あなたでない人と。note16
これほどまでに恋焦がれる人を
手放すことができるだろうかと思っていた。
恋焦がれる胸の内に、耐えきれずに手放した。
焦げついて、こびりついてしまったけど。
いつまでも、とても好きだったと。
わたしの記憶のなかに、いてほしい。
好きだった、大好きだった。
人は、こんなわたしのことを
自分のことが可愛かっただけだと
身勝手なだけだと言うかもしれないけれど。
ほんとうに、好きだと伝えたかった。
これから先、生きていくこの道の上
何度となく誰かしら通りすがりに声を掛けて
出会いが生まれたとしたとしても。
わたしは、あなたがよかった。
なにがそこまで想い募らせるのかとか、
好きの理由とか、そんなのはない。
あなたがよかったの。それだけだった。
何度となく、さよならを言って。
言い聞かせている。
もう、終わったんだ。