抜けるとこは全部抜く。我が家のお味噌汁の作り方
実は毎日お味噌汁を作る人って少数派…?
和食と聞いて頭に浮かぶ映像と言えば、まずは白米とお味噌汁じゃなかろうか?
でも、世の中にはたとえ日本育ちであろうと和食が好きであろうと、お味噌汁を日常的には飲まないという人が結構いるらしい。
というのも同級生と5.6人で話していた時に、「週4以上はお味噌汁を作る」という人は私を含めて2人しかいなかった。
これが自炊をしない人になるとさらに増えて、外食で出てきた時や、たまにインスタントかカップの味噌汁を飲むので満足という人も珍しくない。
作らない人にとっては、お味噌汁というのは「わざわざ作るのは面倒だし、そもそもあまり必要性を感じない」存在らしい。
一方私にとってのお味噌汁は「家にあるものを適当に入れてもそれなりに美味しくなるし、温まるし、具材にもよるけどお腹にもたまるし、ごはんさえあれば食事として格好がつく」という、自炊の超お助け役に思えるほどの存在だ。
さすがに毎食は作らないけれど、一度にたくさん作っても温めなおして食べられるので、作る時は2~3食分くらいはまとめて作ってしまう。
とはいえ、そんな私も10代の頃はお味噌汁は無くても問題ない側の人間だったので、お味噌汁はたまにでいいという人たちの感覚もわからなくはない。
ただ、作る側になってからというもの、あるものぶち込んでお鍋で火を通すだけのお味噌汁は強い味方になった。
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しかし、やはり日常的に食べるとなると、私は少しでもサボりたい。切実。
だから料理本や一般的に基本とされている作り方を基準にすると、私の作り方はめちゃくちゃ雑である。
参考になるかわからないけど、なかなか人のお味噌汁の作り方をのぞく機会もないと思うので、よければどうぞ。
抜けるとこは全部抜く、我が家のお味噌汁の作り方
①毎回出汁は取らない
まず、そもそも出汁を取らないことが結構ある。
具材にお肉やキノコ、根菜、海藻など、もとから旨味が強いものを入れる時は、それだけで出汁がでる。
さらに出汁を足しても美味しいけど、食材が美味しければこれにお味噌入れただけでも決してマズくはならない。
②出汁も具材として食べる
出汁というと、火加減やタイミング、濾したり引き上げたりと、なかなか面倒なイメージがある。私はあった。
で、食材によってかつおや昆布なんかを使い分けるのも、毎日のこととなるとさらに面倒に感じる。
だから「お味噌汁に出汁を加えるか」と思った時は、具材が煮えたタイミングでかつお節を適当に一握り鍋に放り込んで、そのまま具材として食べる。
料理人的にはいろいろ言いたいことはあるかもしれないけど、私は素人なのでね。
具材が少ない時も、ネギとかつお節、豆腐とかつお節というように、かつお節も具材として楽しめるので全然アリだと思ってる。
出汁だけ取って捨てるのはもったいないし、出汁ガラをおかかなんかにアレンジするまでの気力はないしね。
③味噌は漉さない
味噌汁というと、味噌漉しという持ち手の付いた小さなザルのような道具が必ずと言っていいほど登場するんだけど。
あれ、そもそも持っていない。
味噌は、お玉やらスプーンで使うくらいすくったら、火を止めるタイミングでお鍋に突っ込んでおく。
それから食卓を準備して、よし食べるかとなったタイミングで温めなおしながらお玉をグルグルすると、熱とお湯?汁?でお味噌が勝手にホロけてくれる。
そして、これは好みの問題だけど、私はお味噌の粒感も美味しいと思えるので(だって柔らかいお豆やら麹やらだし)、丁寧に漉して口当たりなめらかにして洗い物を増やす必要性を感じない。
だから、我が家のお味噌汁は、たとえ食材が何も入らなかったとしても、かつお節とお味噌の粒々感は楽しめる仕様になっている。
お味噌にこだわるとQOLはあがる
具材も出汁も味噌も放り込むだけのお味噌汁は、なんの繊細さも技術も必要としないので非常に簡単。
ルーを使ったカレーが簡単と思える人なら同じ感覚かそれ以下で作れるのでは?とすら思っている。
でも、今はインスタントも美味しいからね。我が家もインスタント常備しているし、作ることが正義とは全然思わない。
ただ、お味噌汁というのはお味噌をとかした汁物なだけあって、お味噌の味で結構味わいが変わる。
お醤油やお砂糖を単体で水で割ってごくごく飲むことはあまりメジャーじゃないけど、お味噌汁は雑に言えばお味噌をとかして飲んでいるので、お味噌の味にダイレクトに影響されやすい。
私の中では「お味噌をそのまま舐めても美味しいと思えるお味噌で作ればハズレない」というゆるい基準では選んでいる。
それから、出汁入り味噌は便利なんだけど、ほとんどがお味噌汁を基準に作られているから、ちょっと野菜にお味噌漬けたり料理に足したりしたい時に「出汁はいらないんだよな~」ってタイミングがあるから選ばない。
ただ、味の好みや維持できる価格帯、使い勝手のよさなんかは本当に人それぞれだから、これが良いよというのはないのだけど、シンプルに美味しいお味噌で作るお味噌汁は美味しい!とは思うよ!
ざっくり作っても美味しいからこそ今も残っているはず
ちなみに、よく「お味噌汁は沸騰させちゃダメ」とかも聞くけど、うっかり煮立たせちゃった!くらいの凡ミスはすでに何度も経験している。
その上での個人的な感想としては、まったく問題なく美味しく食べられる。
グツグツ煮詰めるレベルだとさすがに塩分の濃さも変わるだろうけど、お金をいただくお客様や料理に厳しい方にお出しするのじゃなければ、そんなに過敏にならず、むしろ「アツアツで美味しいぜ!」程度に受け止めてもいいのでは?と思っている。
炊飯もお味噌汁も漬け物も、突き詰めるとキリがないくらい奥深いものではあるけど、一方で「普通に美味しいレベルなら誰でも作れる」くらいの気軽な料理でもある。
てゆうか、そもそも手順も難しく、道具もあれこれ必要な面倒くさい料理だったら、こんな長い間、和食のスタメンではいられていないはず。
じっくり丁寧に作られたものは、その分の美味しさがあるけれど、ざっくりちゃちゃっと作ってもそれなりに美味しいお味噌汁は、私にとってめちゃくちゃありがたい食べ物なのだ。
「お味噌汁は飲みたいけど出汁とか味噌漉しとかよくわからないしな~」と思っている人がいたら、ぜひ一度、ブチこむだけお味噌汁にチャレンジしてみてほしい!
発酵食品を使った温かい汁物は胃腸にも優しいし、私はこれからもお味噌汁でどんどん自炊でラクしていこうと思っている。