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AIに代替されないためにパーソナルトレーナーが身につけるべき唯一のスキル

「パーソナルトレーナー」という単語が定着して久しくなりました。

普通のOLですら、
「最近太ってきたからパーソナルトレーニングでもやろうかなあと思ってて」
「え~〇〇ちゃん全然太ってないぢゃん!でもいいと思う!私も最近ジム行き始めたの。」

みたいな会話をカフェでしている時代です。(知らんけど)

筆者自身はボディビルが虐げられてきた時代よりも後にトレーニングを始めたので、そこまで逆風を感じた経験があるわけではありませんが…
まさか若い女子にまで「筋トレしてる人がイケてる」という価値観が広まるとは思っていませんでした。

だからこそ、パーソナルトレーニングの役割が以前よりも大きくなっているし、これからどんどん大きくなるのではないかと考えています。

今回は、【パーソナルトレーナーの役割とは何か】についてお話しようと思います。


●パーソナルトレーナーのターゲット層

筆者はパーソナルトレーナーとしても活動していますが、基本的に自分に対してはトレーナーをつけず独学で筋トレを長年やっています。

ただし常用はしていないとはいえ、何回かはパーソナルトレーニングを受けたこともあります。
一回目はパーソナルトレーナーになる前に、パーソナルトレーニングとはどんなものか体験しに行きました。
あとは、パーソナルジムで働いていたときに研修として見学やセッション等を行いました。

筆者は、パーソナルトレーニングが必要な人は3種類いると考えています。

1.トレーニングを始めたばかりの人
2.トレーニングをアウトソースしたい人
3.パフォーマンスを更に向上させたい人


1.トレーニングを始めたばかりの人

これは言うまでもないと思います。

「健康のためには筋トレがいいらしい。でも何から始めたらいいかわからないし、最初は誰かに教えてほしい」
という人がパーソナルトレーニングのメイン顧客になると思います。

トレーニングを始めたばかりの人におすすめなのはフリーウェイト、特にBIG3と言われるスクワット、ベンチプレス、デッドリフトです。

しかしスクワット、ベンチプレス、デッドリフトはそれだけで一つの競技として成立するくらい奥が深い種目。

「野球を始めたばかりの人はフリーバッティングとシートノックをやり込みましょう!効率がいいので!」
と言われても、
「それができねえから困ってるんだろ!」
となりますよね。

だからこそ、最初はそれぞれの種目の動きだったり、筋肉の使い方から誰かに教わったほうがよかったりもします。

特に、大人になるまであまり運動をやってこなかった方もパーソナルトレーニングにいらっしゃいます。

そんな方が筋トレに興味を持ってくれるのは本当に嬉しいことなのですが(笑)、いきなり「腹圧を高めて、膝関節の角度が~」なんて言われてもなかなか難しいので、初歩的な身体の動かし方から練習したほうが良い結果に繋がる場合が多いことも事実。

逆に運動経験があっても、(ウサギ跳び至上主義の根性論者…とまでは言いませんが)古いクセがついてしまっている方もいらっしゃいます。

そのような方たちに、怪我をせず適度に筋肉に負荷をかけられるようにサポートするのがパーソナルトレーナーの仕事だと思います。


2.トレーニングをアウトソースしたい人

初心者の域を脱しても、パーソナルトレーニングを続ける方もいらっしゃいます。

そういう方は、
「一人ではトレーニングするモチベーションを保つのが難しいし時間もなかなか取れない。でも効率良くトレーニングしたい」
という考えで、経営者だったりエリートサラリーマンだったり、経済的に余裕がある方が多い印象。

こういう方は、「健康を維持したい」という強い目的を持っています。
しかしそれぞれのお仕事や趣味に打ち込んでいて、筋トレに全てを捧げているというわけではない。

だからこそ、トレーニングや食事の知識だったり、トレーニングするための意志力をアウトソースしているのです。
こういう方々は「物事をやり切る力」を持っているので、トレーナーとしても追い込みがいがあります。笑

実はパーソナルジムの売上の大半はこういったリピーターの方が占めているというのも事実だったりします。


3.パフォーマンスを更に向上させたい人

最後はそこまで多くはいませんが、更に高みを目指している人。

「自分である程度トレーニングや食事は管理できるけど、トップを目指したいのでプロの目線がほしい」

実はプロのボディビルダーですら、専属コーチをつけていることが多かったりします。

日本人プロボディビルダーである山岸秀匡選手にはミロス氏という世界的なコーチがついていますし、
ハニーランボッドという伝説的なボディビルコーチはフィルヒース、ジェレミーブエンディア、ニコールウィルキンスと3人ものミスターオリンピアを輩出しています。

世界トップレベルとまではいかなくとも、大会に出るために熟練者からの指導が欲しいとか、一人でのトレーニングを見直す機会としてパーソナルトレーニングが利用されるケースもあるでしょう。


●結局のところ、パーソナルトレーナーの役割は何なのか。

上記のユーザー体験をまとめると、パーソナルトレーナーの役割は大きく3つあると考えられます。

1.知識の伝達
2.モチベーター
3.フィードバック


1.知識の伝達

これは1.トレーニングを始めたばかりの人 に対して求められる役割です。

「筋トレにはこういう効果があります」とか、
「スクワットはこうやってやるんですよ」とか。

ここに関しては大部分がインターネットやAIに置き換えられていくのではないかと思います。
筆者がnoteで主に行っているのもここです。

現在のインターネットには有象無象の情報が溢れていますが、もう少ししたら個人への最適化映像解析を元にした指導が当たり前の世の中になっていくと思います。

結局のところ、知識の伝達のみを目的にした場合、必ずしも目の前で教える必要があるとはいえません。
極端なことを言えば、世界で一番教えるのが上手い人が世界の全員に一律で教えるのが最も効率的なわけです。

ということで、学校などの教育機関もそちらの方向に取って代わろうとしています。

かといってトレーナーやコーチ、教育者の存在意義がなくなるわけではありません。
あくまで「知識の伝達」がトレーナーの重要な役割ではなくなるということです。


2.モチベーター

これは2.トレーニングをアウトソースしたい人に 対して求められる役割です。

パーソナルトレーナーがクライアントのモチベーションを上げるシーンはたくさんあります。

例えば、
「あと一回挙げられる!がんばれ!」とか、
「ダイエットしてかっこよくなりましたね!」とか。

豊富な知識ももちろん大事ですが、結局いかに上手にクライアントのモチベーションを上げられるかがトレーナーの鍵と言っても過言ではありません。

究極的には、
「このトレーナーさんに認められたいから頑張って痩せたい」とか、
「このトレーナーさんには本当に感謝しているので、自分がトレーニングをすることでトレーナーさんの力になりたい」
という動機でパーソナルトレーニングを続ける人すらいらっしゃいます。

このように、クライアントを実際に動かす力もトレーナーには求められます。


3.フィードバック

これは3.パフォーマンスを更に向上させたい人に対して求められる役割です。

「今あなたがやろうとしていることはこれで、今あなたが実際にやったことはこれです。」とか、
「前のあなたはこうだったけど、今のあなたはこうなっているよ」とか。

これはプロフェッショナルがプロフェッショナルに対して指導するようなイメージです。

確かに、フィードバックするだけだったらデータでもいいでしょう。
今の技術では、例えば野球のピッチャーが投げたボールの球速だけでなく、回転数や回転軸など細かいデータまで取ることができます。

しかし、データはあくまでデータ。
そのデータを見て、選手の経歴や状態を加味した上で
「どこを改善する必要があるのか?」
「そのためにはどんなトレーニングや工夫が必要なのか?」

等を考えるのがトレーナーの役割だと思います。


●これからのパーソナルトレーナーは「モチベーター」になれ!

とはいえ、1.知識の伝達や3.フィードバックの役割は、近い将来にAI等で代替される可能性が高いです。
しかし、2.モチベーターとしての、人のやる気を引き出すような役割は当分の間はAIでは担えないのではないでしょうか。

つまり結論として、これからのパーソナルトレーナーは「モチベーター」としての能力を上げていくべきだと筆者は考えます。
そのためには何が必要なのでしょうか。

それは知識だったり、経験だったり、コミュニケーション能力だったりすると思いますが、「これだけあればモチベーターとしては成功できる!」という答えはないような気がしています。

これらを総合して「人間力」と表現してしまうとチープになるかもしれませんが、、、
「知識そのものではなく、人としての魅力」
があるパーソナルトレーナーが生き残っていくと思います。



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