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Photo by
voice_watanabe
エッシャーの絵の中で。
現在、わたしの家は大規模修繕工事の真っ最中。自宅は四角い鉄格子に覆われて、まるでエッシャーの絵の中だ。
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わたしは一軒家で暮らしたことがない。産まれてから一番古い記憶の中にあるのは、幼少期を過ごした団地。
この団地がゴミ屋敷の舞台になりました。
それから、両親が別居することになって仮住まいをした小さなアパート。結婚してすぐの頃は、映画の舞台にもなったことがある古いマンションに暮らしたこともあったっけ。
そんなわけで40数年も生きてきて、いまだ一軒家で暮らしたことがないのだ。
マンションというのは人目が気にならないから、カーテンを閉める文化がない(わたしだけかもしれない)
お風呂上りは誰の目を気にすることなく裸でうろうろできる(わたしだけかもしれない)
正直、鍵もあんまり閉めない(夫に怒られそう)
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そして、わたしは今エッシャーの絵の中…もとい鉄格子に覆われた自宅にいる。
リビングでくつろいでいると、窓越しに作業員の方と目が合う。わたしはその度に自分が服を着ているか、はっとする。
この際、鍵が開いていても良い。服さえ着ていれば…!
服を着ているか確認する自分のマヌケなことよ。
窓に映るわたし。かろうじて下着は着ていた。
肌の面積を減らすために、ひとまずTシャツを取りに行くとするか。