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【There's One in Every Crowd】(1975) Eric Clapton レゲエの陰に隠れたクラプトンの情感溢れる歌心
70年代のエリック・クラプトン諸作の中では地味な扱いになるのが、本作【邦題:安息の地を求めて】。でもこの1曲目の "We've Been Told (Jesus Coming Soon)"、私はスゴく好きなんですよね〜。 イントロのアコースティック・ギターから何とも言えない寛いだ雰囲気。繊細なフィーリングと土の香りがほのかに広がって、リラックスした空気が何とも心地よいのです。 原曲は、戦前ブルースマンのBlind Willie Johnson。霊歌っぽい風情のオリジナルを全
【Shoot Out at the Fantasy Factory】(1973) Traffic マッスル・ショールズと合体したトラフィックの米国南部訪問
本作はトラフィックの6作目のアルバム。先ずはオープニング・トラックの表題曲 "Shoot Out at the Fantasy Factory" です。 英国ロックシーンの中でも、実験性のある高度な音楽で異彩を放っていたトラフィック。が、この曲、彼等にしては珍しく泥臭いロックンロールなんですよね。バックの演奏も安定かつ堅実。それもそのはず、本作のリズムセクションは米国マッスル・ショールズのスタジオミュージシャンなのです。 デヴィッド・フッド(bass)、ロジャー・ホーキンス
【Live: The Road Goes Ever On】(1972) Mountain 叙情派ハードロックの最高傑作ライブアルバム
アメリカン・ハードロックの中でもひときわ湿ったサウンドで人気だったのがマウンテンです。クリームのプロデューサーだったフェリックス・パパラルディが、自分の息がかかったミュージシャンを集めたバンドでもありました。 私はギターのレズリー・ウェストのプレイって好きなんですよね。クラプトン系のブルースを下地にしたスタイルですが、巨漢のルックスに似て豪快なフレージングを決めまくる所にロックを感じます。多少の手癖はあっても彼の場合、あくまで押しまくるので痛快。そんな彼のギター、ちょっと聴
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【Captured Live at the Forum】(1969)Three Dog Night 人気急上昇中の熱狂ライブ盤!
1970年代に大活躍したスリー・ドッグ・ナイト(以下3DN)。私は大好きです。最初に知ったのは「喜びの世界」でした。80年代末に日本のCMで流れていたことがあり、これ誰?とTV画面の隅に出た「Three Dog Night」だけを手がかりに古い《ミュージックライフ》誌面で調べて、ようやく辿り着いたLP【ナチュラリー】をボロボロの中古レコードで買った懐かしい思い出があります。 3DNの得意技といえば他人の曲のカバー。と言っても単なるカバーではなく、まだ世間にさほど知られていな
【Blues Breakers with Eric Clapton】(1966) John Mayall & the Bluesbreakers 英国ブルースの礎を築いた歴史的1枚
ジョン・メイオールがさる7月22日に90才で亡くなりました。英国ブルースのゴッドファーザーとも呼ばれ、アレクシス・コーナーとともに数多くの後輩ミュージシャンを育て上げたブリティッシュロックの功労者です。 と、頭で分かっていても、私はこの方の歌がどうにも好きになれないのですが(苦笑)、彼の元へと武者修行にやって来た歴代ギタリスト(エリック・クラプトン、ピーター・グリーン、ミック・テイラー…)を思えば、その偉大さは認めざるを得ません。 本作はジョン・メイオールの名を一躍知らし
【Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band】(1967) Beatles アナログレコードで聴いてみた万華鏡のポップワールド
ビートルズの金字塔とも呼ばれる本作。私が初めて聴いたのは1987年でした。忘れもしませんね。何故ならビートルズが初CD化された記念すべき年だったからです。本作は英国発売日(当時は6月1日と言われていました)から丁度20年後に合わせてのリリースでした。 深夜番組《11PM》でもビートルズ特集があったんです。司会は浅田美代子、松金よね子、ゲスト加藤和彦。マニアを自認するファンが100人ほどスタジオに結集して、この中には【サージェント・ペパーズ】を50枚程所有していると豪語する猛