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#食エッセイ
「本と食と私」今月のテーマ:未来―たとえこの世界が滅んでも…
たとえこの世界が滅んでも…
文:竹田 信弥
「未来の食」と言われて、何を思い浮かべるだろうか。
『ドラえもん』に出てくるような、空気中や海中にいる微生物を「ビフテキ」へと生成してくれる、理屈はわからないけど、とにかくすごい料理マシーンか。それとも映画『マトリックス』のベチャベチャのオートミールか。はたまた宇宙食のようなサプリやプロテインバーのような固形物か。
未来の食がどうなっていく
「本と食と私」今月のテーマ:運動―僕が野球漫画で紛らわしているもの
僕が野球漫画で紛らわしているもの
文:竹田 信弥
この半年間、スポーツ漫画や小説に手が出るようになっていた。理由はわかっている。昨年の9月に怪我をしたからだ。
月に一度の草野球の日だった。8年ぶりに草野球チームに入った。運動不足を解消するためだ。趣味の集まりではあるものの、チームは地域のリーグに所属している。2つのリーグに別れて、約1年かけて総当たり戦を行い、順位を争う。4月からリーグ
「本と食と私」今月のテーマ:行き止まりなんてなかった―アップルパイという逃避
アップルパイという逃避
文:竹田 信弥
カウンターに積んである林檎を2つ手にとって、流しで洗う。父が出張のお土産でくれた林檎だ。透明のビニールに7〜8個入っていた。林檎が好きなので嬉しい。しかし、実は前日に近所のスーパーで安売りしていたから自分でも買ってしまっていた。合計16個もある。
この林檎たちが傷む前に食べ切らないともったいない。そこで、妻は林檎ジャムを作ってくれた。それでもまだ残っ
「本と食と私」連載3回目のテーマ:刃物より危険な
刃物より危険な
文:田中佳祐
君は本物の納豆カレーを食べたことがあるか?
店で出される納豆カレーは本物ではない。納豆カレーの真実は、家庭料理に隠されている。スーパーで買ってきた、おかめの顔が描かれたちょっと怖いパッケージの納豆に醤油をたらしてグリングリンにかき混ぜ、家カレーにぶちまけると、本物の納豆カレーが完成する。
この料理のポイントは、罪悪感にある。
そもそも、家カレーというのは大