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ミュージアム巡りの記録

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展覧会の感想・レポート記事のまとめです。
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【感想】絵画で旅するなつかしき日本の原風景/川瀬巴水 旅と郷愁の風景展:前編

【感想】絵画で旅するなつかしき日本の原風景/川瀬巴水 旅と郷愁の風景展:前編

昭和の広重とも称され、かのスティーブ・ジョブズも作品を収集していた、新版画の名手のひとり・川瀬巴水。私がずーーーーーっと見たいと思っていた画家の一人です。

大阪歴史博物館にて、大阪では10年ぶりの大規模展覧会「川瀬巴水 旅と郷愁の風景」展が開催されています。(2024年12月2日(月)まで)

本展の概要は、

ということで、彼の画家人生に沿う形で美しい風景画の世界にどっぷり浸れるという展覧会に

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【感想】天を見あげて/関西学院大学博物館

【感想】天を見あげて/関西学院大学博物館

今年の春に訪問した神戸女学院で、西洋風のかわいらしくて美しい建築にウットリしてからというもの。日本各地に点在するW•Mヴォーリズによる建築が、今なお人々に愛されていることを知って興味を持つようになりました。

↑こんなステキな校舎を見ちゃったら、そりゃファンになるでしょって話です🙂‍↕️

実は神戸女学院の隣駅エリアには、ヴォーリズ建築の残る、関西学院大学上ヶ原キャンパスがあります。

9月末か

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デザインで見る髙島屋のこれまで/DESIGN MANIA~百貨店・SCのデザイン~展【感想】

デザインで見る髙島屋のこれまで/DESIGN MANIA~百貨店・SCのデザイン~展【感想】

ミュージアム好きな友人に教えてもらった、とあるアプリ。登録された展覧会のフライヤー一覧を見ることができるんです。

チラシミュージアム~美術館・博物館の情報&クーポンイープラス (eplus.jp)

それを眺めていて気になったのが、『DESIGN MANIA~百貨店・SCのデザイン~』でした。

百貨店と言いますと、私の出身県には髙島屋のような大手の百貨店はありませんでした。だからちょっと緊張し

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優美があふれる至福の空間/アフィショマニ!ミュシャマニ!展【感想】

優美があふれる至福の空間/アフィショマニ!ミュシャマニ!展【感想】

繊細で優美なミュシャのポスター画は、現代日本でも根強い人気がありますね。文房具や雑貨、化粧品のパッケージなどに採用されてもいるので、一度は見かけたことがある方も多いのではないでしょうか?

今回は国内で唯一のミュシャ専門の美術館である、堺アルフォンス・ミュシャ館(堺市立文化館)に行ってきました!

最寄り駅である堺市駅の改札を出たところから美術館の入口まで、ずっとミュシャロードのようになっているの

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乙女心は永遠/レトロ・ロマン・モダン、乙女のくらし展【感想】

乙女心は永遠/レトロ・ロマン・モダン、乙女のくらし展【感想】

レトロ、ロマン、モダン。この言葉が嫌いな人っているのでしょうか?その時代を生きていないのにキュンとする、懐かしくて心が躍る。そんなアンティーク品や建築は今でも根強い人気がありますね。

西洋文化の流入によって生活が大きく変わり始めた明治から、「モガ(モダンガール)」という言葉が生まれた大正〜昭和の時代。当時の世相と呼応しながら、世に出された女性向けデザインの品々を追っていく、そんな展覧会に行ってき

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【アート旅】乙女心くすぐるデザイン展巡り in大阪

【アート旅】乙女心くすぐるデザイン展巡り in大阪

やってきました、芸術の秋🎨

「乙女心くすぐるデザイン展巡り」をテーマに、大阪で開催中の展覧会をはしごしてきました。

本記事は展覧会はしご旅のダイジェスト版で、各展覧会の感想・レポはそれぞれ別記事に改めるつもりです(投稿出来次第、本記事にリンクを追加していきます)。

それでは行ってみましょーう!

「アフィショマニ!ミュシャマニ!」展/堺アルフォンス・ミュシャ館(堺市立文化館)

近年、文房

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【レポ】浮世絵の摺を見学&体験してきました!

【レポ】浮世絵の摺を見学&体験してきました!

あべのハルカス美術館10周年記念事業のひとつである、現役の浮世絵の摺り師さんによる摺の実演見学&摺体験のワークショップに参加してきました。

講師を芸艸堂(日本で唯一の手摺木版本の出版社)の方が務め、至近距離で摺りの様子を拝見するという超貴重な体験です!

こんな素晴らしい体験を忘れてしまっては勿体ないので、ワークショップに参加した際のメモを元に、備忘録を残したいと思います。
(私の聞き間違いや勘

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【感想】広重─摺の極─展 @あべのハルカス美術館:後編

【感想】広重─摺の極─展 @あべのハルカス美術館:後編

私が浮世絵師の中で一番すきな広重にフィーチャーした特別展が、あべのハルカス美術館で開催されています(会期は9月1日(日)まで)。

本展の概要は ‘広重作品の総覧‘。まさに広重ファン必見の展覧会でした。

本記事は、私が見た後期展示のうち、気になった作品かつネット上に画像があった作品を中心とした感想の後編です。
前編は第1章~第4章で、今回は第5章~第8章の作品紹介です。

前回記事はこちら↓

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【感想】広重─摺の極─展 @あべのハルカス美術館:前編

【感想】広重─摺の極─展 @あべのハルカス美術館:前編

私が浮世絵師の中で一番すきな広重。彼の作品のみにフィーチャーした特別展が、あべのハルカス美術館で開催されているので行ってきました。(会期は9月1日(日)まで)

本展の概要は以下にあるように、‘広重作品の総覧’という、広重ファンにはたまらない展示になっております。

実は前後期で大幅な展示替えがあったのですが、残念ながら前期に訪問できず……。後期展示のみになりますが、気になった作品かつネット上に画

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【感想】モネ 連作の情景展

【感想】モネ 連作の情景展

かなり終幕ギリギリになりましたが、「モネ 連作の情景」展に行ってきました。

メインテーマはタイトルにもあるとおり、「連作」です。
展覧会の案内ページを見てみると、

とあるように、連作とはモネらしさが凝縮された作品群と言えそうです。

本展は5部構成になっており、
印象派以前の作品→印象派へ転向後の作品→同モチーフの作品群→連作→睡蓮&晩年の作品
と進んでいきます。

以下では、心に残った作品を

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美術との出会いーーモネ展に寄せて

美術との出会いーーモネ展に寄せて

今さらですが、大阪中之島美術館にてモネ展が開催されています。(会期は5/6(月)まで)

実は美術鑑賞が私の趣味となったのは、過去に観たモネ展で、衝撃を受けつつも心洗われる、忘れられない感動体験がきっかけなのです。

以下は、そのときのモネ展で受けた衝撃を綴ったもので、書いてそのままになっていた文章を少し手直ししたものです。

モネ展を観に行く前に、振り返りを兼ねてnoteに投稿してみることにしま

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