りよう

詩は瞼の裏側に見えたものの記録。旅の記録であり、記録の旅。奈落から観た月もまた綺麗だった。

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フェアリーテイル

ノアールの夜から あなたとあなたに分かれた私たち 深い森の奥に閉じ込めたのは あなたのことが嫌いだったからじゃない あなたのことを守りたかったから あなたのことを愛しているから ノアールの夜から あなたとあなたに分かれた私たち 野を駆け、空を舞うようにして たくさんのことをあなたは教えてくれた いつも楽しそうに話してくれたけど いつも傷だらけだったのを知っている あなたのことを愛しているから ヴァルプルギスの夜 あなただけに伝える内緒話 外のせかいが変わるにつれて 私

    • フルカウル・フォグライト

      暗がりのなかで 明滅を感じた 眼には波紋が拡がる もう3日連続で 夢の続きのまま 朝を迎えた おわりに向かい進むなか 先に逝くひとを見送り おわりに向かい進むうち どんどんひとりになる 夢はいつもはじまりが曖昧で 明滅のうち誰も通らない方を 選びながら始まってゆく 夢はいつもおわりが曖昧で 朝霧の只中のように 私は現実を見誤りそうになる おわりに向かい進むなか 先に逝くひとを見送り おわりに向かい進むうち どんどんひとりになる こんなことをしている場合ではなく こ

      • アフターグロウ

        村から外れると夜が目隠しをした 生憎、星は出ておらず 頼りになるものはなく 開けているかさえ不確かに感じて 仕方なく暫く目を閉じることにした 生憎、鳥のこえもなく森もまた喋らず 次第に希薄になる存在を 剣のつかに爪をあてて確かめた 手繰るように足を折ってしゃがみ 背負っていた麻袋から紙と黒炭を探った そして今を書き留めはじめる はじめは文字を書こうと試みたが 早々にそれを諦めて 思うまま今をそのまま書き留めることにした 確かめるように目を開けても 相変わらず夜に目隠し

        • 創造

          それは旅の記録であり、記録の旅である 連なりをつくり、連なりを顧みるもの 誰のためにあるものではどうやらない 誰のためにか生み出されたものを 私は受益するだけで、それを生み出すことは どうやら私には叶わない あとどれだけ進めば辿り着くのかと 考えを巡らせるというより どれだけ進んだのかを 幾ばくか延びた軌跡をなぞるということ 時折、楽しみにとっておいたクッキーを 箱から出す時と同じような感覚のそれに近い 時折、美しいことばを見つけると 夢の中で見る風景のようで 幾ばく

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        フェアリーテイル

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        • 無意識にうたうはなうたのように_第4期
          49本
        • あんこちゃんとクリームくん
          38本
        • ノマドは旅に出る
          18本
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          【業務連絡】まちあわせのみなさま

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          まちあわせの、すりあわせ

          メンバーシップ限定となります お買い求めにならないようにお願いします

          まちあわせの、すりあわせ

          おなかが空いて何を食べようかなと考えた瞬間は希望と少し似ている

          本日はメンバーシップ限定となります お買い求めにならないようにお願い致します もしご加入を検討されている方がいらっしゃるようでしたらお声掛けください(お金を頂くためのものではないので)

          おなかが空いて何を食べようかなと考えた瞬間は希望と少し似ている

          大切なことは何ですか、と自分自身に問いかけて出てきたものに傾け続ける

          連続で恐縮ですが、昨日のつづきなので 今回もメンバーシップ限定となります。 お買い求めにならないようにお願い致します。

          大切なことは何ですか、と自分自身に問いかけて出てきたものに傾け続ける

          大切なことは何ですか、と自分自身に問いかけてすんなり出てきたものに傾ける

          向き合うことに一生懸命になりすぎて 見えるものは現実ばかり 夢や理想を考えることが少なくなった 夢や理想があるから現実があるのに それらを見ずして向き合う現実が どこにあるというのか ということで、やりたいことを 考えてみることにする 発想のきっかけをくださった sarさんありがとうございます と言いつつも、相変わらず諸事情により メンバーシップ限定とさせて頂きます ごめんなさい お買い求めになられませんようにお願い致します (sarさんごめんなさい)

          大切なことは何ですか、と自分自身に問いかけてすんなり出てきたものに傾ける

          履歴を紐解いて振り返る

          あまりにも息が詰まることばの羅列である とコメントでも頂いたし、自分自身でも 感じたので、閑話休題とばかりにライトな 内容で書いてみようと思います。 メンバーシップ限定となりますので、 お買い求めにならないようお願い致します。

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          色にあふれた長い一日

          お昼間に星の連弾を観たような気がした。 人に宿る想いがカタチになって生まれ落ちる瞬間は とても美しくて尊い。 その時出てくることばはどこまで想いを尽くしても どことなくチープで少し歯痒い気持ちになった。 ◇ 当日の朝になっても迷っていた。 行きたいと思う気持ちは強くありながら 拭えない緊張や怖さのようなものがあった。 人見知りというよくわからない気質は 大人になっても変わることがなくて 仕事の局面でもたびたび私を困らせる。 けれど、さりげない優しさで声をかけて頂いて 「

          色にあふれた長い一日

          ひと色のことばの連弾

          夜明けは一瞬しか見えない クリームソーダのはじける泡のように 夢とともに消えてしまう 星が天馬の駆ける別の空に 翔んでゆくのを 薄く空いたカーテンから眺めた 子うさぎのちいさな耳に生えた ひかりが少しずつ溶けて やがて朝ははっきりとした朝になる ポケットいっぱいのキャラメルを 今日はいったい誰にあげようかと思う ためらいも恥じらいも捨てて お砂糖の甘い匂いにほころぶみたいに ただ好きだと言えたらいいのに ただ思っていると言えたらいいのに ことばにできないことをそのま

          ひと色のことばの連弾

          オポチュニティの生涯

          赤子が指を咥えて膨らむ赤い頬 月に吠えることなく甘えた声で寄せる猫の頬 流れる川は総体としてどこまでも続く均一の波 履き揃えられた靴にはいつも意思が宿る 当たる爪の硬さから伝わる不安を 心臓に一番近いところについた シャツのボタンは受け止める 車窓から見える降りたことのない駅 遠くの建設現場のクレーンは止まっている そうか今日は日曜日 それでも流れる街もひとも恐らくは続く時の刻み 空を見上げることが減ったのに 鳥を見つめることが増えた気がします 未だ何者かになりたいと

          オポチュニティの生涯

          それでいいの

          すてきなことばかりじゃない すてきなことばばかりじゃない かちはそれらにだけあるわけじゃない ものごとはかちまけばかりでもない きれいごともしょうさんされる かちはだれがきめてもいい きれいなことやきれいごとが うわすべりしても しょうさんするひとはあつまる それのしんぎをとうことにはかちがない きれいなことからきれいなことばを みつけることもすてきだろうけど すくいあげたどろからつくりだす うつくしいとうきのように おおよそきれいではない めをそむけられることからも

          それでいいの

          シルバーライニングを探して

          変わりゆく空気の色 発券機のひかりは早く灯ります 目を閉じて埋もれてゆくと ものがなしさが滲み出てくる気がします 生きるためには必要なエレメント なのかもしれなくっても レプリカントにでもなれたならと思うほど ものがなしさが私を壊していく気がします 傘を忘れて出かけた時に天を仰いで もうどうにかなってしまえば良いのに と思いながらも せっせと靴下を濡らして歩いてゆくと 翼を濡らしても遠くに向かう鳥が見えました きっと誰かを呼びに行っているのかもしれない きっと逢いたい誰

          シルバーライニングを探して

          オフィーリア

          鼻先で吹く風がセピア色になったから 夏は死んでしまったのだと思った 躊躇いがちに吐くため息のように 秋が夕日にかかる雲にこちらに来た 憂いがちになる朝は昔つけたピアスの跡 みたいな指先に感じるしこり 震えるうちに大事なものが零れ落ちないように 無理矢理奮い立たせる日々 季節が巡るようにそれ自身が 私より先に死んだりだとか 曲がり角だとかの変化があるのか あるいはないのかと思案をすると 夜色をした目に見つめられているような 気分になるのだ 震えるうちに大事なものが零れ落ちないよ

          オフィーリア

          いつか光るとき

          遠く遠くから 希望の種を口に挿し 羽ばたきの歌と共に 雲間からそれを 金色の鳥が落とした 背に乗る少女は 見覚えのある顔で 破顔するところを見て ああ、間違いないと確信した 私はそれを見て 泣き出しそうになってしまい きっとそれに気づいたのか 短く弱い雨が降った 希望は待つものでも 追いかけるものでもなく 遠いながら傍にあることに 気がついていられるか どうかなのだと思った 遠いよ、 きみはとても遠い 私はそれに気づいて 泣き出してしまい けれどもう 雨は降ることはな

          いつか光るとき

          きみといろ

          微熱を感じながら過ごす微睡は 滲んで広がった青色のようです あと少しで足が届かなくなる 遠浅の沖にいるような感じがしました 天気予報を気にしながらも お洗濯物を外に出してしまったから 深い眠りのなかにいるのは難しいだろう と、滲みが広がってしまうことを 指で止めたのですが 時折きこえる飛行機の音を感じる程度で 水のなかで漂いつづけることができたのでした 微熱を感じながら見た夢は 滲んで広がった橙色のようです あと少しで手が届くところで 一向にきみの姿は近くならないので

          きみといろ

          小さな一花、大きな一果

          物陰から猫は見続けている 風に靡く髭はいつも見えないものを見ている 猫は人のせかいの中にいるのではない 人こそがかりそめの借り物の中で 生かされている わからないことばかりだけれど わからないことはわからないままでもいいし わからないことをわかろうとするのが 慈しみと思いたい 誰かのの自問自答なんて聞きたくない 大体おんなじことを 大体おんなじに少しちがうように 考えているだけのことさ 一花散れば他の花も散り 同じ一果がそこかしこで実る 台風一過のそのあとで 猫に追われた

          小さな一花、大きな一果

          星空指数とジェリーフィッシュ

          雨は種子を目指して堕ちる 土のなかにまで届くように まっすぐでいることを いつも心がけている 海月は月を目指して浮かび上がる 空のはてにまで届くには あまりに遠いことを いつも心に留めている 雷で生き物たちを遠ざけて 土のなかにまっすぐ届くようにした翌日は ふた葉がいつもより多く 背伸びをしている それを私は知っている だから雷が鳴りだすまでの 数秒のあいだ ほんの少しだけ息をひそめている はじめて口づけをした時のような 不器用さで 胸に抱いた恋心のくぼみは今は 土の

          星空指数とジェリーフィッシュ

          残響音によるユニゾン

          声だけがする夢をみて もうひとりの私はその主が誰かを 懸命に探したのでした やがてそれが誰の声なのか どうして声だけなのかを理解しました 日ごと青い穂を実らせる田圃がある一方で 同じ背丈でも真っ直ぐなままの それらが隣合わせており それはどうしてだろうか と考えを巡らせはしても 歩を止めることはありませんでした 雨戸を開けてみると、 明け方の空は数日前より幾分暗いままで 声だけがする夢を思い出すには 数日前より向いている気がしました 懐かしき声は思い通りに思い出すこと

          残響音によるユニゾン

          キルトの針穴

          暗闇に目が慣れたころに 絶望にも僅かながらひかりはある という思い込みを飲み込んだ 枯れてしまったかもしれない枝に せっせと霧吹きをかけて 眺めつづけるのと同じくらい 途方もなくそして 思い違いをしているかもしれなくても 絶望にも僅かなひかりはある ということはそういうことだと思うから 発光してるかのような天井を 見つめながら どうやって自分を動かそうかと 思案した 夜はどうやら長いというのに どうやら季節は短い 昼にみた昇天する蝉を思い返した

          キルトの針穴