不動産に関するちょっとした不安
最近マンションバブルが発生しているようです。
いわゆるタワーマンションが駅地下に次々と建設され、中古マンションすら値上がりしているようです。
都心に高価なタワーマンションが建設され、ステータスシンボルとなったことでたとえ多少都心から距離があってもマンションを所有することが目標になっていたりもします。
ニュータウンなど新たな街を建設する際も、駅近にはマンション、少し離れて戸建て、というのが不動産中心の街づくりの基本でしょう。駅近はそれこそ地価が高いのでそこに戸建てを建てるのは価格が高くなる、だから駅地下には一人当たりの土地価格を抑える意味でマンションを建設して密集させ、ショッピングモールなども併設して住環境を整備する。こうしてできた街は昔からあるし、過去には電鉄会社が街を作ったり、旧住宅公団が街そのものを建設したりした基本はそこにあります。
この街づくりの基本は数十年単位でいったん完成します。そしてその状態はどこかで是正・修正が必要になってきます。
戸建て住宅の建て替えはできますが、マンションの建て替えは容易ではないことは想像がつくと思います。これは日本がまだ克服できていない将来的な課題です。
法律的に見ると、全員の合意でなくても建て替えは可能です。ですがその建て替えにも費用はかかるし、合意できなかったり、建替えそのものに経済的に対応できない住民は出ていかなければならなくなります。
ましてや新しくできた街の人口構成はほぼ同じ世代で構成されているので、今いる人たちは齢を重ねて壮年・老年となって、その街に一気に少子化が進み、集団高齢化現象が生じます。
そこで街の再構築が可能かどうかはおそらく喫緊の課題だと思います。これはその街だけでなく、既存の街にも影響を与える大きな問題かと思います。どのような影響が出てくるかは、いろんな人が予測しているし、細かなところで格差や偏見、コミュニティ形成の問題として表面化もしています。
これが表題に掲げた不動産に関するちょっとした不安のひとつです。
もうひとつあります。
日銀のマイナス金利が見直されプラスになると、何年か後だとは思いますが、変動金利で安かった住宅ローンの総額は増え、負担となります。マンションだけでなく地価そのものも上昇していきますから、住み替えるのも容易ではありません。
もちろん賃金がそれを上回るようであれば問題ないと思います。
ダブルインカムのいわゆるパワーカップルも、その状況が維持できれば問題ないとも思います。
ただ、子育て環境はいまだ十分だとは言えず、さらに、終身雇用制が崩壊したり、年功序列制度でなく能力本位制に移行も進んでいたりするので、住んでいる環境すら変えざるをえなくなる状態が続くと思われます。そうした場合の受け皿は、残念ながら不足していると思われます。
さらに、近い将来に必ず発生するといわれている「巨大地震」
そこから生まれる影響も予測しきれていないし、対応が進んでいるとは思えません。
「宅地不足」
これが私が感じるもうひとつの不安です。
住宅不足はマンションを建てまくることで克服してきました。
次は、街中に点在する空き家問題を含めて、新たな形での街づくりの提案は考えていかないといけないと思います。
お客さまからさまざまな形での土地活用のご相談を受ける中で思うことを適当に書いてみました。
最後までお読みいただきありがとうございました。