解題「点滴と涙と見まごうほどの常無常に落ちる虚空を」
解題「点滴と涙と見まごうほどの常無常に落ちる虚空を」
”Sûrréalisme_Automatisme(自動筆記)による詩作の試み 「点滴と涙と見まごうほどの常無常に落ちる虚空を」
”
1970年の秋日
あの日私は確かに旅立とうとしていたのか?
新宿風月堂の2階の椅子に私は座っていた
そこが私の数少ない安堵の場所であった
ウエイターが運んできた薄いコーヒーを口に含みながら、私は逡巡していたのであろう
カバンの中から取り出した小振りの薬瓶の中身を、コーヒーの皿に全て空け