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2022年2月の記事一覧
【小説】そこは、ミルクでビターなホワイトチョコレート
別れようって言ったら、ちょっと焦った表情になるあなたが好きだった。驚きと迷いと悲しみと落胆。ルービックキューブの面をかちかちとひっくり返すようなあなたの目まぐるしさを見て、ようやくあたしはまだ愛されていると確信できる。
真夜中のファミレスで、穏やかな春の日の公園のベンチで、車の助手席で、あたしはどうしようもなくその衝動に駆られた。
あれはね、病だったの。
あなたを困らせることでしか、