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レビーのお父さん

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レビー小体型認知症を患った父と家族のドタバタ劇。 父の運命のハンドルは突然奪われてしまったけれど、あちこち体当たりしながら、皆でハンドルに手をのばして最後まで走り抜けました。私た…
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#認知症

ミモザの候 10: 修羅場

レビー小体型認知症専門医のもとを離れ、認知症専門の町医者にかかっていた父。しかし、しだい…

jala
10か月前

ミモザの候 11: ズボン

私の住む街にはお年寄りが多く住んでいる。だからだろうか、民家を借りたデイサービスの施設や…

jala
10か月前
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ミモザの候 13: 特売チラシと穴子どんぶり

父が施設にお世話になった約2年の間、家族は週に一度、大きな荷物を抱えて面会に通った。 こ…

jala
10か月前
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ミモザの候 15: 父と息子

父と弟には長く葛藤があった。私には詳しいことは分からないが、いつの頃からか、互いが言葉を…

jala
10か月前
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ミモザの候 18: 滅菌室

年末に父が救急搬送された総合病院は市の中心部にあった。時折検査を受けていた施設近くの病院…

jala
9か月前

ミモザの候 19: 吹き寄せあられと白桃

7月のある日、父は一時帰宅をした。介護士Uさんとも彼女の右腕となって働いている介護士さん…

jala
9か月前
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ミモザの候 21: 月のいない夜空

救急車は私たちを真新しい県立病院へとどけた。運ばれる父を追いかけて急いで車を降りる。そびえ立つ総合病院の気配は闇夜に紛れていて、救急のエリアだけにこうこうと明かりがともっていた。広い車寄せにはすでに一仕事をおえた救急車がとまっていた。 運ばれていく父とその後を追う私たちの間を遮るように、看護師が状況確認のために話しかけてきた。ものの10秒ほどで、渡したお薬手帳を手に彼女は処置室へ走っていった。 警備員が私たちを待合へ案内した。そこには、同じように着の身着のまま付き添ってき

ミモザの候 24: みどりいろ、だいだいいろ

外来の受付を通ってホールを抜けたその先に、閉鎖病棟につながるドアがある。ドアを開け、先導…

jala
9か月前
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ミモザの候 25: チーム「ジャージ」

私たちは父を「盛大な家族葬」で送った。盛大な、というのは旅立ちにむけた誇らしさのようなも…

jala
9か月前
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