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おすすめの本一覧

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「誰かにおすすめしたい!」と思った本をまとめています。新旧・ジャンル不問。
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2022年3月の記事一覧

著…スーザン・ケイ 訳…北篠元子『ファントム (下)』

著…スーザン・ケイ 訳…北篠元子『ファントム (下)』

 こんばんは。

 『ファントム(上)』の続きをご紹介します。
 ※前回のリンクはこちらです。

※注
 以下の文にはネタバレを含みます!

 殺人、盗みといった罪を幾重にも重ね、様々な土地を転々とした末、エリックは生まれ故郷に辿り着きます。
 エリックは、きっと母は人々から「怪物」と忌み嫌われる自分がいなくなったことで自由の身となり、再婚して新たな子どもを生み、幸せに暮らしているだろう…と思って

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著…スーザン・ケイ 訳…北篠元子『ファントム (上)』

著…スーザン・ケイ 訳…北篠元子『ファントム (上)』

 こんばんは。

 スーザン・ケイがガストン・ルルーの『オペラ座の怪人』を基にして書いた小説をご紹介します。

 本家も素敵ですが、わたしはこの『ファントム』の方が好きです。

 怪人としてというよりも、人間としてのエリックが描かれているから。 

 ※注
 以下の文にはネタバレを含みます!

 「奇形」という言葉では表現しきれない顔。
 ずば抜けて高い知能。
 指先から音楽が流れ出るかのように楽

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著…冨原眞弓 編…芸術新潮編集部『ムーミンを生んだ芸術家 トーヴェ・ヤンソン』

著…冨原眞弓 編…芸術新潮編集部『ムーミンを生んだ芸術家 トーヴェ・ヤンソン』

 こんばんは。

 「ムーミン谷のみんなを生み出したのはどんな人なんだろう?」と興味がある方におすすめの本をご紹介します。

 トーヴェさんが生み出した数々の作品についての解説、彼女がどんな人生を送ったかという紹介が載っています。

 トーヴェさんの作品って、見ると癒されます。

 人に媚びようというあざとさや、どうだ凄いだろと威圧する感じがちっとも無くて。

 人の心を自然と和ませてくれて。

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詩…ウォルター・デ・ラ・メア 絵…カロリーナ・ラベイ 訳…海後礼子『ハロウィーンの星めぐり 「夜に飛ぶものたち」』

詩…ウォルター・デ・ラ・メア 絵…カロリーナ・ラベイ 訳…海後礼子『ハロウィーンの星めぐり 「夜に飛ぶものたち」』

 こんばんは。

 ハロウィンの時期におすすめの幻想的な絵本をご紹介します。

 ハロウィンの夜、人間の子どもたちが思い思いの仮装をしてお菓子を貰いに歩きます。

 その上を、箒にまたがった魔女たちがツーリングみたいに連なって飛んでいきます。

 星も月も宝石のようにキラキラ輝く夜空を自由に飛び回れる魔女たちのことが、とても羨ましくなります。

 わたしもこのツーリングに参加したいです!

 子ど

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著…大原まゆみ『切り紙で楽しむかわいいカードと雑貨 紙パンダ!』

著…大原まゆみ『切り紙で楽しむかわいいカードと雑貨 紙パンダ!』

 こんにちは。

 パンダ好きの方におすすめの本をご紹介します。

 ポップアップカード、お祝い袋、ポチ袋、ギフトボックス、ペーパーバッグ、
フォトフレームといった作品を、パンダのデザインで作って楽しめます。

 原寸大の型紙が収録されているので、誰でも可愛いパンダの切り絵作品を作れます。

 型紙をコピーして、色画用紙や折り紙と合わせてパーツを作り、組み立てるだけ。

 特にP22掲載のお祝い袋

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著…中野京子『中野京子と読み解く 名画の謎 陰謀の歴史篇』

著…中野京子『中野京子と読み解く 名画の謎 陰謀の歴史篇』

 こんにちは。

 絵を通して歴史を学びたい方におすすめの本をご紹介します。

 絵の見どころと、その作品の背景にある歴史を分かりやすく解説してくれています。

 暗殺、戦争、異端審問、ペストの流行、決闘の末の死など、歴史上の様々な一コマ一コマをあらわす絵の解説がずらり。

  中には残酷な要素のある絵もありますが、彫刻「ラオコーン群像」、フェルメールの「恋文」、ゴヤの「裸のマハ」といった、有名且

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著…バーナード・ショー 訳…小田島恒志『ピグマリオン』

著…バーナード・ショー 訳…小田島恒志『ピグマリオン』

 こんにちは。

 映画『マイ・フェア・レディ』が好きな方におすすめの本をご紹介します。

 この作品が原作だからです。

 「どこ目ぇつけてやがんでぇ」などと荒い言葉遣いをして、身なりもひどく汚れていたけれど、将来はきちんとした仕事に就きたいと考えている貧しい娘イライザ。

 少し会話をしただけで相手の訛りを分析し、相手がどこの出身かをピタリと言い当てるという優れた能力があるものの、誰に対しても

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著…溝縁ひろし『京都の花街  芸妓・舞妓の伝統美』

著…溝縁ひろし『京都の花街 芸妓・舞妓の伝統美』

 こんにちは。

 目の保養を求めている方におすすめの本をご紹介します。

 前半には現代の京都の五花街(祇園甲部、宮川町、先斗町、上七軒、祇園東)を写した写真が、後半の第4章には昭和48〜昭和60年の祇園を写した写真が、第5章には舞妓さんが芸妓さんへ衿替えするまでの様子が紹介されています。

 頭のてっぺんから足の先までしゃんとした美しさの芸妓さん・舞妓さんたちが、まるで色鮮やかな蝶々になって舞

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著…小須田健『哲学の解剖図鑑 「知」の歴史がマルわかり』

著…小須田健『哲学の解剖図鑑 「知」の歴史がマルわかり』

 こんにちは。

 哲学の入門書を探している方におすすめの本をご紹介します。

 「哲学」と聞くと難しそうですが、この本は全然難しくありません。

 誰もが「これってどうなの?」と考えたことのある素朴な疑問について、古代から現代にかけての哲学者たちがそれぞれどう考えたか楽しく学べます。

 例えば「学校」について。
 ルソーは「学校なんて本当はいらない。自然こそボクらの学校さ!」と考え、デューイは

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著…松本圭司『ハゲを着こなす 悩みを武器にして人生を変える方法』

著…松本圭司『ハゲを着こなす 悩みを武器にして人生を変える方法』

 こんにちは。

 コンプレックスを隠したりごまかすのではなく「着こなす」。

 この前向きな考え方を知りたい方におすすめの本をご紹介します。

 という名言が光ります。

 誰もが容姿について様々なコンプレックスを抱えているけれど、同じような見た目でもそれを気にせず自信満々の人がいる一方、「自分はハゲているから恥ずかしい」などと自分で自分を傷つけるのは悲しいことですよね。

 という文にも、わた

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著…川内倫子『うたたね』

著…川内倫子『うたたね』

 こんにちは。

 「死」について考えるというよりも感じ取りたい…という方におすすめの本をご紹介します。

 何気ない日常の一瞬一瞬を写した写真集です。

 誰かがコップで水を飲むところ。

 流しに溜まった洗剤の泡。

 誰かの腕に蟻が乗っているところ。
 
 木に引っかかってしまった風船。
 
 麺を鍋で茹でるところ。
  
 そんな、普段ならわざわざ写真を撮ることのない、でも誰もが見たことの

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著…谷部金次郎『天皇陛下料理番の和のレシピ』

著…谷部金次郎『天皇陛下料理番の和のレシピ』

 おはようございます。

 ごてごてと色々な調味料や具材を足さず、洗練されつつも、素朴でホッとするお料理が好きな方におすすめの本をご紹介します。

 昭和天皇が普段召し上がっていた和食を、一般家庭でも真似して作れるようにしたレシピ本です。

 「大根の普茶煮」「鰤ねぎ汁」「きのこと栗の炊き込みご飯」といった、季節の旬のものを楽しめるお料理ばかり。

 わたしは鰤が大好物なので、まずは「鰤大根」を作

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作・絵…ジミー〈幾米〉 訳…岸田登美子『Love Letters ラブレター』

作・絵…ジミー〈幾米〉 訳…岸田登美子『Love Letters ラブレター』

 おはようございます。

 誰かに伝えたい気持ちがあるけれどまだ伝えられていない…という方におすすめの絵本をご紹介します。

 ラブレターを書く相手がいる人は幸せだな、と思わせる絵本です。

 人それぞれ愛の形は違うから、悲しかったり、切ない内容のものもあるけれど。

 手紙やメッセージカードを書くという行為そのものは相手の協力を必要としないから、片思いとも言えるけれど。

 ラブレターの宛先とな

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著…新津春子『世界一清潔な空港の清掃人』

著…新津春子『世界一清潔な空港の清掃人』

 おはようございます。

 お掃除を単なる作業ではなく、心を込めて行いたい方におすすめの本をご紹介します。

 数年前に初めてテレビで新津さんのお姿を拝見した時、いつもニコニコしながら本当に楽しそうに掃除をしているのがとても素敵でした。

 掃除をした後で、見た目が綺麗になっても、匂いがあればまだ完璧ではないので、徹底して掃除をする…という姿勢が凄いと思います。

 という考えを持つ新津さんをわた

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