短編小説 『waving 響子』後編
翌朝、響子が目を覚ますと、猫のラックは響子のからだに身を寄せてまだスヤスヤ眠っていました。
その姿を見ると思わず笑みが溢れます。
「可愛い......」
その視線に気づいたのか、ラックはゆっくりと目を開けると、響子の顔を見上げ、声にならない声で短く「ミャー」と、一声鳴きました。
響子が朝風呂に入ろうと大浴場に向かうと、ラックも後をついて来ます。
響子が浴衣を脱いでいる間に、もう先陣をきって、湯船のなかで気持ち良さそうに、クルクルと猫かきを披露しています。
『本当にお