ザリガニを釣った友人と、沼から脱出したザリガニと。【ちょっとしたご報告】
友人からの仕事の誘いは、沼の底にいるザリガニに垂らされた一本の釣り糸だった。するめでも何でも良いのに、沢山の餌をぶら下げてわたしのいる沼に垂らしてくれた。
介護中、自分自身がどんな時空に存在しているのかわからなくなることがあった。宙をさまよっているような、深海を漂っているような。先が見えないから、濁った沼と表現するのがしっくりきていた。
そんな沼に、友人が垂らした釣り糸。ザリガニがそうするように、わたしも両方の手を伸ばして釣り糸を掴みにいった。最初は手を放してしまったけれ