#歴史
編…パウル・クリストフ 訳…藤川芳朗『マリー・アントワネットとマリア・テレジア 秘密の往復書簡』
母娘がやり取りした手紙の内容をまとめた本。
もしも、マリー・アントワネットが別の男性の元へ嫁いでいたなら。
もしも、フランスへ嫁いだのが別の姉妹であったなら。
ページを捲る度、そうした「もしも」を想像せずにはいられなくなる本です。
母であるマリア・テレジアへ宛てた手紙から感じ取れるマリー・アントワネットの気質は、上流階級に生まれたが故に何の悪気もなくスクスク育ったお嬢さん。
監修…小灘利春、河崎春美、藤田協、中川荘治、小川宣『人間魚雷 回天 命の尊さを語りかける、南溟の海に散った若者たちの真実』
爆薬を積んだ魚雷に人間が乗り込んで操縦しながら、敵艦に体当たりするという、狂気の特攻兵器「回天」。
この本では、そんな回天が開発された経緯、内部の仕組み、外観、搭乗訓練の様子、搭乗員たちの顔写真、遺書が紹介されています。
特に、搭乗員たちの顔写真を見ると胸が締め付けられます。
みんな凛々しい若者たち。
戦争さえ無ければみんなどんな人生を歩んでいたのだろう…と想像しながら一人ひとり
著…池上俊一『世界史のリテラシー 少女は、なぜフランスを救えたのか ーージャンヌ・ダルクのオルレアン解放』
農家の少女として生まれたジャンヌ・ダルクがどんな経緯でイギリス軍と戦い、死刑に処され、そして死後どのように名誉が回復されたのかを考察している本。
ほとんどが文章で構成されているのですが、読者に直接語りかけるような著者の語り口のおかげで、スムーズに読み進められます。
この本を読んでいると、彼女が国内外に与えたインパクトがいかに大きかったかが窺い知れます。
ある者にとっては救国の乙女。
著…上田耕造『ジャンヌ・ダルク フランスに生涯をささげた少女』
そもそもなぜ英仏百年戦争が起きたのか? といった歴史的背景や、後世の人々が描いた絵画からジャンヌ・ダルクの人物像に迫ろうという本。
残念ながら、
ということで、人物像が非常に謎めいています。
男装をして、短い髪だったイメージですが、おそらくそれは映画や本といった作品の中でそう描かれているから。
実際の彼女はどんな容姿をして、どう悩み、そしてどのように戦ったのでしょうか?
本当
文・絵…善養寺ススム 編…江戸人文研究会『絵でみる 江戸の女子図鑑 時代小説のお供に』
庶民、武家、大奥仕え、遊女まで、江戸時代の女性たちの暮らしやファッションについて可愛らしいイラスト付きで教えてくれる本。
前髪のアレンジ、髪の結い方、帯の結び方、櫛や簪の差し方ひとつひとつに、江戸時代の女性たちの年齢、職業などが表れていて、興味深いです。
今後、時代劇を観たり時代小説を読む時はそういった描写の違いにも注目したいです。
江戸中期の女性たちは願掛けのために清水の舞台から飛
著…内田静枝『セーラー服と女学生 100年ずっと愛された、その秘密』
明治時代から現代にかけての、女学生のセーラー服姿についてまとめた本。
写真、イラストといった資料をもとに、女学生の制服が洋装へと移り変わっていった歴史を知ることが出来ます。
和装と洋装の中間にあたる、女袴をはいた、いわゆるハイカラさんスタイルにも憧れますが、セーラー服って素敵ですよね。
動きやすさと可愛らしさの両方を兼ね備えている感じで。
子どもと大人の中間にあたる少女にしか似合
著…田中元子『日本のコスチュームジュエリー史 1950〜2000』
わたしは「コスチュームジュエリーって何?」と興味を惹かれてこの本を手に取りました。
著者によると、コスチュームジュエリーとは、
のことなのだそう。
この本にはカラー写真が幾つも掲載されており、写真を眺めているだけでも楽しいです。
また、その解説文も読み応えがあって、ファッションの歴史をじっくり堪能出来ます。
鼈甲や銀の簪。
金箔を貼った帯留。
蒔絵を施した櫛。
人
著…エドワード・ブルック=ヒッチング 訳…藤井留美『地獄遊覧 地獄と天国の想像図・地図・宗教画』
「この世」に生きる人々の大きな関心ごとの一つは、「あの世」のこと。
この本では、国、時代、宗教の異なる人々が「あの世」をイメージして描いた絵画・彫刻・書物等が紹介されています。
古代エジプト、古代メソポタミア、古代インドといった古いものから、近代に至るまで。
単に美術書として眺めたとしてもそのイマジネーションの豊かさに心を揺さぶられますし、世界史の書物として読んだとしても解説文に読み
著…トム・ジャクソン 監訳…石浦章一 訳…大森充香『歴史を変えた100の大発見 脳 心の謎に迫った偉人たち』
1,400gほどの脂質とタンパク質のかたまりでしか無いのに、830億個もの神経細胞と超複雑なシステムを持つ「脳」。
これは、この不思議な「脳」にまつわる古代から現代にかけての科学者たちのエピソード100をまとめた本です。
●古代エジプトの医師は、頭蓋骨骨折の患者について「患部に指を突っ込むと良い」と助言した
●レオナルド・ダ・ヴィンチは、生きたカエルの心臓を取り除いてもしばらくは生き