『桜は散り、歯車が止まる』第14話
第14話『私たちの想いを伝えたい』
和:「これが桜が消えた理由だと思う。」
私は端末の画面をみんなに見せる。
一:「う、うん......」
菅:「桜がこんなに辛い目に遭ってるなんて......」
ア:「で、でも......これはなくならない。
桜が乃木坂に戻ったら、これも戻ってしまう。」
冨:「じゃあ、どうすればいいの!」
和:「私たちがそんなの気にしなくていい。
桜はありのままの自分を出せばいいと言えばいい。
桜なら分かってくれる。
見ず知らずの人よりも私たちのほうが大切だって。」
桜ならきっと......
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和:「さくらさん。お話があります。」
翌日、私はさくらさんに話しかけた。
遠:「なに?桜ちゃんについて話すことは......」
和:「これが桜が消えた理由です。」
私はさくらさんに端末の画面を見せる。
すると、さくらさんの表情がガラッと変わる。
遠:「これが分かったからどうするの。」
和:「こんなの気にしなくていいと伝えます。
そして、私たちはありのままの桜が好き、桜には桜の良さがある。だから、そのままでいいんだよと伝えます。それが私たちにできることです。」
遠:「......」
私の言葉にさくらさんは口を噤む。
和:「お願いです。桜のことに協力してください。」
私は頭を下げて、頼むと
数秒後にさくらさんの口が開いた。
遠:「分かった。協力するよ。」
和:「ありがとうございます!!!」
遠:「あなたたちが彼女の苦悩を理解したのはいいけど
彼女を乃木坂に戻すために何をするの?」
和:「それはもう決めています。
あとは桜と会って、それを伝えたいです。
だから、桜の元に連れていってください。」
先ほど、5期生全員と話して決めたことだ。
遠:「了解。」
さくらはスマホを操作し、桜にメールを送った。
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・桜サイド
桜:「遠藤さんからメールだ。」
○○と一緒にテレビを観ていた時、私の携帯が鳴った。
○:「なんて?」
桜:「話したいことがあるから、今から惑星に来てって。」
なんだろう。急に惑星に来てって。
話したいことがあるなら、電話でもいいのに。
桜:「ごめん。ちょっと、行ってくるね。」
私は指輪に左手をかざし、惑星へとワープした。
桜:「遠藤さん......!お待たせしま...」
遠藤さんを見つけて、駆け寄ろうとすると......
和:「桜......」
遠藤さんの隣には、なぎがいた。
桜:「遠藤さん......どうして......!
どうして、なぎがここに居るんですか!!!」
遠:「和ちゃんが話したいことがあるって。」
桜:「なぎと話すことなんか何もないです......!
私、帰ります!!!」
私は乃木坂に戻らないから、なぎと話すことなんか何もない。
帰るために私は指輪に左手をかざそうとすると......
和:「桜!あなたが悩んでいたことは理解した!
辛かったんだよね!悪口を書き込まれて......!」
桜:「......!」
和:「あなたが悩んでいることに気づかなくてごめん......」
なぎの言葉を聞き、
私は左手をかざすのを辞め、なぎの顔に視線を向ける。
和:「桜には戻ってきてほしいけど......
戻りづらいのは分かってる!
だから、5期生ライブに来て!!!」
桜:「5期生ライブ......?」
和:「5期生ライブで私たちの想いを伝えたい!
私たちの想いを見て、戻るかどうか決めて!」
遠:「はい。チケット。」
遠藤さんは私にチケットを2枚渡した。
遠:「一人で来るのは怖いと思うから
○○くんと一緒に来てね。」
桜:「まだ、行くかどうかは......」
急に言われても......
和:「あと、一ヶ月あるから、ちゃんと考えて。
来たくなかったら来なくていいから。」
桜:「えっ......?」
和:「それと5期生ライブまではあなたに近づかない。
私たちは桜が5期生ライブに来ることを信じてる。
客席で桜の姿を見られるのを楽しみにしてるから!」
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○:「へぇ......そんな事が......」
部屋に戻った私は○○に先ほどの出来事を話した。
桜:「どうしよう......5期生ライブ......」
戻りたくないのなら行かなきゃいいのに
なぜか、私は迷っていた。
桜:「○○は行ったほうがいいと思う?」
彼なら、意見を出してくれると思ったから、尋ねたが
○:「僕が勧めても仕方ないでしょ。」
と彼は意見を出してくれなかった。
○:「僕だったら行くけどね。
ライブを見られるせっかくの機会だから。」
桜:「そっか......」
○:「でも、これは桜が決めることだよ。
僕が決めることじゃない。
ゆっくりと決めよう?一ヶ月あるから。」
それから、私は必死に考えた。
ライブに行くべきか行かないべきか。
北川さんと山下さんにも相談したけど
二人は○○と同じような回答をした。
○○に相談することなく、必死に一人で考えているとあっという間に当日になった。
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2023年 2月23日
○:「2月の横浜は寒いね......」
桜:「うん......」
私たちは横浜アリーナの前にいた。
第14話『私たちの想いを伝えたい』 Fin
【第15話に続く】
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