JW639 作者、謝る
【景行征西編】エピソード10 作者、謝る
第十二代天皇、景行天皇の御世。
西暦82年、皇紀742年(景行天皇12)9月。
ここは、福岡県北九州市の小倉南区。
朽網西二丁目に有る、帝踏石。
この石の上にて、景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)は戦勝祈願をおこなった。
そして、更に南に進むこととなったが・・・。
リトル「うぎゃう! うぎゃい!」
シロ「ん? リトル? 如何致した?」
タケ「ん? 他にも、説が有ると?」
シロ「ん? 『タケ』先生は、赤子の申すことが分かりまするのか?」
タケ「そういう設定に、されてしもうた・・・(;^_^A。」
もち「福岡県行橋市の長尾と言われちょる、豊国の長峡県は『日本書紀』に書かれた内容やじ。そこ以外の地が、有るとは思えんのやが・・・。」
ナッカ「もしかしたら、伝承が有るんじゃないっすか?」
リトル「うわうわ。うぎゃう。」
タケ「なんと! 社が有ると?」
やぁちゃん「行宮の地に、社が建ったということですか? リトル殿?」
リトル「うぎゃい。うぎゃい。」
タケ「ふむふむ・・・。福岡県行橋市の津積に、景行神社が鎮座しておると・・・。そこが、行宮の地であると、言われておるのか?」
リトル「うう。うぎゃう。」
タケ「祭神は、その名の通り、大王なのじゃな?」
いっくん「どういう展開やねん。」
シロ「とにかく、行宮を設けねばならぬ。長尾でも津積でも構わぬが、せっかく、社が有るのじゃ。津積に移ったことにしようぞ。」
たっちゃん「皇子が申した上は、そうせざるを得ませぬな。」
小左「作者の陰謀が、度を越しては、おりませぬか? 赤子が喋るなど・・・。」
シロ「どうしても、景行神社にしたいのであろう。致し方あるまい。」
こうして、作者の希望で、一行は、景行神社の場所に、行宮を設けたのであった。
ヤヌシ「ちなみに、行宮が築かれたことから、この地域は、京と呼ばれるようになったなり。」
舟木「のちに、豊前国京都郡と成りもうした。」
えっさん「二千年後の行橋市の北西部や、みやこ町の北部、苅田町の辺りに、あらしゃいます。」
シロ「うむ。そして、我は、この地に、社を建てたぞ。」
たっちゃん「景行神社だけでなく、他の社も建てられたと?」
シロ「うむ。その名も、小烏神社じゃ。」
影媛「ところで、祭神は?」
シロ「鴨建津見命を祀ったぞ。」
野見「それは、賀茂建角身命の別名にござりまするか?」
シロ「その通りじゃ。」
モロキ「賀茂建角身? どこかで聞いたことが・・・。」
百足「エピソード57にて、紹介されておるぞ。八咫烏の別名じゃ。」
モロキ「おお! そうであった!」
ウナ「なるほど・・・。それゆえ、小烏という社名なのか・・・。」
おやた「されど、なにゆえ、八咫烏を祀られたのです?」
シロ「此度の征西が、上手く進むよう、願い奉り、神武東征の折の、八咫烏の功を讃えて、祀ったのじゃ。」
ヤヌシ「更に、我の父上、彦太忍信命も、祀られているなり。」
ウナ「ん? 八咫烏と『まこと』殿? どのような関わりが?」
シロ「『まこと』殿については、よう分からぬ。ロマンじゃのう。」
夏花「ところで、鎮座地は何処になりまする?」
シロ「福岡県行橋市の大谷じゃ。」
ナッカ「でも、どうして、こんなことしてるんすか? さっさと、熊襲を討ちに行くべきだと思うんすけど?」
シロ「そうしたいのは、山々じゃが、まずは、この地の鎮撫に重きを置かねばならぬ。」
ナッカ「そういうモンなんすか?」
シロ「土蜘蛛を討って、間もないゆえ、民は、色めき立っておる。これを鎮めずして、南に進むことなど出来ぬ。」
やぁちゃん「では、しばらく、この地に留まられると?」
シロ「うむ。まずは、土蜘蛛が、討ち取られた地に向かおうぞ。」
夏花「討ち取られた地? 福岡県田川市の夏吉に行くと!?」
モロキ「前回、神夏磯媛こと『カンナ』殿と、別れたばかりにござるぞ?」
シロ「そう言われてものう・・・。」
タケ「許せ。作者が、忘れておったのじゃ。」
ウナ「大王が、夏吉に赴いたことを忘れていたと?」
タケ「どうも、そのようじゃな。作者も、早く熊襲を討ちに行きたいとの想いに駆られ、見落としていたのであろう。」
シロ「作者は、我のことを、よく分かっておらぬようじゃ。何とも、情けないことよ・・・。」
こうして、大王一行は、夏吉に向かうこととなったのであった。
申し訳ございません、大王。
つづく
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