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学校1人気のあの子も苦労してるみたいで…

「ねぇ、井上さん!連絡先でも…」

和:そういうの無理なので。 ごめんなさい。

僕の隣は学校1人気の女の子、井上和さんだ。

あだ名は"冷徹の女王"

毎日先輩後輩問わず声をかけられている。

そんな状況を僕はいつも隣で見ている。

自分がイケメンだと思ってる奴が思いっきりフラれるのは面白いけど、他はあまり見ていていいものではないかも…

もちろん僕は井上さんと喋ったことはない。

授業中仕方なくはあるが…

プライベートな話というか、そんな話はした事ない。

話しかける勇気なんてないからね…

だが残念ながら今日の授業はペアワーク。

隣の人と話し合いをしなければいけない。

話しかけるのは怖いが、評価が下がるのは嫌だし…

○:い、井上さんはこれどう思う?

和: ・・・・・・

○:ご、ごめんね…

無反応でしたか…流石に悲しいです…

せめて少しくらい反応してくれてもいいじゃんか。

気まづくてスマホを取り出すと…

和:あっ、ぶーぶーだっ!

○:えっ、井上さん知ってるの…?

和:はっ…なんでもない… そんなの知らない…

今ハッキリと言ってたけどね…

"ぶーぶー"とは今話題のアニメのキャラクター

男女問わず人気を誇っていてとても面白い。

まさか井上さんもアニメを見ているとは…

学校でのイメージのせいで想像もつかなかった。


数分後。

井上さんが付箋でメッセージを伝えてきた。

「放課後教室残ってて。帰ったら許さない。」

ちらっと井上さんの方を見ると…

いつも動かない表情がすごく怒ってる表情に見える…

睨んでるような顔してるけど可愛いからあんまり怖くないな。

むしろレア過ぎて写真撮りたいくらいだ。


___________

放課後。

和:ちゃんと待っててくれたんだね。

○:だって許さないって書いてあったからね…

和:単刀直入に言うけど…
私がぶーぶー知ってたこと言わないで。

○:やっぱり知ってたんだね。

和:っ…良いから! 早く忘れて!

○:そんなすぐには忘れられないよ…
それに井上さんがぶーぶー知ってても問題ないんじゃ…

和:私は男の人が苦手なの…
だから今のイメージを崩したくないの!

○:男の人が寄りずらいようにってこと?

和:そう…だから自分の事は知られたくないの…

○:でも皆結局話しかけに来てるじゃん?
どんなに自分を作ったって結局来ちゃうんだよ。
だって井上さん可愛いんだし…

和:か、可愛いとかそんな平然と言わないでよっ…

○:本当の事だもん。

和:ま、○○くんは…私の事可愛いと思う…?

○:当たり前じゃん。
自分なんかじゃ近づけないくらいの可愛さだよ。

和:そっ…そんな事ないよ… ○○君はかっこいいし…


その表情は反則でしょ…

心臓の鼓動がバクバクとよく聞こえる。

○:男の子はそんな事言われたら勘違いしちゃうよ?
気軽に言っちゃダメだよ。

和: …勘違いしてもいいよ?

○:えっ…?

和:ずっと隣で見てたの…
○○君は気づいてなかったみたいだけど…

現実離れしすぎてて思考が追いつかない。
あの人気の井上さんが僕を見ていた? 冗談か?

○:でも今日とかも僕の事無視してたり…

和:あれは照れすぎて話せなくて…

そんな理由が… 嫌で無視されてるわけじゃなかったのか…

和:沢山荷物もってる先生を手伝ったり…
困った事があったら皆○○君に相談に来てたり…
多分自分が思ってる以上に○○君は人気だよっ?

○:い、いやそんな事ないよ…

和:だから…
これからは…私の事も支えて欲しいなっ…

○: …僕でよければぜひ。

和:やったっ…えへへっ…

和:これからよろしくね…?

____________

井上さんは僕と付き合ってから学校での在り方がとても変わった。

以前までの冷徹の女王とは違く、とても絡みやすい性格となった。

○:ねぇ井上さん。今日もあれやってほしいな。

和:また?もう恥ずかしいんだけど…

○:いいじゃん、もっと井上さんの可愛い所を見たいんだ。

和:そ、そんな言うなら仕方ないなぁ…
ただし条件があります!

○:えっ?なに?

和:私の事を和って呼ぶこと!!

○:分かったよ。和?

和:そっ、それでいい! それがいいっ!

○:そんな喜ばなくてもこれからはいつでも呼んであげるよ
和ちゃん?

和:はぁ…あっつ… 
○○くんのせいで火照っちゃったよ…

○:じゃあ恒例のあれお願いしますっ!

和:よしっ!行くよ? せーのっ!にゃんにゃんにゃぎ!



冷徹な女王で人気だった彼女はとても甘い僕だけの女王様になりました。

終わり。

















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