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記事一覧
2023年11月に読んだ本
1 稲垣栄洋『面白くて眠れなくなる植物学』★★★★☆
YouTubeのゲームさんぽで見つけた面白おじさん。アブは黄色い花が好きで、ハチは紫色の花が好き。アブは春早くに行動し始めるのと、ハチより頭が悪くのべつ幕無しに蜜を吸うので、黄色い花を咲かせる菜の花などは他の花より一足早く一面に咲く。紫の花は頭のいいハチだけに蜜を吸わせるために複雑な構造をしている。とか、そういう雑学的な話がいっぱい書いてあっ
2023年10月に読んだ本
あまりに溜めすぎて心の枷になっているので消化していく。
1 キム・チョヨプ『この世界からは出ていくけれど』カン・バンファ、ユン・ジヨン訳★★★★★
キム・チョヨプの第二短編集。第一短編集同様、とてもよかった。今の時代の小説だなと思う。他者と共同体の問題が扱われており、常に弱い立場にあるもの、マイノリティへの目線がある。特に印象的だったのは「ローラ」。自分の生まれ持った身体に違和感を感じている人
2023年9月に読んだ本
1 ダニイル・ハルムス『ハルムスの世界』増本浩子、ヴァレリー・グレチュコ訳★★☆☆☆
ハルムスは20世紀前半のロシアの作家で、スターリン政権下において弾圧を受け、獄中死、ソ連時代は当局によって長らく禁止されており、アメリカ、ドイツなどに遅れて、ペレストロイカ後に再発見された。一篇一篇は非常に短く、一言で言うとナンセンスな作風。非常に風刺的であるのは分かるし、解説が合間に複数挟まれているのもよい構
2023年8月に読んだ本
1 市川沙央『ハンチバック』★★★★☆
人生が賭けられている、故にヒリヒリする。どこかで言われていたポリコレをなぞるような記述が、誰にも文句を言われない誰も傷つけることのない何も言っていない文章が、氾濫する中、これは魂。金原ひとみを連想した。
2 藤本哲明『attoiumani_nizi』★★★★★
第一詩集、始まりはセブンイレブンで、第二詩集は出立のあと、120年完成しないローソンを見遣る
2023年4月に読んだ本
1 水野しず『親切人間論』★★★★★
この本、ずっと待っていた。水野しず氏のnoteが好きでよく読んでいるのだけど、これ紙で読みたいなとずっと思っていたのだ。面白い。言わずもがな面白い。映画を楽しむコツは全部ちゃんと見ようとしすぎない、というのはnoteで読んでから「なるほど」と思って、以後映画体験が少し変わった気がする。片づけは動線の確保が最重要課題、というのも目から鱗だった。「人生に絶対的な
2023年3月に読んだ本
1 たかたけし『住みにごり①~③』★★★★★
乗代雄介が解説を書いているのが本屋で目に留まり購入。不穏で最低。面白い。解説も愛があって笑える。読んだ方がいい。今のところ主人公がいっちゃん真面。
2 平田基『雲煙摸糊漫画集 居心地のわるい泡』★★★★★
私が知っているなかで近いのはpanpanyaあたりか。でもpanpanyaよりしっとりしている。世界観がいいなどと薄っぺらいことは言いたくない
2023年2月に読んだ本
もうやめたのかと思ったでしょう。サボりすぎた。2月に本を読みすぎて書くのがだるくてだらだらしていたらなんと半年経っていた。何という体たらく!
1 モーパッサン『脂肪のかたまり』高山鉄男訳★★★★☆
津村記久子『やりなおし世界文学』に載っていて面白そうだったので買った。面白い。脂肪のかたまりという渾名はひどすぎる。扱いもひどすぎる。食べ物もらったくせに。しかし料理は本当に美味しそう。
2 石黒
2023年1月に読んだ本
読書のことをインプットなどと言われると腹が立つ。
1 岩浪れんじ『コーポ・ア・コーポ5』★★★★☆
実写映画化決定とのこと。主人公ユリは伊藤沙里とかぽいなと思うけど彼女はもう忙しすぎるか。読者人気投票1位がダントツ岡林さんなのはとてもこの漫画らしい。因みに私が好きなのはカズオ。アイツはぞくぞくするヤバさがある。
2 山﨑修平『テーゲベックのきれいな香り』★★★★★
テーゲベックを食べたこと
2022年12月に読んだ本
1 牧野楠葉『アンドレ・バザンの明るい窓』★★★★★
詩集。安川奈緒『MELOPHOBIA』を想起させるような色味の表紙。詩自体も安川奈緒の未発表詩ですと言われたら信じてしまいそうな雰囲気がある。だからつまり好き。終始不穏である。
2 松井ひろか『十六歳、未明の接岸』★★★★★
詩集。精神を病んだことのある人間がそのときのことを書いた詩なんてものは掃いて捨てるほどあり、私の第一詩集もその中の
2022年11月に読んだ本
別に師走、然程忙しかったわけでもないのにまーた遅くなった。
1 鳥飼茜『サターンリターン8』★★★★☆
物語は佳境に。醜悪な人間たちが巻を追うごとに更なる醜悪さを見せていく。特に物語のキーマンであるアオイのイメージがどんどんと悪くなる。こういう人間を「ヤバい」と形容することのキモさは耐え難いものがある。どこまでも醜く、愚かさゆえに愛せるということもない登場人物ばかりで、とる行動もすべて凡庸、語