マガジンのカバー画像

読書感想

24
お気に入りの小説の感想をまとめています
運営しているクリエイター

#読んだ本

【読書感想#21】花束は毒/織守きょうや(2021)【ネタバレなし】

【読書感想#21】花束は毒/織守きょうや(2021)【ネタバレなし】

【概要】作品名:花束は毒
著者:織守きょうや
発行所:文藝春秋
発行年:2021年
頁数:293頁数
ジャンル:ミステリ、恋愛

【あらすじ】「結婚をやめろ」との手紙に怯える元医学生の真壁。 
彼には、脅迫者を追及できない理由があった。 
そんな真壁を助けたい木瀬は、探偵に調査を依頼する。 
探偵・北見理花と木瀬の出会いは中学時代。 
彼女は探偵見習いを自称して生徒たちの依頼を請け負う少女だった。

もっとみる
【読書感想#20】数あるミステリーランキングを総ナメにした傑作短編集。(ネタバレなし)

【読書感想#20】数あるミステリーランキングを総ナメにした傑作短編集。(ネタバレなし)

【概要】作品名:満願
著者:米澤穂信
発行所:新潮社
発行年:2017年
頁数:422頁
ジャンル:ミステリ、短編集

【あらすじ】「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが……。鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴(ざくろ)」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「

もっとみる
【読書感想#19】まさに「割れ物注意」。(ネタバレなし)

【読書感想#19】まさに「割れ物注意」。(ネタバレなし)

【概要】作品名:ルビンの壺が割れた
著者:宿野かほる
発行所:新潮社
発行年:2020年
頁数:160頁
ジャンル:ミステリ、恋愛

【あらすじ】「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」――送信した相手は、かつて恋人だった女性。SNSでの邂逅から始まったぎこちないやりとりは、徐々に変容を見せ始め……。ジェットコースターのように先の読めない展開、その先に待ち受ける驚愕のラス

もっとみる
【読書感想#18】文句なしの傑作です…。全世界で1000万部突破した「ある少女」の物語。(ネタバレなし)

【読書感想#18】文句なしの傑作です…。全世界で1000万部突破した「ある少女」の物語。(ネタバレなし)

【概要】作品名:ザリガニの鳴くところ
著者:ディーリア・オーエンズ
翻訳:友廣純
発行所:早川書房
発行年:2020年
頁数:512頁
ジャンル:ミステリ、自然主義文学

【あらすじ】ノースカロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。 
6歳で家族に見捨てられたときから、カイアはたったひとりで生きなければならなかった。読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱

もっとみる
【読書感想#17】あなたはこの謎が解けますか? 新時代の本格SFミステリ。(ネタバレなし)

【読書感想#17】あなたはこの謎が解けますか? 新時代の本格SFミステリ。(ネタバレなし)

【概要】作品名:ジェリーフィッシュは凍らない
著者:市川憂人
発行所:東京創元社
発行年:2016年
頁数:382頁
ジャンル:ミステリ、SF

【あらすじ】特殊技術で開発され、航空機の歴史を変えた小型飛行船“ジェリーフィッシュ”。その発明者である、ファイファー教授たち技術開発メンバー6人は、新型ジェリーフィッシュの長距離航行性能の最終確認試験に臨んでいた。ところがその最中に、メンバーの1人が変死

もっとみる
【読書感想】本屋を襲撃することから始まった、おかしくて切なくて美しい物語。

【読書感想】本屋を襲撃することから始まった、おかしくて切なくて美しい物語。

1.『アヒルと鴨のコインロッカー』伊坂幸太郎出版社:東京創元社
発行年:2003年
書名:あひるとかものこいんろっかー
作家:いさかこうたろう
文庫本:363ページ
カテゴリー:青春、恋愛、ミステリー、動物

評価:★★★★☆

本作は、第25回吉川英治文学新人賞を受賞した傑作ミステリ小説である。

「オーデュボンの祈り」で鮮烈なデビューを飾った伊坂幸太郎の著作であり、「ラッシュライフ」「重力ピエ

もっとみる
【読書感想】すべての失恋男たちに捧ぐ、爆笑妄想青春巨篇

【読書感想】すべての失恋男たちに捧ぐ、爆笑妄想青春巨篇

1.『太陽の塔』森見登美彦出版社:新潮社
発行年:2003年
書名:たいようのとう
作家:もりみとみひこ
文庫本:231ページ
カテゴリー:青春、恋愛、コメディ

評価:★★★★☆

本作は、『夜は短し歩けよ乙女』で知られる森見登美彦のデビュー作である。

第15回日本ファンタジーノベル大賞(2003)を受賞し、井上ひさしが選評で「美点満載の文句なしの快作」と表現している。

「太陽の塔」とは、1

もっとみる