オーバーレイ/レイオーバー

雨が降った次の日
吐く息が白くなった

雨が降った次の日
宇宙が降ってきた

雨が降った次の日
月がせかいを迎えに来た

雨が降った次の日
誰もいない公園でそれを見た

宇宙が降ってきた日は
月がせかいを迎えに来た日
誰もいない公園はぬかるんでいた

宇宙が降ってきた日は
月がせかいを迎えに来て
私以外誰もいなかった
見上げるにはあまりにも低かった

BANDが一小節にも満たない音を出して
歌い手が息を吸い込むのが聴こえた

けれども
そこですべてが途切れた

安堵をもたらす『and』
雨が降った次の日
せかいを迎えに来た月とは
交じりあわぬように
もう一生の接点を失っても
それでも見上げてしまう

美しさとは無縁でも
雨を止められないように
終わりは自分では決められない

降り積もる雨と星々
想いは地層のように積もり積もって
ぬかるみのように私を縛りつける