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JW448 水底の宝、宝の主
【崇神経綸編】エピソード23 水底の宝、宝の主
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
紀元前36年、皇紀625年(崇神天皇62)。
ここは、磯城瑞籬宮(しきのみずかき・のみや)。
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日嗣皇子(ひつぎのみこ:皇太子のこと)の活目入彦五十狭茅尊(いくめいりひこいさち・のみこと)(以下、イク)と、妃の狭穂姫(さほひめ)(以下、さっちん)の元に、ある人物が訪れていた。
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丹波(たにわ:現在の京都府北部)の氷上(ひかみ)を治める、氷香戸辺(ひかとべ)(以下、カト)である。
ちなみに、氷上とは、兵庫県丹波市(たんばし)の氷上町(ひかみちょう)一帯を指す。
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そして、カトは、自身の子供が、不可解なことを言ったと報告するのであった。
カト「底宝御宝主・・・。水底(みなそこ)の宝、宝の主(ぬし)・・・と言ったのです。」
イク「な・・・なんてことだ・・・。」
カト「これは、幼児(おさなご)の言の葉としては、似つかわしくありませぬ。もしかすると、神が憑(つ)いて申しているのではないかと・・・。」
イク「なるほど・・・。ところで、お子さんは、おいくつなの? 男の子? 女の子?」
さっちん「えっ? 皇子(みこ)? そこが、気になりまするか?」
カト「そ・・・そういうのは、勘弁(かんべん)してくださりませ。」
イク「自分の子供なのに、分からないの? それって、おかしいよね?」
カト「そ・・・そのようなことを言われましても『記紀(きき)』には、何も書かれておらず・・・。」
イク「そういうことなら、仕方ないね。しかし、どう考えても、神様の言の葉だよね。すぐ、大王(おおきみ)に奏上(そうじょう)するよ。報せてくれて、ありがとう。」
カト「い・・・いえ、子供については、舞台裏で、こっそり、お伝え致しまする。」
イク「ありがとう『カトちゃん』・・・。」
こうして「イク」は、崇神天皇こと、御間城入彦五十瓊殖尊(みまきいりひこいにえ・のみこと)(以下、ミマキ)に、このことを伝えたのであった。
ミマキ「大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)の仕業(しわざ)じゃな・・・。わしの元にではなく、イクちゃんの元に伝わったのも、大神の思し召し(おぼしめし)であろうな・・・。」
イク「どういうこと?」
ミマキ「大神は、わしに対して、お怒りということじゃ。されど『イク』・・・。汝(なれ)は、大神に認められた。大神は、汝を通じて、祀(まつ)ってもらいたいのじゃ。良きかな・・・。」
イク「お・・・大王・・・。父上・・・(´;ω;`)ウッ…。」
ミマキ「ん? 如何(いかが)致した? なにゆえ、泣いておる?」
イク「い・・・いえ、なんでも・・・。さあ、早速(さっそく)、出雲(いずも)の人たちに、大神を祀ってもらおうよ!」
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ミマキ「そうじゃな・・・。」
「ミマキ」による勅命(ちょくめい)は、すみやかに下され、大国主大神は、出雲にて再び祀られることとなったのであった。
そして・・・。
ミマキ「ところで『イク』ちゃん。エピソード276は、知っておるか?」
唐突な問いかけ。
どういうことであろうか?
次回につづく