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「グリード:Vol.1 狎鴎亭ロデオ」(CREATIVE SPACE HAYASHI)

 グリード(Greeeeed)は韓国のアーティスト。韓国では著名ブランドとのコラボレーションなどで既に知られた存在であり、今回は日本初の個展となります。

 本展のタイトルである「狎鴎亭(アックジョン)ロデオ」はソウル江南にあるファッションストリート。そこに集うおしゃれな人々をGreeeeedは取材し、そして一つの人物画として描くのですが、ひときわ目を引いたのが彼らの顔が皆一様に、4つのドットと2つのラインのみで表現されていること。日本の浮世絵でも着物などのファッション表現を優先し、顔の描き方を統一していることがありますが、Greeeeedはそれ以上、男女の区別すらないように感じます。

 解説によるとファッションスタイルを通じた、本質としての「欲望」を表現することに重きを置かれているためだそう。確かにそうで、衣服は着る人の「欲望」を思うままに表現できるのに対し、顔は多少メイクとかできたとしても衣服のように思いのまま、というわけにはいきません。むしろファッションを通じて、均質なドットの顔にその人が求めているだろう「顔」が浮かび上がってくる感じもいたしました。

 ファッションという表層的な表現でありながら、その人の印象を大きく決定する顔のみを取り除くだけで表現は観念的な要素を纏う。非常に面白い芸術だと思いました。

 非常に面白いギャラリーです。
 そもそもこの展覧会を韓国のギャラリーColonBと実現したこともですが、通常のギャラリースペースに加え、今回は隣にある「泰松館(たいしょうかん)」も使って展示。1923年、ギャラリーのオーナーの祖父が別荘として建てた邸宅をオリジナルに近い形でリノベーションをした施設とのことで、そんな場所でGreeeeedさんのような現代芸術を見られるというのも貴重な経験でした。


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