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かどみなかずき
2024年4月27日 15:31
詩です。朝くつひもを結ぶときは左右左右の順番で必ず蝶が二匹連続になるようにするのときみは言う一匹ずつのぼくのことをきみは蝶がかわいそうだと思わないのかと叱るまったく思わないのだけれどぼくは二匹連続になるようにして一緒に桜を見に行く春を積み上げている=====================読んでいただきありがとうございます。スキやフォローもしていただけるとうれしいです
2024年4月25日 16:37
詩です。いきなり見ず知らずの人を殴りたくなってしまう飛んでいた蚊に対していきなり向けてしまう凶暴さが許されている気がしているのがこわい温い深海のようなざわめきのなかノイズキャンセリングでぼくの名前を呼ぶ声も聞こえていなかった=====================読んでいただきありがとうございます。スキやフォローもしていただけるとうれしいです。
2024年4月24日 18:21
詩です。部屋を暖めるストーブが苦しそうに熱を吐き出す傍で裸で抱き合っている人たちがいる窓から三日月を見てあれは神様がまぶたを閉じている状態だから見つからないうちにキスしようって言ったRとLの発音をなんどもなぞるような動き世界にいまボクらしかいなかったら世界には愛しかない=====================読んでいただきありがとうございます。スキやフォローもしてい
2024年4月23日 16:47
詩です。紙の上にデスクライトに焼かれた虫が落ちてきたのたうちまわる黒い点は雲の上の存在から見えるわたしだと思った紙を汚さないようにティッシュにくるんでから指先で圧し潰す夢という坂は鑢になっていて素足のままで行かねばならない=====================読んでいただきありがとうございます。スキやフォローもしていただけるとうれしいです。
2024年4月22日 15:57
詩です。さくらはどこで咲いたのか分からなくても風に乗っていつのまにか髪にまぎれ込むウグイスがどこで鳴いたのか分からなくても目を覚ます合図としてあたりをゆらしているしかしあそこで咲いているとすぐに気づける躑躅は鼻先を近づけないと香りを知ることができないいつのまにか持っていた嫉妬心もやっとの思いで手に入れた歓喜も感情のすべてが生まれている春===================
2024年4月16日 15:57
詩です。ハンバーガーを食べているとこ見せられないのが恋いつもはママと来ているラゾーナがきょうはコロッセウムのようで勝とうとしようしている時点で負けているようで=====================読んでいただきありがとうございます。スキやフォローもしていただけるとうれしいです。
2024年4月15日 17:20
詩です。美しい傘立てがビニール傘であふれて醜いのでしっかりした折りたたみ傘を一本買っていつも鞄に入れるようにしていたその折りたたみ傘を、今日にかぎって忘れてしまった空は神様が恨みを込めてかき混ぜて作った極悪のメレンゲのような雲で埋めつくされている雨が放たれる雨は人体にインクのように飛び込んで煙のように溶けていく=====================読んでいただ
2024年4月7日 17:16
詩です。お風呂はいいな、ひとりになれるからいいな毛とか生えててきもちわるい脛だから、ゴールデン・レトリバーも寄ってこないひじきみたいに揺れているうねうねと昇っていく湯気あ、乳白色の浴室の天井から黒色透明の蜜が垂れている宇宙が溶け出したみたいにいったいぜんたいどこにこれだけの量があったのかと思わせる白い鎧の歩兵の密集体形に黒い騎馬隊が錐形で突撃するどこかから叫喚と叫喚がぶ
2024年4月5日 16:47
詩です。よろこびは買えるよ。いかりは買えるよ。かなしいは買えるよ。たのしいは買えるよ。だいすきは買えるよ。きもいは買えるよ。いらつくは買えるよ。とうといは買えるよ。ふあんは買えるよ。きもちいいは買えるよ。やさしいは買えるよ。かわいいは買えるよ。くるしいは買えるよ。ころしてやるは買えるよ。おもしろいは買えるよ。さびしいは買えるよ。かしこいは買えるよ。したしいは買えるよ。わりと
2024年3月23日 17:11
詩です。バスタブが世界一安全な場所なんですかくれんぼをしたときはすぐに見つかってしまいましたけどムジャキなドキドキを、ポツポツと咲かせながらうずくまっていると、外では、ゆでたまごが降っている音がしたんですそうです 殻は剥いてある、つるつるホワイトなやつです重なりに重なったカサカサな枯れ葉の上にとすん、とすん、と落ちているんです ほとんど一定でいま、同じ場所で頭からシキブトンをかぶ
2024年3月22日 19:13
詩です。足を下ろそうとするとそこにはタンポポがあるから待って、と言われて下ろす場所を変えようとするとそこにはアリさんの行列があるから待って、と言われてまた変えようとするとそこにはオレンジのBB弾があるから待って、と言われてまた変えようとするとそこらへんにコンタクトが落ちてるから待って、と言われて右足は地面と再会することはないままぼくは案山子になったあれはオタマジャクシ
2024年3月15日 18:09
詩です。桜は壊れながら旅をする今年もキレイねぇ、と言っているばあちゃんがとても残酷に見えた月の光は破損箇所から漏れ出ているだんごを食べる暢気さなんて到底持つことができない桜も月も、きっと充電の回数は増えている一方だろう昔より遠くまで行くことができなくなって、昼まで寝ていられることもなくなって、食べられるカルビの枚数も減っていくここでの儀式は、一人を生贄にするものから五歳の身体
2024年3月12日 18:13
詩です。朝、くつひもを結ぶときは、左、右、左、右、の順番で必ず蝶が二匹連続になるようにするの、ときみが言ったぼくは一度試したきりやることはなかったのだけれど、蝶々夫人だね、と言って手を繋ぐようになった けんかはだめ、と言いながらオーバーオールを着た幼子が蝶の交尾をちぎっていた蝶たちは紙きれのように風に飛ばされていった きみが電柱の陰によけてくつひもを結び直すときは左、
2024年3月10日 14:10
詩です。先生から見て二列目の一番後ろに座っているから、五列目の前から二番目の山下さんが膨らんでいくのがはっきり見えたなにがあったのかな? 夏休み明けだからかな?教室には数学の小テストに集中する空気が満たされているから、弾け飛んだワイシャツのボタンがメダカの生きている水槽を叩く音は流された山下さんが蛍光灯に耳をこすらせている頃加藤と桜井と岡本さんの姿が見えなくなったぼくは久しぶ