石橋鉄彦
相続の各種手続きは各種士業にまたがっています。一つの資格だけでできるわけではありません。行政書士として相談を受けた実例などを元に、他士業とのかかわり方などを解説していきます。
相続を控えて知識を得るべくネットをさまよっている方、手続きを自分でやってみようと考えている方。とにかく相続の全貌を知ってみたいと思っているすべての方に読んで頂きたいです。
千葉市で行政書士事務所を営んでいる石橋鉄彦です。 標榜している業務は不動産関連業務と、遺言・相続関連ですが、さまざまな許認可もご相談からお受けしています。 地域としては千葉県及びその近郊ですが、内容によってはエリアにこだわらずにご相談もお受けしています。 行政書士の業務にかかわる様々なことを書いていきます。 人によっては関係ないこともあるかもしれません。ですが、身近にある法的手続きなどについて書いていきますので、どこかできっと役に立つ記事は出てくるはずです。 私としても、皆さ
士業をしているといろいろな方とお話しする機会があります。 特に、相続登記が義務化されたことで、不動産や相続に関するお話をすることが多くなりました。 行政書士は登記申請については職域外なので、あまり、深くはお話ししないことにしているのですが、多くの方が誤解している点があるのでその点についてだけ書きたいと思います。 これまで相続登記は義務とされてきませんでした。 相続だけでなく、不動産の登記は所有権移転の要件ではないので、たとえば土地を買っても登記をしないで放置しておいて
登記義務化が義務化されます。 この登記義務化が法制化されたのは所有者不明土地が日本全国にあるということが分かったからだと言われています。 その端緒は東日本大震災の際だといわれています。 東日本大震災の際に、仮設住宅を建設したり、がれきを撤去して一時保管する土地が少なく、あったとしてもそこの土地を利用するには所有者全員にアプローチしなければならず、その土地が相続登記が未了であれば、推定相続人全員に権利があることになりません。 民法の共有の規定では、 第二百四十九条 各
最近マンションバブルが発生しているようです。 いわゆるタワーマンションが駅地下に次々と建設され、中古マンションすら値上がりしているようです。 都心に高価なタワーマンションが建設され、ステータスシンボルとなったことでたとえ多少都心から距離があってもマンションを所有することが目標になっていたりもします。 ニュータウンなど新たな街を建設する際も、駅近にはマンション、少し離れて戸建て、というのが不動産中心の街づくりの基本でしょう。駅近はそれこそ地価が高いのでそこに戸建てを建てる
行政書士が戸籍を不法に取得したことで逮捕されました。 いわゆる戸籍等職務上請求書を不正に利用してある女性の戸籍を取得したというものです。 相続とか遺言に関してはもちろん、その他の業務でも戸籍や住民票の添付が必要な手続きは多いです。個人に用意してもらうことが難しい場合、たとえば忙しいとか何を請求したらいいかわからないなど理由は様々ですが、行政書士などの士業が専門家として取得できる制度として職務上請求書を使って、適正に利用することをある意味で制約して目的等を明らかにしたうえで
タイトルは私の造語です。 相続登記が義務化されます。 本来的に順番でいえば親→子→孫という順番で相続は発生します。 法律的に言うと、亡くなった瞬間に法定相続人が法定相続分という持分でさまざまなものを共有することになります。 預金であれば端数は出ますが法定相続分で分割することは可能です。 でも土地や建物は分割するのは困難です。 土地は分筆して分けることもできなくはないですが、面積や地形によっては難しい場合もあります。 建物も共有とすることもできますが、問題の先送り
災害支援員研修を受け、登録されました。 東日本大震災・熊本地震を期に各職能団体が災害支援員として行政機関の支援を行っています。 たとえば医師会は医師を派遣しますし、建築士会や土地家屋調査士会は災害認定員として家屋などの倒壊状況の調査に入ります。 もちろんすべてを行政機関でまかなえればそれに越したことはありません。ですがそれは不可能に近い。 小さな自治体だと役場自体の人員が数十人にとどまっていたり、大きな自治体であっても、人口などが多いから従事する公務員も多いのですが、
行政書士試験に合格した皆さん。おめでとうございます! 私は平成13年合格で法人勤務を経て、今は個人事務所を開いています。 大規模な広告活動などやっていないので、大規模とは程遠いですが、古くからの顧客もいて助かっています。 合格されてその資格を生かすにはいくつかの道があると思います。 一つは行政書士法人に勤務する方法です。 しばらくは補助者として実務を経験すると思いますが、そのうち行政書士登録をさせてもらって、いわゆる使用人たる行政書士として活動するかと思います。 この場合、
遺言で一番手軽なのは自筆証書遺言です。どんな紙に書いても構いません。 とはいいながら、後々相続人によって確認され、検認されるものですから、わかりやすく「遺言」であることがわかるような用紙で書くべきでしょう。 ここで自筆証書遺言の要件をまとめておきます。 自筆証書遺言の要件1.自筆であること 原則として、すべて自らの手で書かなければなりません。 第三者による改ざんなどを防ぐためと言われていますが、複雑な内容だと結構な分量になって大変だと思います。 法改正で個別の遺産の具体的
エンディングノート作成研修を受けてきました。 エンディングノートはすでに自己の業務の中に組み込んでいるので、内容自体は理解しています。 行政書士会は、市町村などの自治体と法務局と連携して、エンディングノートセミナーを開催しています。 もちろん自治体から正式な依頼があれば行政書士会から相談員が派遣されてセミナーを開催します。 簡単に言えば、エンディングノートを書くことは最初にできる終活です。 自分の気持ちを整理し、落ち着いて意思を確認します。同時に自分の持っている資産
遺言は自分で作成できます。ただし、揃えなければならない書類が多いのでなかなかたどり着けないかもしれません。 そのために誰かのアドバイスを受ける必要があると思っています。 私は行政書士ですが、自らの領域に無理やり誘導するようなことはしません ので、最後まで読んでみてください。 1.相続に関わる資格 一般には公的資格の持っている人に聞くべきです。 民間資格も多数あり、知識もあるとは思いますが、対外的にその資格名称を名乗ったところで誰も相手にしてくれないでしょう。役所でも、金融機
遺言は書いた方が間違いないです。 メモ程度でも家族関係がうまくいっているうちはいいですが、そうもいかない場合も多いので一応法的に有効な遺言を書くべきです。 法的に有効とされているという意味は、相続が発生した場合に相続人はその意思に従わなければならない、という意味です。 ただし、遺留分というものがあるのでそこは意識しなければなりません。 民法では、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3つが遺言として認められています。それぞれについて簡単に書いておきます。 1.自筆証
民法では明確に相続する割合が記載されています。 法定相続分とよばれるものですが、基本的に相続人全員の協議で様々な割合で相続することができます。 金銭、たとえば銀行預金であれば分数で割り切れますが、不動産は分割することはできません。 もちろん共有相続することはできますが、あまりお勧めできません。これはあとで理由を書きます。 相続というのは中世からあったといわれています。 明治時代に家督制度を中心とした民法が制定され、家長が代々受け継ぐ相続制度が採用され、戦後男女平等を原則とし
厳密にいうとこの言葉の定義は様々だと思っています。 究極は財産目録の作成と遺言に行きつくのですが、認知症とかを絡めると家族信託とか後見とかも含まれるのかもしれません。 後見については任意後見と法定後見で異なるので別途記事を書かなければと感じているのですが、家族信託は不動産収益を上げている人とか事業をやっている人向けなので、弁護士さんや司法書士さんの方が説明は正しくできるでしょう。 ここではもっと簡単にできる「終活」をいくつか挙げておくにとどめます。 まずは財産目録の作
最近、相続についていろんな記事がニュースサイトに出てきます。 半分は広告なのですが、それだけではなく実は国家の政策として重要な施策が絡んできています。今回はこのうちの相続登記義務化について簡単な解説を。 相続登記の義務化土地の相続登記が義務化されます。令和6年4月からですから、もうまもなくです。 若干の説明が必要かもしれませんね。 土地でも建物でも不動産には番号がついています。その番号ごとに土地の種類とか面積とかが公的に記録されています。登記情報と呼ばれるものです。 そこに
ここでは相続の全体像を簡単に書いておこうと思います。 細かなことはそれぞれの説明の記事で書くことにします。 人は必ず亡くなります。科学がいくら進歩しても「死」からは逃れることはできません。 だとすると、亡くなる前から相続に関して準備できることはあるはずです。 実際には準備を思い立ったところから相続は始まると考えてよいかもしれません。 1.財産目録の作成不動産を持っている場合はもちろん、通常の場合銀行預金は作ってあると思います。その全体をまとめておくことが必要です。 不動産