見出し画像

父と食べた寿司の味。一人で食べる寿司の味。【介護回顧録】

生前、父とはよく寿司を食べた。味にうるさい父のこと。高級店とまではいかなくとも、足を運ぶのはいつもそこそこの高級店だった。注釈をつけるなら、”回転ずしに行ったこともあったが、手を付けるのはビールと茶碗蒸しだけ”であった。一緒に行ったこちらの身にもなってほしいものだ。



父が亡くなって5カ月。わたしは寿司を食べた。あぁ、もう5か月かという思いと、まだ半年も経っていないんだという不思議な感覚が入り混じる。

寿司を口に運んでは、父にも食べさせたいなぁ…と呟く。そして、泣く。
わさびが効いているわけではない。


父にも食べさせたいなぁ。

だって、最近の回転寿司は美味しいんだぜ。

涙が出ちゃうほど美味しい回転ずしを、
生きていたら一緒に食べただろうか?

編集後記:現金なもので、生前はよく行った高級すし店には父が亡くなった後は一度も行っていません(お金を出すのは父だから😅)わたし一人なら回転ずしが丁度良いのです。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集