【厳然たる事実に立ち向かえ】ウィルトンズサーガ2作目『深夜の慟哭』第12話
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こうして晩餐は無事に終わった。めいめい立ち上がると、給仕の者たちが椅子を引き、食卓から離れやすいようにしてくれた。
ウィルトンはほっとしていた。アントニーを見ると、彼は常に変わらず平静なままだ。ほうほう、さすがにお貴族様育ちは違うぜ。そう思いながら、今度は令嬢を見る。令嬢はウィルトンとアントニーに微笑みかけてきた。
「いかがでしたかしら?」
「とても美味しかったです! こんな豪華な食事は生まれて初めてです」
「そう、それはよかったわ