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#エッセイスト
『さよなら、SR』 〜人生万景〜
何も知らない芋野郎だった僕は、Kawasakiのバイク専門店でなぜかこのヤマハのSRを注文し、購入しました。22歳くらいだったと思います。二輪の免許を取るために通う学校みたいなところの近くにたまたまそのKawasakiのバイク屋があり、これも縁だと信じ込み、初訪問でそのまま注文しました。そのときの担当者の方から「うちはKawasaki専門だからヤマハのバイクはヤマハで買ったほうが安いだろうしアフタ
もっとみる『漆黒の罠』 〜人生万景〜
とんでもなくこわい思いをしました。今まで生きてきた中で1位かもしれません。幽霊とかよりももっとこわいやつです。
今日、ガチャガチャが出てくるところに前の人が取り忘れたかのようにガチャガチャが既に出ていました。説明書みたいなやつが入っていて重さ的に中身が入っているように感じたので、「マジかラッキーじゃんこれ」と蓋を開けてみるとなんと黒いゴギブリが入っていました。古い家に出てきそうな黒よりも黒のゴギ
『生きていても、死んでいても。』 〜人生万景〜
お世話になっていた先輩が亡くなった噂を聞いた。本当かどうかはわからない。でもきっと本当だと思う。信じたくはないけど。本当だと思う。そんな気がする。
あそこに行って、そこで訊いてしまえばちゃんとしたことが判ると思うんだけど。行っていない。行けていない、じゃなくて、行っていない。これからも行かない。行っちゃうと本当が確定になっちゃうから。
時々、先輩が住んでいた家の近くを通ることがある。わざわさ通
『忘れられない味と道』 〜人生万景〜
「五反田なら、大江戸線から浅草線で移動しますか?」と訊くと、「いや歩き。ここから20分くらいだから」と先輩は答えた。
……20分? と疑問には思ったけど、「まあ話しながらいこうぜ」と数歩先を歩く先輩を追いかける形で僕は六本木ヒルズを出た。
全く車に興味がない、と言っている先輩が、ランボルギーニの横幅について語っていた。
40分くらい歩いたところで「正味な話、あとどれくらいで着きますか?