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やってみたいと思えることが仕事になるなんて信じられなくて吐きそうになった話


どうしよう、受かった。

気づけば半年以上の無職生活。

正社員という働き方を辞めて、まずはパートから始めてみるというのもあるが、
就活を初めて1週間ほどでその日はやってきた。


「ぜひ来ていただきたいと思っています。」




会社のビルを出てファミレスに入る。

席に着いてもなお、私の心臓は高鳴り続けていた。

もちろん嬉しい。

喜びと、不安と、怖さが入り混じる。


面接は大学4年生の頃に経験したきり、一度もしていなかった。

だから、これまでの職歴とか根掘り葉掘り聞かれるのかなと、
ちょっとだけ緊張してちょっとだけ準備していた。

でも、どちらかというと会社の説明を丁寧にしてくれて、
こういった仕事をやってもらうことになるかもしれないけど大丈夫ですか、といった話がメインだった。

____私たちの会社はこういった仕事をやっています。

シンプルに素敵だと思った、興味を持てた。

____こんな事をやってもらうことになるかもしれません。

え、やってみたかったやつかもしれない、素直にそう思った。


働き方も、自分が思っていた以上に自由で大丈夫ですという話だった。


え、、、、、?

やってみたいと思えることが仕事になるなんてことがあるの???

私には、それがどうしても信じられなかった。

嬉しさと疑いと不安でなんか吐きそうになった。


それと同時に、ここまで自分が
「仕事=嫌いなことをすること」だと思い込んでしまっていた事実にもショックを受けた。


ほんと、いつの間にこんな汚れちまったんだろうか私のココロは。


転職しても、どうせ”嫌なこと”をするのだと思っていたから、
少しでも興味を持てることが目の前に現れて、白目になりそうな状態だった。


「そんなことある、、、?いやそんなうまくいくはずない、、、!!!
でも、ほなやってみたらええやんかそしたら。」


頭の中で始まる自問自答。

心を落ち着かせるために推しのMVを流してみても、なぜかまったく頭に入ってこない。

平日限定チキンステーキランチの味も、その日はしなかった。


気づけば普段あまり飲み物を飲まない私が、ホットティーを2杯もおかわりしていた。もうこれ以上は飲めない。


ふと、大好きな映画『下妻物語』に出てくる台詞が頭の中に降ってきた。

人間は幸せを前にすると急に臆病になる。
幸せを勝ち取ることは、不幸に耐えることより勇気がいる。

嶽本野ばら_著『下妻物語』より


はぁ、会いたいよイチゴ・・・。

「できるよお前なら。ってかお前がやらなきゃ誰がやるんだよ、やるっきゃねーよ」

その言葉を、私にもどうか言い放ってくださいイチゴ様・・・。



働くことへの怖さは、これだけじゃない。

「この人感じが良いな」と思った人でも、仕事を一緒にするようになったらめちゃめちゃ苦手になっちゃうのかなってこわくなる。


「第一印象が良い人はクソ」


大学生の頃、ある友人がそう言っていたのを思い出した。

でも、前の会社で史上最強に苦手だった人は第一印象から良くなかったしな、、、と、
そっちの可能性に賭けようとする自分がいた。


、、、

とりあえず、だめだ。


しばらく呆然としてしまって、ファミレスのその席から離れられそうになかった。

期待しすぎるのも嫌な自分がいる。落ち着けよほんとって思うのに落ち着かない。そんなお昼時間を一人で過ごしていた。



それにしても、

面接に成功して吐きそうになってる人なんているのかよ

ほんと、バカなのかなわたしって。

でも、今日はもう動けそうにない・・・



用事があると朝に洗濯をできない人間なので、
家に着いてまず洗濯を回した。

まだ、気持ちがふわふわしている。

それと同時になんか、どっと疲れが出てきた。

_____そして、

気づけば布団で眠りについてしまっていて、
目を覚ますと時刻は17時過ぎ。


洗濯が終了の合図を出してから既に1時間ちょっとが経過していた。

「あーーー、やっちまった。」

でもまぁギリ大丈夫だよねということで、
起きたての火照った顔でお風呂場に洗濯物を干した。

次は夕飯の準備をすべきなんだけど、


もうどうにもこの感情を書き留めておきたくて、


そうでないともう、TVerでドラマを観ても心に真っすぐ入ってこなくて、


助けを求めるような気持ちで今noteに打ち込んでいる。


これを公開するのが一体いつになるのか分からないし、続いているのかもう挫折しているのかも分からない。
ただ、これがその、
私が思わぬ理由で吐きそうになった日の話である。

(おしまい)
















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