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如何にして私は性別を失ったか②

こちらは「如何にして私は性別を失ったか①」の続きとなります。
※引き続きこの記事には暴力やセンシティブな話が登場します。ご気分の悪くなる方はお読みにならないことをお勧めします。
また、しつこいですが冷やかしでお読みになることもおやめください※


前回の記事①はこちらから 

3.もしかしたらGIDかもと思うも、 やはり分らない男性陣

そういう訳で、料理は好きだったので女の子の友達もいましたが、当時は男友達も多かったです。
私の趣味がサイクリングなどのスポーツ、ゲーム、読書だったこともあり、男子とは一緒にチキンレースなどをよくしてゲラゲラ笑っていました。
当時の私の価値観としては『強い』≫『可愛い』でした。
ASDと愛着形成の問題の掛け合わせで可愛いことで人から支持を集めるより、自分自身が強いことの方が圧倒的に価値があるように思えたのです。
人というものは(私含め)いついなくなるかわからないものでしたから。

そうした価値観の中で『私はGID(性同一性障害(現在の呼称は性別違和))ではないか?』と煩悶することもありました。

しかしそれでも下記の事情で、私は私をGIDとは思えませんでした。
というのも確かに一般的な女子より男子の方がコミュニケーションの戸惑いは少なく済みましたが、それでも会話に戸惑う事は多々ありました。
『あいつ(同級生男子)良いエロ本持ってるから今度あいつん家行くんだよね』
『あいつ(同級生男子)絶対お前のこと好きだって!』
『あいつ(同級生女子)〇〇胸デカいよな〜』

内容がエグ過ぎてこれ以上お書きできませんが、当時、表面上は流しながらも、内心は吐き気で一杯でした。

なぜ一般的な男子は、汚いことと卑猥なことがこんなにも好きなのか。

結果、女子もわからないけれど男子もわからない、何者にも分類できない学生時代を過ごしました。

4.ASDと被虐児が招いた性被害

そうした中でも人付き合いは曲がりなりに続きました。
そんなある日、美術を学んでいる知人から「デッサンを取らせてほしい」と依頼があり応諾しました。
これが私の“狩りやすさ“に目をつけた陰湿な加害者の罠とも知らず。

内容は詳しくは未だに思い出せない(解離)もあるため、伏せますが結論から言うと、デッサンのためと称しセンシティブな姿態を撮られ、アルコール(おそらく薬を入れていた)をスポーツ飲料と偽り飲まされ(一口で蒸せその後口をつけませんでしたが、一口で充分に効きました)、アルコールで眠り記憶のない間に何かをされました(眠っていたので記憶がないので確かな事が何も言えません)。

こうした経験を「自衛の足らないバカ」と見做す人もいるでしょう。
ただ私はASD(自閉症スペクトラム)の特性上、言葉をそのままに受け取りやすく騙されやすく、当時は見えにくいタイプ故に診断も降りていないため、その特性すら知らず、更にはその知人は周囲でも評判が良く、とてもそんな卑劣な事をする人には見えませんでした。

実際、その被害を唯一話した友人も絶句し、「まさかあの人がそんな事をする人とは、、
と驚いていました。 
その友人は男性のため、知人とも下ネタで話をする機会が女性より遥かに多い分、そうし性的な傾向は知りやすかったでしょう。
なおかつ彼は人をよく見ているタイプの人間でした。
その友人すら驚く人。
そういう人が日常に潜んでいるのです。
それも、罪に問えない巧妙な手口や被害の程度、相手の年齢を考慮して。

そのため、これを読んでASDや被虐経験があり性被害経験のない方には、くれぐれも私と同じ轍を踏まないでほしいと勝手ながら祈っています。
いかなるジェンダーでも、今の社会では残念ながら性被害に遭った事実はスティグマとなり、一生に渡りそれをバラされる恐怖やばらまかれるリスク、繰り返されるフラッシュバックという余りにもにも悲惨な重荷を背負わされるケースが後を絶たないからです。

またお読みになっている方で既に経験のある方には、どんな背景があろうと加害者が100%悪い事を勝手ながら断言します。
未だ法整備や認知が甘いこの国では被害は恥ずべきものとして見做されがちですが、あなたは何も悪くないのです。
何歳でもどんなジェンダーでも、どんな背景や環境下でも、悪いのは加害者です。
あなたを糾弾する人がいるなら、それはその人の言動が間違っています。
あなたの事を大切に思っているから余計に口を酸っぱくお説教をする方もいるかもしれません。
その方の思いはそれとして、言動はその方の認識の歪みです。
あなたは本当に何も悪くないのです。



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