こさめ

わたしの心を言葉にしたい。 この世界の美しさを言葉にしたい。

こさめ

わたしの心を言葉にしたい。 この世界の美しさを言葉にしたい。

最近の記事

わたしには、赤に見える。note28

赤に見える。赤だと思う。 でもほんとはね、青かもしれない。 対比が青って誰が決めたんだろ。 わたしの目に映るものは 何色に見えても、何色でもないかもしれない。 歩きタバコがきらい。 ポイ捨てがきらい。 ゴキブリと同じくらいにきらい。 見た目で判断されるのも、同じくらいにきらい。 ゴキブリがきらいな理由は 黒光りして、すばしっこくて 羽を広げてこっちに向かってくるから。 彼らの意図がわからないから おぞましさばかりが、ひとり歩きする。 こっそりと、暮らしてくれればいいのに

    • 自己満足の足踏み。note27

      傷つきたくないからって 傷つけていいわけじゃない。 そんなことはいつだって 頭の中では分かっているつもりだ。 あとになって思うことは あのときの言葉とか行動とか視線とか わたしという存在がやり過ごしてきたことは どっかの誰かさんに擦り傷くらいはつけていた かもしれない、というか、 擦り傷くらいだったらいいな、ということ。 そういう外面はよくできてる。 目も当てられないことに、耳まで塞いだ。 口から出ていく声は、誰のものでもなかった。 この苦しみは、わたし自身が創り出した

      • 見えていたものは。note26

        擦り切れたカセットテープ。 雑音が混じってかすれた声。 最初に録れたきれいな歌声の、あった場所。 目の前から斜め下ばっかり見てたらね せまーいせまーい世界なの。 目の前から斜め上ばっかり見てたらね ひろーいひろーい世界なの。 わたしは下なんて見たくない。 わたしは上なんて見たくない。 前と後ろと横なんて、もっと見たくないからさ。 裏側からのこっち側、見れないの、見たいのに。 地面の下は見透かせない。 空はどこまでいっても空。 テープは引っ張ってもテープ。 自転車にぶつ

        • そこにあるもの。note25

          いつも、そばにあると思っていた。 いつも、ここにあると思っていた。 思っていた、だけだった。 今度どこに行こうとか 今度なにを食べようとか いつかも、またねも、選ばなかった。 未来の約束がね、ほしかったんじゃないの。 いま、ここに、あなたと、ともに。 過ごす時間が、手元にあってほしかった。 どんな景色も、どんな世界も。 曇りだって、雨だって、あなたと並んで。 晴れの日のように、笑って見つめ合って。 ゆっくりと歩きたかっただけなの。 ね。 そんなこと、伝えたことあったか

          落ちて、着いて。note24

          ズドンと落とされたり ストンとおさまったり この身も心も、上下左右しているけれど。 揺らいで揺らいで、ゆらゆらと、ふらふらと。 考えるより、感じるままでいるならば、 それはとても自然で、人間らしく、私らしい。 歩む道、立ち止まって、後ろ向き、 逆戻り、道それて、また振り返ると。 行くべき道の先に、誰かいて。 向かってきたり、遠ざかったり。 あの人、この人の交差のなかに、 ただ佇んで、とまって、眺めたりする。 その流れるだけの景色の一部を 気にかけて、気に留めて、気に病んで

          落ちて、着いて。note24

          呼びかける声に向けて。note23

          あなたがわたしを呼ぶのなら また振り返らないといけない。 あなたがわたしを呼ぶのなら また心惹かれないといけない。 あなたがわたしを呼ぶのなら また手放さないといけない。 いつか。 いつかあなたの声が聞こえなくなるのなら。 もういっそ、いまこのときに。 失くしてしまわないといけない。 わたしの名を呼ぶその声だけは どうかこのまま、このこころに。 どうかこのまま、このからだに。 夏が逝く前に、どうか鳴ききって。 この耳の奥、叫びきってほら。 出遅れの蝉が、ずっと、泣い

          呼びかける声に向けて。note23

          色のぬくもり。note22

          朝起きたときの、カーテンの隙間からこぼれる 白とも黄色ともとれない、淡い光のこと。 朝雨がつくった小さな水溜りの 透明なようでコンクリに染まる灰色のこと。 雲のかげ。 そこから顔を出す太陽の射光。 風に流れる空の、薄い雲の膜。 もくもく威張るのに見事な積乱雲と いくつもある不細工な穴ぼこ。 油絵みたいな水色か 水彩みたいな水色か 伸びてゆく、赤いレンガ造りみたいなビルの上。 この道は、上も下もわたしの冒険。 すれ違う人、道向こうの人 コンビニ横の喫煙所 生活感は目に

          色のぬくもり。note22

          ひと休みの言葉

          何にも考えなくていいこの時間が、愛しい。 蝉みたいに死にたい なんて言ったら、蝉に失礼だろ。 わたしに触れんな。 触れていいのはお前じゃない。 あの日わたし、死んだんだよ。 じゃあもういっかい 生きてみればいいんじゃない。 とにかくさ、どうでもいいんだよ。 人の気持ちとかそんなのは。 誰がどう思うかよりも大事なのは 自分がどうしたいかじゃないわけ。 綺麗事ばっか言うな。 どうせみんな汚いんだからさ。 汚くっていいから、いい子ぶりっ子すんな。 そんなことまで気ー使う

          ひと休みの言葉

          あなたの名を呼ぶその先に。note21

          手を、差し伸べると同時に。 あなたの腕は降りてきた。 握るより先に。 あなたの手は包んでくれた。 さらっとして、しっとりして よく馴染んだあの感触は、もういない。 わたしから、振り解いたのだから。 やり方が、悪かった。 後先は、考えなかった。 そんなことよりも、まずはあなたを わたしから遠ざけないといけなかった。 なにも知らないくせに 一丁前に生意気なことを言うわたしは あなたにどう映っていたんだろうね。 愛されないことに捻くれていた。 与えられないことに唾を吐いた

          あなたの名を呼ぶその先に。note21

          空っぽの交わり。note20

          抱きしめられたとしても 指を絡めて繋いだ手は寂しい。 甘い言葉を呟かれたとしても 目線の先に温度を感じないのも寂しい。 わたしがほしいものではない。 あなたではないし あなたも、わたしではない。 こうありたかったと願っても そんな願い事は叶うことはなかった。 こうありたいと願うことがなくなった。 期待は裏切り。裏切ったのはわたし。 怖かった。失うと思った。 失う前に、引き離さないとと思った。 苦しんでいたのは 私だけではなかったのか。 朝方の外気は、少し冷えて湿って

          空っぽの交わり。note20

          だったら、何なんだ。note19

          逃げたい。辞めたい。 そんな弱い自分と、いつも向かい合わせている。 きつい。しんどい。 それでも今日という一日を過ごしている。 見過ごしている。 眺めている。 自分という人間の、小さきことを。 やらなければならないことに目を回すのも やるべきことから目を背けるのも ここにいる、自分なのだ。 あの人のようには生きられない。 あの人のようには死ねない。 だけれども あの人のように生きてみたい。 あの人のように死んでみたい。 そんなあの人には、なに一つ近づけない。 遠ざか

          だったら、何なんだ。note19

          守ってあげたい。note18

          たくさんの優しさが、ここにある。 この世界には、たとえ見えなくても そんな想いであふれている。 慈しみ与える人たちがいる。 だれかの哀しみを、自分のことのように 悼み寄り添ってくれる人たちがいる。 そこにあったものが見えなかった。 いつもあったものに気づけなかった。 とても、愚かだったから。 突き放したその人は、 優しかったのかもしれない。 言葉をぶつけたその人も、 優しかったのかもしれない。 憎むべきは、その人ではなく たくさんの身勝手を赦したわたしだと。 大切にす

          守ってあげたい。note18

          見つけた。note17

          ここに咲いたのか、ここに咲いていたのか。 どちらにしても、見つけた。 この花が、咲いてくれていた。 この道を通らなければ、見えなかったもの。 あした通っていたとしたら、見えなかったもの。 この花びらは、散っていたかもしれない。 打ちつけるような土砂降りの雨に 耐えてくれていたかもしれない。 照りつける日差しにも、その暑さにも 負けないでいてくれたかもしれない。 そんな「かもしれない」ことばかりを 追いかけたり、振り返ったりしていた。 そんな自分の不甲斐なさを責めたりした

          見つけた。note17

          あなたでない人と。note16

          これほどまでに恋焦がれる人を 手放すことができるだろうかと思っていた。 恋焦がれる胸の内に、耐えきれずに手放した。 焦げついて、こびりついてしまったけど。 いつまでも、とても好きだったと。 わたしの記憶のなかに、いてほしい。 好きだった、大好きだった。 人は、こんなわたしのことを 自分のことが可愛かっただけだと 身勝手なだけだと言うかもしれないけれど。 ほんとうに、好きだと伝えたかった。 これから先、生きていくこの道の上 何度となく誰かしら通りすがりに声を掛けて 出会い

          あなたでない人と。note16

          自惚と足元の砂。note15

          自分は人と違う。 人には理解できない。 そして人のことも理解できない。 見えるものも聴こえる音も違う。 あの空の、あっちとこっち側。 体内を駆け巡る砂の音。 わたしにわかることが、人にはわからない。 人がわかることが、わたしにはわからない。 見えないなにかが上からかぶさって わたしを覆い尽くしてしまう前に。 この砂を、何処かにやらないと。 焦って足元の砂を蹴り散らす。 近づいてくるなと蹴り散らす。 そんなわたしの、足元の砂。

          自惚と足元の砂。note15

          この胸の内はるか遠くへ。note14

          どうか、届いてくれないだろうか。 あなたの心とわたしのそれが まるで呼応するようにして。 打ち震い湧き上がる激情も 嘆きすら閉じ込めた声なき声も 心のざわめきも、哀しみも、不安も。 抱き止めるには、足りないかもしれない。 それでも、手を広げて待っていたいと。 そんな立派なことを 堂々と言ってみたかった。 横並びに眺めた夕日は沈んでしまっても 汐の残り香が消えてしまっても あなたへの募る愛しさで締めつけられた この心は。 ゆらゆらと水面になってずっと遠くへ。 ずっとずっと

          この胸の内はるか遠くへ。note14