![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/164802327/rectangle_large_type_2_99506aeaeaea974d09fd40a594f385d0.jpeg?width=1200)
坂口安吾『女体』レビュー|旧仮名遣いの難しさと昭和初期の男女観、恋愛観を探ってみた
最近はちょっと古典も読み進めています。今回は、文学作品の「女体」という作品を読んでみました。キンドルアンリミテッドで読んでみました。作者は坂口 安吾。1946年の作品です。
今から約80年近く前の作品なので、この時代の大人の方々がもしご存命なら現代なら100歳を超える方々の青春時代の物語といえるのではないでしょうか。
もうネタバレしちゃっても良いくらいの古典なのですが、読んだ感想を書いてみたいと思います。
感想:最初は正直よくわかりませんでした🙇
正直なことを言いますと、この作品を手に取った時には少し下心がありました。というのも堂々とエロの作品を読めるかもという下心です。当時で言う成人向け小説、官能小説だったのかもしれません、ですが80年たった現代でみると古典文学と学校の図書館にも並んでもおかしくない崇高なものに見えるのは不思議です。
ちょっと崇高なイメージがわきませんか?80年前の性事情はきになりませんか?気になってしまったのもあって手にとってみたのです。興味津々と読んだのですが、実は結構苦戦をしたのでした。
その苦戦の要因も出してみると、
要因1)「ゐ」とか「ゑ」が出てくる旧体調
昔の本ですので覚悟をしてましたが、昔の「い」、「え」が沢山出てきます。言葉の言い回しの古臭いのもあって、ちょっと読み取るのが大変でした。
ちなみに、「い」=「ゐ」、「え」=「ゑ」なんですけど、なんでもかんでも「ゐ」や「ゑ」ではなくて、使い分けがあったそうです。
今でこそ、50音表は以下の通りですが、なんか変ですよね?
![](https://assets.st-note.com/img/1733556804-ieP9t8KhcupnNwQIJgoW47M3.png?width=1200)
何が変かって、「わ行」が変です。や行の「い」と「え」がないのは、無いからないのでそこはヨシです。わ行の母音が「う」の行になんで、母音が「お」である「を」がくるのか。そして「ん」なんてないですよ。
つまりは大人の都合でこうしたわけです。正しくは以下のようです。
![](https://assets.st-note.com/img/1733556932-waYFflAxh9tXDHim6dQz5unL.png?width=1200)
昔の50音表なので、現代なら「ゐ」=「い」、「ゑ」=「え」と置き換わりますが、「ん」は特殊なのではみ出るのが正しいのです。「ゐ」「ゑ」が「わ行」の属性だったとは!半世紀生きてきまして、今回初めて学んだ気がします。笑
要因2)アレクサに読んでもらったため
ぼくはKindle本でも、よくアレクサに読んでもらいます。特に古い本や文体の固い方が、朗読精度が高いような気がします。しかし・・・、古文調のように文体が古すぎるとダメです。アレクサは混乱した読み方でした。
実際は、出てくる漢字や表現も難しくて、すべてアレクサのせいというわけではないのですけどね・・・・。アレクサも意訳モードみたいなものが実装されるともっと読みやすくなるのかもしれません。
はたしてそれが本当に良いかはわかりかねますが。
途中いろいろあるけど、添い遂げる夫婦の物語|献身的ですが、することはしているので、「ほほ~」と思いました
でも、このまま何もわからず終わらせるのももったいないので、いろいろなネタバレも読みつつ読んでみました🙇
どうやら谷村という病弱な人が主人公らしく、親から譲り受けた財産で暮らしており働いていないようです。そしてヒロインは妻の素子で、26歳の時に谷村と結婚したようです。とても献身的なのですが、性欲が強いようです。(女体というタイトルだけあって、そこはポイントみたいです)
そこに岡本という画家が登場します。谷村のところに来ては金をむさぼったり、他の女性の相談をしたりと素子としては正直面白くないのですが、献身的に谷村に尽くします。
途中、喧嘩も起きますか、素子は谷村を支えます。本書の中にはタイトル「女体」にふさわしいシーンも登場します。しかし、そんなに頻出するわけではありません。
素子は献身的なのですが、そこは男と女の関係もあり、岡本に夫婦間を翻弄されますが、それにも負けずに添い遂げようとするお話でした。
あ、ネタバレですね。すみません。
現代より娯楽の少ない昭和初期こそ、男女関係は重要
昭和初期は現代と違います。現代は発展しているので人間の3大欲求を満たす手段はいろいろあります(しかも誰にも迷惑かけることなくひとりで完結もできます)。ところが昭和初期などは現代に比べると手段が少なくて、すべて「リアル」と「つながり」がなければどうにもならなかったのでしょう。
故に現代以上に男と女のリアルな関係は重要視されていた時代だったのかもしれません・・・と感じました。
ご興味があればぜひともどうぞ!
3行日記:マガジンを追加してみました
マガジンを追加してみました。今回のようにちょっとエッチな内容を入れたものです。苦手な方もいるかもしれませんし、興味の湧く方もいるかもしれませんので分かりやすくした方が良いかなと思いまして。
過去の記事もあったら、こちらに追加します。
1年前:インスタント味噌汁の話/転職体験記
なぜか1日ずれてしまったので、今日は2記事の紹介です
インスタント味噌汁を煮込んだ卵イン味噌汁を作ったみたいです。インスタントみそ汁はインスタント特有の味がするのですが、でもおいしいです。煮たててもおいしかったです。ぼくの舌のストライクゾーンは広いので万人受けするかはわかりません。笑
ぼくの転職体験記です。20年以上も前なのですが、今思えば転職も貴重な経験でした。現代は転職が当たり前かもしれませんが、当時は今ほど当たり前ではなかったと思います。
我慢の末やめた思い出が懐かしいです。だけど、昭和人間なので長く同じところに勤める方が性に合っているようです。単に職場に恵まれただけかもしれませんが、ブラックがあったからこそ、今の場所に巡り合えたと前職の職場にも感謝しています(再雇用してあげると言われてもお断りしますし、戻りたくはないですけれども:自分ひどいですネ笑)
最後まで読んでいただきありがとうございます。記事が気に入られましたら、フォローやサポートをいただけると嬉しく思います。また、お気軽なコメントもお待ちしております。
いいなと思ったら応援しよう!
![いしやんノート🚴600日連続更新達成|楽しく行動して、楽しく結果を楽しみたい](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/149537527/profile_6d4aa6e1a2023e69497b7676a698b042.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)