まずは終活、とはいっても何から始めたら?
厳密にいうとこの言葉の定義は様々だと思っています。
究極は財産目録の作成と遺言に行きつくのですが、認知症とかを絡めると家族信託とか後見とかも含まれるのかもしれません。
後見については任意後見と法定後見で異なるので別途記事を書かなければと感じているのですが、家族信託は不動産収益を上げている人とか事業をやっている人向けなので、弁護士さんや司法書士さんの方が説明は正しくできるでしょう。
ここではもっと簡単にできる「終活」をいくつか挙げておくにとどめます。
まずは財産目録の作成。
可能であれば作っておいたほうが良いです。ですがなかなか手が回らないでしょう。
それと遺言の作成。できれば書いておいた方が良いのですが、本人の家族関係によるかと思います。
遺言については別途きちんと書きます。
あと、金融資産の整理が意外に重要かと思います。
できれば預金は2~3行の銀行にとどめておき、通帳は家族が見つけやすいところに保管しておくのがいいかと思いますが、中身を見られたくないこともあるでしょうから、通帳の表紙のコピーをどっかにおいておけばよいと思います。
通常は金庫ですが、仏壇の引き出しとかでもいいかもしれません。
誰かに預けておくのもいいと思います。
私は、財産目録の作成も受託しますが、控えは保管しておきますので、誰か資格者などに作成をお願いしてみるのもいいかもしれません。
相続の仕事をしていると、意外なところから意外な口座が発見されて、その発見が相続税の申告期限に間に合わなかったりすることも考えられないでないです。
休眠預金になってしまう可能性もあります。
なるべく相続人にヒントを与えてあげておいてほしいと思います。
ペイオフという制度も頭には入れておくべきかとも思います。金融機関1行あたり1000万円までは、保護されるというものです。
誰に聞いてもしておいた方が良いと答えるでしょう。ただしデメリットも心得ておきましょう。
まずは、住宅ローンなどでその銀行から借り入れがある場合は、預金はできるだけ残しておいた方がよいでしょう。繰り上げ返済してしまうのもありかと思います。
最近は投資が注目されているので株式とか、MMFとか証券会社との取引をされている方もいます。これもできれば1社、多くても2~3社にとどめておいた方がいいと思います。
ただ、銀行と違って証券会社の場合は、定期的に有価証券報告書が郵送されてくるので見つけやすいのは確かですが。
亡くなってからだいぶ経つのですが、私の父の話になります。
持病はあったのですが、突然倒れてそのまま息を引き取りました。
相続自体はもめずに無事終了することができたのですが、お墓がないということに気づきました。
だから位牌は家に置くとしても骨壺を保管しておくわけにはいかないので、市のしかるべき場所に預かってもらっていました。ちょっと切ない保管方法ですが仕方ないです。
ところが、ある日、といっても3カ月以上は立っていたでしょうか。生前に父自身がお墓を購入していたことが判明しました。それがかなりいい場所で、その時は更地のまま管理されていました。
母親も兄弟も、もちろん私もまったく知らなかったので慌ててお墓を建てる算段をした記憶があります。
もしかしたら、終活というのは本人の最後の行動だと考えると、父親は終活ができていないまま亡くなったことになります。
突然亡くなるのは、悲しいことですがありうることです。
常に家族間でこうした情報交換が必要なのだと思います。
あまり、終活単独の相談は受けたことはないのですが、現在は終活ノートとかエンディングノートとかを保険会社とかが配布していたりします。書店にも売っています。そういうものを活用してみたらいかがでしょうか?
それを少しずつでも埋めていくだけでも十分な「終活」になると思いますし、終活そのものだけに残りの人生を費やすのも寂しいですよね。周りから終活せよとせっつくのも違うと思いますし。
私のようなものがアドバイスできるとすればこれくらいです。