Hayado

音楽愛好家

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  • 日曜日の音楽

    日曜日に気が向いたら書くリスニング日記

  • エリオット・スミス研究

    エリオットスミスを聴きなおしているオールドファンが、自分なりに楽曲分析をしてみました。

  • ニック・ドレイク研究

    ニック・ドレイクの音楽をひたすら掘り下げます。

最近の記事

日曜日の音楽 #7 / Plateau - Nirvana

ギターを始めた頃、手当たり次第に簡単な曲を探しては弾いていた。その頃に練習した曲のひとつがVaselinsのJesus Wants Me for a Sunbeamである。 誰も知らないだろうと、ポロポロと知人たちの前で弾いていたらニルヴァーナファンの人からその曲知ってる!と声を掛けられた。 それをきっかけにMTVアンプラグドを聴いてみたような気がする。だが、そこで衝撃を受けるような出会いでもなくて、あんまり覚えていない。 それがいつの間にか、随分時間が経った今になって

    • 2024年の新譜の話

      今年リリースの新譜について備忘録です。 気に入ったアルバム長谷川白紙 ”魔法学校” Geordie Greep "The New Sound" 上記2枚はすごく気に入っています。 どちらも情報過多で刺激的な側面がある一方で、 ソングライティングの骨格がしっかりとした音楽だと思います。 実はジャズやラテンの正統な継承者なのかもしれませんね。 消化中のアルバムJulian Lage "Speak to Me" ジュリアンラージは先日のライブにも行ってきました。 昔

      • Elliott Smith "Say Yes"の構成について

        Say Yesは僕が初めて聴いたエリオットスミスの楽曲です。 グッドウィルハンティングでも流れるし、代表曲のひとつと言っても異論はないでしょう。 今回は、この曲の楽曲構成について考察します。 楽曲構成では、改めて楽曲構成を確認していきましょう。 (準備 →)A1 → 間奏 → A2 → B → A3 → C → A4 こんな感じでしょうか。 「準備」は構成を分析するにあたって別に必要ないけど、ファンならわざわざ入れたくなった気持ちが分かると思います。笑 ABCをそれ

        • 日記:もうひとつの街/フォルテピアノ

          もうひとつの街アイヴァスの「もうひとつの街」を読んでいる。 街で手に取った見慣れない文字の本をきっかけに、プラハの街に影のようにひそむ不条理で幻想的なもうひとつの街へと踏み込んでいく物語。 とても不思議な読み心地。 実は誰もが境界に近づいているのだけれど、見ないようにしているもうひとつの街… フォルテピアノフォルテピアノ/チェンバロ奏者であるシュタイアーのコンサートに行った。急遽トリオからヴァイオリンとのデュオに変更になったが、それはそれで楽しめたので良かった。 フォル

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        記事

          日曜日の音楽 #6 / Chambertin - Bert Jansch

          起き抜けにYouTubeを見ていたら、偶然この曲のカバーを見つけた。 良い演奏。弾き込まれたギターの風格も素敵。 そう言えば、自分のレパートリーだったことを思い出す。 20代の頃、2年程バートヤンシュ好きの先生からフィンガーピッキングのレッスンを受けていた。 ニックドレイクが弾きたくて、バートヤンシュはそのルーツだからというのが、その先生を選んだ理由。 レッスンで教わった中でも特に好きな一曲がChambertinだった。 オリジナルはやっぱり良い。 リフについて何と言

          日曜日の音楽 #6 / Chambertin - Bert Jansch

          楽器関連の雑記 2024秋

          最近の日課ピアノ 最近は少しピアノのウェイトを増やしている。 きっかけは、YouTubeを適当に見ていたらベートーヴェンの月光ソナタの第1楽章の和音がすごく良いなと思って、自分でもなぞってみながら和声を簡単に分析しはじめたこと。 歴史的に有名曲なのはやっぱり理由があるのだなと。 そして、アルペジオつながりでバッハの平均律第1巻第1番プレリュードに行って、そこからフランス組曲の魅力に取りつかれたりしていた。フランス組曲については、いずれ何か書こうと思う。 自分の練習と

          楽器関連の雑記 2024秋

          エリオットスミスのチューニングについて

          エリオットスミスが使用したギターのチューニングについてまとめてみました。 ①DGCFADエリオットスミスの楽曲でデフォルトとして使われているチューニング。スタンダードチューニングの1音下げ。 弦のテンションが緩めになるのが、親指ダウン・人差し指アップのピッキングスタイルと相性がいいのかも(個人の感想です)。 カポタストを使用する場合 基本的にEADGBEにチューニングすることはまれで、DGCFADのままカポタストを付けているようだ。疑似的にショートスケールになるので弾き

          エリオットスミスのチューニングについて

          日記:休日を京都で

          ここではコード進行の話ばかり書いているので、たまには日記でもという気にまたなった。 朝起きたとき、今日は少し出かけようと思った。 ドイツパンでも買いに行こうと思ったが、食の為にわざわざ出かける気分でもなくて、何かきれいなものを見たいと思った。 天気は曇り。蒸し暑いと涼しいの中間のような体感温度。 行き先は京都のような気がしたので、行く理由を探し、すぐに見つけた。 今の京都はほぼ外国だ。 どこか作為性のある日本の情緒を醸し出す街並を歩けば、すれ違う観光客から英語やフ

          日記:休日を京都で

          The Velvet Underground "Candy Says"のコードについて

          『The Velvet Underground(邦題:III)』はバンドの静謐でメロディアスな側面を純化したようなアルバムである。そのオープニングを飾る一曲が今回取り上げるCandy Says。 ダグユールの歌唱は不安定であるが、それゆえ脆さを孕む美しさを演出しているとも言えるかもしれない。 審美的な関心について話を進めても良いが、コード進行も気になるので、むしろそちらを論じたい。 尚、コード進行は聴き取りによるものである。 構成・ヴァース (8小節 × 2) ・コー

          The Velvet Underground "Candy Says"のコードについて

          Nick Drake "Five Leaves Left" B面について思うこと & 総評

          A面はこちら B-1 'Cello Songリュートチューニングのアルペジオの響きが爽やか。 イントロを弾くのは楽しいが、一瞬手癖っぽい変拍子があったりする。 どういう経緯でチェロソングって発想になったのだろうか? 即興演奏してたら自身のハミングがチェロのように聴こえたとか? B-2 The Thoughts of Mary Jane同じく明るい響きのリュートチューニングのフォークソング。 子供番組のような健全で可愛らしいフルートのオブリガードが印象的だが、 Mary

          Nick Drake "Five Leaves Left" B面について思うこと & 総評

          Nick Drake "Five Leaves Left" A面について思うこと

          ニックドレイクオタクがFLLについて普段から思っている正直な感想を書いた。特に深い意味はない。 A-1 Time Has Told Meスタンダードなメジャーキーのコンテンポラリーフォーク。 デビューアルバムのオープニングを飾る一曲だが、 個性が存分に発揮されているとは思えない。 コーラスの転調は良い。 A-2 River Man翻って個性がふんだんに発揮されている楽曲。 トニックコードの3度がメジャーとマイナーを行き来するところや、 時折不協和なボイシングが聞こえるのは

          Nick Drake "Five Leaves Left" A面について思うこと

          雑記2

          ・記事のリライトのアイデアは随分前からある。だが、それよりかは新しいことをやりたい(書きたい)という気持ちもある。興味というものは常に移り変わっていくものだから。 ・ピックを買った。普段は指弾きしかしないのに、たまにはいいかなと。0.73mmはリフと単音に、0.5mmはストラミングに。厚めのピックはあまり好みではない。特に何を弾くかは決めていないが、なぜかスミスを弾いていた。。 ・ずっと行ってみたかったとある喫茶店を訪れた。定休日が自分の休みと重なっていた時期が長く、その

          雑記

          ・記事を読み返すと、論旨がぶれているなとか、情報を詰め込みすぎたなとか反省点が多々ある。定期的にリライトするのも良いかもしれない。 ・それでも自分の記事は誰かの孫引きじゃないし、誰かと同じようなことは書いてないつもりである。自分の耳で譜面を起こし、自分なりに調べものをして、分析している。間違っていることはあるかもしれないけど。 ・音楽を文章化するのは難しい。読み手としては音楽について何も言ってなくないか?と思う記事を見かけることも少なくない。僕だって印象論だけで書けば、語

          日曜日の音楽 #5 / 向こう髪 - 君島大空

          更新の間隔が開いてしまった。 転職したので環境が変わって目まぐるしくしている。 そう言えば、3年ほど前に今の業界に入る準備を始めた頃、この曲をよく聴いていたなと思い出した。 * 正直に言うと、初めて聴いたときはサビ終わりのクリシェ進行が出てきたところで、ちょっと失望しかけた。なんかベタなセンチメンタリズムを感じてしまったのだ。 ところが、ガットギターのインタールードがあまりに素晴らしかったので、完全に心を掴まれてしまった。結果、2021年はひたすらこの曲をリピートしてい

          日曜日の音楽 #5 / 向こう髪 - 君島大空

          日曜日の音楽 #4 / The Sun Shines Down on Me - Daniel Johnston

          初めにダニエルジョンストンを初めて聴いたのはスパークルホースやヨラテンゴによるカバーだった。(※余談参照) その後何年かして、オリジナルも聴いてみることにした。最初はそれなりに楽しんでいたけれど、どうしても全肯定しきれなかった。 プロダクションも演奏も拙さと紙一重で聴きやすいとは言い難い。どこか薄気味悪くもある。 結局バイオグラフィーありきのアウトサイダーアートで、インディロックの文脈上否定してはいけないアーティストだから支持されている?そんな風にどことなく感じてしまい

          日曜日の音楽 #4 / The Sun Shines Down on Me - Daniel Johnston

          日曜日の音楽 #3 / My Funny Valentine - Bill Evans & Jim Hall

          この演奏はどこか異様だと思う。 初めて意識的に聴いたのは数年前のことで、場所は内科の待合室。 ジャズをBGMに流すなんてつまらないことしやがってと思っていたら、 どう間違ってもイージーリスニングにはならない奇妙な演奏が耳を捉えた。 うねうねしていると思いきや、突然跳ねたりとピアノとギターが不思議な掛け合いをしている? かと思えば突然4ビートのニュアンスになった!と思ったらまた変わったり。。。 初めは何の曲かわからなかった。 でもとにかく気になるし、かっこよかった。 最後に

          日曜日の音楽 #3 / My Funny Valentine - Bill Evans & Jim Hall