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バニラアイスのように 朝が溶けていった さっきまで夢を見ていたことなど忘れ 私は真新しい擬…
雨が降った次の日 吐く息が白くなった 雨が降った次の日 宇宙が降ってきた 雨が降った次の日…
小さな枝葉に風がひかりが そばにいるとわかる 何も話せないのにそこにいて 音があるのに静け…
風に吹かれて ただ 気ままに 遠くへ行きたい 誰も知らない 国籍も 人種も関係ない 自由な…
いいか、俺のいうことを聞くんだ ゆっくり進め そう、そうだ じゃあその手を放してください …
「懐かしい……。」 思わずつぶやいた。高校生の頃、いつも読んでいた詩集。すっかり忘れてい…
LINEの交換をしたのです。 その日から毎日、LINEが来ます。 「好きです」 というのが最初のメッセージでした。 私は「何が?」と答えようとしましたが、何となくそれはいけない事のように思えたので、やめました。 ですがどう返したら良いのかわかりません。 なので何も返さないことにしました。 次の日も、来ました。 「会いたいです」 私は「そうですか」と返そうとおもいましたが、やめました。 次の日も来ました。 「あなたを好きになってはいけませんか?」 私は
心臓の中で 古い血と 新しい血だけでなく 第三の血だとか自分で言う奴まで 右の部屋にも 左の…
此処までやっと生きてこれたのだ ボクとキミ ボクが余所見して 何よりいっとう大事なキミを …
解らない もう一人の私なのか 何度も何度も試してくる あっちに行ってよと言うけど 気を引…
月が起きる前に僕は出かけた。日が暮れた頃、仕事を終えて帰った家に月はもういなかった。 月…
地球がある限り この世に男と女がいる限り 悲劇はなくならない 言葉を交わしても あなたの視…
― 註のふたつあるモノローグ ー 洗面器から眼球を拾いあげた まえまえからいつかはこいつ…
最終話 数日後、君はいつものように五階のインテリアコーナーのバスタブに浸かり、薄紫の湯を両手で掬って顔を濡らす。最近は入浴剤としてラベンダーの香りのするものを混ぜている。その甘い香りが鼻腔を刺激し、うっとりとした気分になる。 店長に抜擢された頃の戸惑いは徐々に薄れ、それは責任ある立場を任されたという満足感と立ち仕事ならではのふくらはぎに感じる心地良い疲労感に取って代わる。今回も子どもに叩かれたり、おんぶをせがまれたりしたが、それもお客様に懐かれて