉央にさっちゃんと一緒に挨拶を返す。

目が合うまでは〇〇先輩を眺めていた時間も今となっては茉央と登校して、校門前でさっちゃんと会う。それから他愛もない話をして校門から靴箱へ向かう。
これが私の今の日常だった。


靴箱は全学年共通の為、朝は少し混んでいる。
私達は1年生の靴箱に向かう。途中、2年生の靴箱の横を通るから見ないように気を付けてるんだけどね。

私はその時、2年生の靴箱から視線を感じた。なんだろうと思ってふと視線をそっちにやる。

そこには、私が誰よりも大好きな人、〇〇先輩がこっちを見ていた。

私は慌てて視線を逸らして、足早に通り過ぎた。


3人で教室に向かおうとしてた時、突然後ろから声が聞こえた。
私達は声のした方に勢いよく振り向く。


そこには、〇〇先輩の友達山下××先輩がいた。
〇〇先輩と同じぐらいかっこいいけど、結構女遊びをしているチャラい先輩。

そして××先輩の隣にはまさかの〇〇先輩がいた。慌ててさっちゃんと茉央の後ろに隠れる。

私が慌てて隠れたのを見て、××先輩が不思議そうに見る。

××「俺から逃げる女の子っているんだ。」
すごく感心したような顔でそう言う××先輩。

××「君可愛いねぇ。名前は?クラスは?学年は?」
××先輩に距離を詰められながら質問攻めを受ける。

井上「へ…?え…?うぇ…。」
あまりの近さに怖くなって半泣きになる。

菅原「ちょっと、いくら先輩だからってやめてください!!」
五百城「離れてください!!」

さっちゃんと茉央がかばってくれた。

山下「どーしよっかなー。」
××先輩はまだ楽しそうな顔をしてる。

〇〇「××。そこらへんにしとけ。」
××「えー、〇〇…俺この子気に入ったんだけど。」
〇〇「井上が困ってるだろ。行くぞ。」

そう言って××先輩を掴み階段を上がって行く。

先輩、今、なんて?なんで私の名前、知ってたの?

井上「ね、ねぇ、さっちゃん。今、〇〇先輩…"井上"って呼んだよね…和のこと。」

3人が目を合わせて頭を縦に振る。私は最早声すらも出なかった。〇〇先輩が、あの、〇〇先輩が私の名前をなんで知っているの?教えてもないのに?


私は嬉しすぎてもう授業になんか集中できなかった。


好きな人が私の名前を呼んでくれた。その日の授業は〇〇先輩のことで頭がいっぱいだった。

また、朝校門をくぐる先輩を眺めようと思った。


私はまたこうして遠くから眺める日々が始まった。

月曜日に電車をまた1本早くして校門をくぐって来る先輩を眺める朝から始まり、
金曜日、最後の授業の時、グラウンドは先輩のクラスの体育の授業。
その先輩を眺めて終わる。


見てるとやっぱり胸が苦しくて痛いけど、これが恋なんだよね。でもね、遠くから眺めてるだけじゃ先輩のことを知るのに限界がある。

それでもいい、それでいいんだ。


部活に行くだけで先輩のことが知れる。

先輩を知る度にもっと知りたいと思う。先輩を見る度にもっと眺めたいと思う。先輩を見る度に会いたいと思う。先輩に近寄る度にもっと近寄りたくなる。

そして、恋をするとどんどん欲張りになる。

先輩が他の女の子と居る度に嫉妬して。
先輩が他の女の子と話す度にイライラする。


先輩に名前を覚えてもらってたことだけで嬉しくて。毎日毎日、もう1回呼ばれないかなって思ってはそんなこと…、って思う。

先輩に一目惚れして気付かされる恋。

他の女の子みたいに内面は知らないけど、優しい人だっていうのはわかる。

一目惚れだったから、もっと内面を知りたくて。
一目惚れだったから、近寄り難くて。
一目惚れだったから、緊張する。

入学してから1ヶ月経った時、つまらない授業の時にふとグラウンドを見て、あなたを見つけてから。


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季節は変わって私達は2年生になった。


菅原「和〜!!ぼーっとしてないで、クラス表見に行くよ〜!!」
井上「今行くー!!」

そう言って、さっちゃんと茉央の元へ走る。

ドンッ

井上「す、すみませ…。」

途中誰かにぶつかった。

〇〇「てて…。あ、こちらこそ…。」

ぶつかったのは〇〇先輩だった。
〇〇「い、いのうえ…?」


先輩の声が近くで聞こえたかと思うと、私は自分の状況を把握する。

私、先輩に抱きしめられている?!

〇〇「大丈夫か?」

先輩が心配そうに、私の顔を見ようと覗き込もうとしてくる。

井上「だ、大丈夫です!!」

赤い顔を見られる訳にはいかなくて、慌てて離れて綺麗にお辞儀をして謝るとさっちゃんと茉央が居る所へ走る。

び、びっくりしたー…。


先輩に抱きしめられちゃった。
心がキューンとする。
こんな恥ずかしい思い、誰にも言えないよぉ〜。それもみんなが見ている前で。


菅原「もー、和。遅いよ。」
五百城「早くー。」

二人に急かされてクラス表を見に行く。私達はまた同じクラスになることが出来た。


??「あの、井上…さん?」

呼ばれて振り返ると、前の学年で同じクラスだった男の子。

井上「は、はい…えっと、どうしたの?」

えっと、名前は…遠藤君。そう、遠藤 ◇◇君。


◇◇「あ、あの。俺、井上さんのことがずっと好きでした!!付き合ってください!!」

えっ?嘘?これって告白?私に?こんな可愛いくもない私に?他にもっと可愛い子いるのに?私なんかに?

井上「ごめんね、私。好きな人いるんだ。でも、好きになってくれてありがとう。」

そう言って立ち去ろうとした。

◇◇「ま、待って…!!」

いきなりまた呼び止められて、振り返る。

◇◇「好きな人、誰ですか。」
井上「…〇〇先輩。1年前から、ずっと。」
◇◇「そうですか。分かりました。ありがとうございます。」

それだけ言うと◇◇は、走り去っていった。

そこには一番居て欲しくなかった〇〇先輩の姿があった。


〇〇「井上、今の…。」
井上「…っ!!」

私は気づいたら走り出していた。

〇〇「…っ、おい?!」

先輩の呼びかけにも答えずに一心不乱に2年生の教室を目指す。

聞かれた…!!聞かれちゃった…!!バレちゃった私のキモチ。


走っている途中に涙が溢れてくる。

返事、聞けばよかったな。振られたほうがよかったのにな。そうすれば、もうこの恋に終止符が打てれたのに。後悔先に立たず。まさに今の私だと思った。


2年生の教室に入るとさっちゃんと茉央がきた。

菅原「和、どこ行ってたのー?」
五百城「探したんだよー?」

心配そうな二人を見る限り、本当に心配してくれたのだと思う。

井上「ごめんね、遠藤君に呼ばれて…っ。」

そこまで言ってまた涙が溢れる。

五百城「わっ、どうした?!◇◇になんかされた?!」
菅原「は?!アイツ、告るとは言ってたけど、泣かせたの?!許せない」

さっちゃんと遠藤君は幼馴染み。

井上「ち、ちが…っ、あのね、私、もう…ダメなのぉ…っ!!」
泣きじゃくる私を必死に慰めてくれるさっちゃんと茉央。

私は泣きながら二人にさっきあったことを話した。


話し終えて、すっかり泣き止んだ私。


菅原「もう、大丈夫?」
井上「うん、ありがとう。さっちゃん。」
五百城「こりゃ見事に腫れたねー。ほい、濡れタオル。」
井上「ありがと、茉央。」


次の日、私は少しギリギリに行った。

なんで、昨日あんなことしちゃったんだろう。そう思って〇〇先輩を思い浮かべる。

もう、忘れちゃいたい恋なのに。逸らさなきゃって思うのに、やっぱり視線は〇〇先輩から離れなくて。

神様、せめて最後だけ。
あと1回だけ。
伝えるチャンスをください。

涙が溢れてくる。なんの涙か分からないけど。


お願い、先輩。こっち向いて。

私の思いが伝わったかのように先輩がゆっくりと顔を上げる。
私と視線が交わる。
先輩が目を見開く。

『好きです』
『はい、僕も好きです。付き合ってください。』
私と〇〇先輩は微笑んで、手を繋ぐ。



〇〇「井上!!お前そっから動くなよ!!」

この瞬間、一気に現実に戻される。

必死な顔でそう言った〇〇先輩は走り出す。


まさか…嘘でしょ?無理無理無理無理!!今は顔合わせられない!!


周りの人は〇〇先輩の叫んだことにびっくりしたようでざわついている。


早く、逃げなきゃ。ここは3階だから、まだ間に合う。屋上しかない…!!
さっちゃんと茉央に後で詳しく話すからと言って、トイレに行ったと〇〇先輩には伝えてもらう。

私は急いで屋上に入る。ドアの死角になるところに隠れて息を整える。

私が真面目に先輩と追いかけっこしても、サッカー部のエースの足に敵うはずもない。だからこうやって隠れるのが一番。


結局その日はなんとか先輩から逃げ切ったのだった。


そしてまた次の日の朝。私は朝一に、学校に来てからすぐに隠れた。
小柄な私にぴったりのクラスの掃除棚。

さっちゃんと茉央には昨日話した。二人とも協力してくれるそうだ。
落ち着くまで話したくないと私が駄々をこねたから。

ごめんね、そしてありがとうさっちゃん。茉央。


〇〇「井上、知らないっ?!」
そう言って、先輩が私達の教室に殴り込んできた。
しばらくして息を切らせたような先輩の声が聞こえた。酷く慌てているような気がするのは気の所為かな。

五百城「和は今日は休みです。」
グッジョブ!!茉央!!

〇〇「休み…?あの1日だって休まずに来てた井上が?どっか隠れてるんじゃねぇの?」

なんで…?そんなこと知っているの?話したこともままならないのに。えっ?

菅原「先輩、和のこと好きすぎですから〜。」
さっちゃんがからかってる。

は?え?どゆこと?

〇〇「うっせぇよ。後輩のくせに。てか、皆知ってるだろ。」
五百城「和鈍感だもんね〜。」
菅原「丸分かりなのにね。」


クラスの皆が口々に言ってるのが聞こえる。

え…?知ってたの?皆?私達、両想いなの…?嘘でしょ?何かの間違いだ…。そうだよ。ありえないよ。先輩が私のこと好きなんて。眺めてるだけだった先輩が。


菅原「そりゃ、振ってる時に、和のことが好きだからって振ったら広まりますよ〜。」
五百城「まぁ、和にだけは綺麗に広まってなかったけどね。」


え?そうなの?今すぐ穴があったら入りたい。でも、今更出れる訳でもない。


そろそろ大泣きしそう。嬉しすぎて。
「.…っ!!」

意を決して掃除棚から出て、走る。


〇〇「え…?!和?!」

驚いてる〇〇先輩の声を後ろに聞き、走る。
とにかく一心不乱に走る。
後ろから足音が聞こえるあたり、〇〇先輩が追いかけてきてるのがわかる。

〇〇「…っ、和!」

呼ばれるけど振り返らず走る。

でも、この私がサッカー部のエース様の足に敵うはずもなく、あっけなく捕まってしまう。


〇〇「俺から、逃げ切れると思うなよ…っ!!和」
井上「…うっ。」

待って。今、いろいろありすぎて頭が追いつかない。

〇〇「井上、こっち向いて。」

私の大好きな、柔らかい優しい声でそんなこと言われたら振り返るしかない。
私は俯いたまま振り返る。


〇〇「俺は、井上、いや和。あなたが好きです。俺の彼女になりませんか?」
井上「私も…っ、先輩が好きです!!」

泣きながらそう言うと、ふわっと暖かい温もりに包まれる。
私、〇〇先輩に抱きしめられた。

井上「せ、せんぱ…。」
〇〇「先輩じゃないでしょ。彼氏でしょ。」
井上「〇〇。」

私が不思議に思って顔を上げると先輩は嬉しそうな笑顔で

〇〇「可愛い、和。やっと、やっと、俺のものになった。」

そう言うと先輩は触れるだけのキスを私にした。


井上「先輩、私のこといつから好きだったんですか?」
〇〇「また先輩って言った。」

と言いながら少し不貞腐れる先輩。

井上「ごめんね、〇〇。」

そう呼ぶと顔が赤くなるんだ。

〇〇「1年前。和が入学して来た日から和のこと見てたよ。」
井上「そんな前から?!関わったのだって冬のあの時ぐらいだと思ってたのに。」
〇〇「あの時だけだと思ってる?」

その先輩の言葉に頷く。

ははっ、と先輩は少し笑って話してくれた。

〇〇「和、入学式の時にこの前みたいに誰かにぶつからなかった?」

あ…そう言えば、誰かにぶつかった。
そう言えば顔を見てなかったな。

井上「え、もしかして…?!」

そこで何かを察した私に向けて先輩は微笑んで

〇〇「それ俺。」
井上「先輩だったんですね。」
〇〇「うん。で、そっから気になってた。」

そんなに前からなのか。私より前なのが少し悔しいかな。

井上「私の方が先だと思ってた。」

そう言って少し拗ねた私の頭を撫でる先輩。
〇〇「可愛いよ。その膨れた顔も。」

少し照れる。
多分、もう顔は真っ赤かだと思うけど。


〇〇「大好きだよ、和。」
井上「私もだよ、〇〇。」

私達はもう一度キスをした。次はさっきより長いキスを。

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