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お酒

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#読書の秋2022

君知るや名酒泡盛

君知るや名酒泡盛

2022年5月30日~6月3日に朝日新聞夕刊で短期連載された記事『泡盛に乾杯』の中に、「君知るや名酒泡盛」という言葉を見つけた。

記事によると、泡盛とは『タイ米を原料に、黒麹菌を使う独特の製法によって生まれる』酒で、現在『酒造所は本島と八つの離島に46カ所ある』という。
『かつて首里(那覇市)に集中していた酒造所は(第二次世界大戦による)沖縄戦で壊滅』し、泡盛を造る材料も無く、『米軍から配給され

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魅惑の「ランチ酒」~原田ひ香著『ランチ酒』~

しがないサラリーマンとしては、「ランチ酒」という言葉は魅惑的に響く。普段の就業時の昼休みには菓子パンを齧っている酒飲みの私は、たまに外出すると「グラスビール1杯くらいならバレないんじゃないか?」という葛藤に苛まれる。
だからこそ、有給休暇を取った日には、「積年の恨みを晴らす」とばかりに飲食店でお酒片手にランチを楽しむ。
働き蟻のごとく忙しなく、唯々「エネルギー補給」のための昼食をとる御同輩を横目に

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スズキナオ著『「それから」の大阪』片手に「まん防」解除後の大阪を歩く

スズキナオ著『「それから」の大阪』片手に「まん防」解除後の大阪を歩く

スズキナオ著『「それから」の大阪』(集英社新書、2022年。以下、本書)は、東京から移住した著者がコロナ禍の大阪のあちこちを実際に訪れ、見た状況や感じた想いなどを綴ったものだ。

本書を読了して暫く経った2022年3月22日、ようやく全国的に「まん延防止等重点措置」(以下、「まん防」)が解除された。
以前から大阪に行く計画を立てていた私としては、正直ホッとした。

1日目 2022年3月25日10

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スマホに映した古地図片手に京都の酒場巡り~加藤政洋著『酒場の京都学』~(改訂版)

京都には酒を飲める店が多い。
花街、老舗京料理をはじめ、和食・洋食・多国籍・無国籍……、ビアホール、バー……
そんな店を紹介するガイドブック、グルメ本、口コミサイトや個人のSNSの投稿なども数多く、また、それらの店を実際に渡り歩く探訪記の類まで存在する。
そういったガイドブック片手に京都を巡るのもいいが、古地図片手に「かつての京都」に想いを馳せながら酒場を巡ると、また違った楽しみができるのではない

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