ドジっ子メイドの老後手前
もともとアンバランスな身体でありますところへ赤いヒイルなど履くものですから、危なかしくフラフラ揺れる。あちらこちらへフラフラ揺れるものであるから、しょっちゅうお皿を割っては叱られお水をこぼしては叱られて、それにくわえてぼんやり屋さんであって、お給仕中に心がおさんぽに出かけては言いつけられたこともすぐに忘れる。はわわ。養成学校の同期メイドたちは次々就職先のおうちが決まってゆくのに、僕だけいっこうにどこからも選ばれませんでした。不器用でもそそっかしくてもせめて愛想なりとも良けれ