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スポーツ雑記帳2

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野球、相撲、サッカー、プロレスほか、もろもろを題材にします。記録をほじくったり、記憶をさらったり(笑)
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史上最強の年間最多勝2024

史上最強の年間最多勝2024

新番付も発表され、今年も納めの九州場所が迫ってきました。

新大関となる大の里を中心に場所前の話題も盛り上がってきましたが、私が注目したいのは、例年と同じように年間最多勝の行方です。年間6場所すべてで幕内に在位した力士たち、総計29力士による争い、さて今年はどんな情勢になっているんでしょうか?

まずは秋場所までの成績を、例によって見づらい表でご覧ください。
(秋場所までの成績順。黄色は勝ち越し場

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令和6年・秋場所雑記

令和6年・秋場所雑記

この秋場所は「大の里の場所」だった。

初日こそ熱海富士と際どい勝負になったが、その後はまったく危なげなく白星を重ね、12日目に若隆景に逆転負けを喫するまで全勝を保った。

若隆景に負けたときには、先場所同じように独走しながら終盤にひとつの黒星(大の里がつけたものだったね)バタついて優勝決定戦までもつれこんだ照ノ富士のことが頭に浮かんだのだが、杞憂だった。その後に琴櫻、豊昇龍の両大関を連破して14

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令和6年・名古屋場所雑記

令和6年・名古屋場所雑記

まったく今場所の展開には驚かされっぱなしだった。

まずは場所前のオレの予想。

まあオレだけでなく、大方の予想もこんな感じだったろう。横綱とはいっても2場所連続の休場明け、おまけにかねてよりの体調不安もあって、照ノ富士を大本命に推すのはためらわれるし、先場所までの快進撃を考えれば若い力に期待するのも当然だろう。

ところが蓋を開けたら、大の里も琴櫻も(ついでにいえば豊昇龍も阿炎も大栄翔も)次々と

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令和6年・夏場所雑記

令和6年・夏場所雑記

ここ数年で荒れ場所にはすっかり慣れっこになったつもりでしたが、さすがに今場所の初日にはビビりました。

番付上の1横綱、4大関、2関脇、2小結のうち、初日に勝ったのは小結1人だけ。ほかの役力士は何をやってたんじゃ!

そんななかで、横綱・照ノ富士を破って休場に追い込み、初日に勝った唯一の役力士となった小結・大の里が、場所の主役になったのは当然だろう。終始、優勝争いをリードし、あれよあれよという間に

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春場所ニューカマー9年後

春場所ニューカマー9年後

平成27年春場所デビューの新弟子たちのその後を定点観測し続けて、もう9年。ついに彼らの力士生活も10年目に入りました。この1年、彼らの土俵生活はどうだったんでしょうか?

同期の中ではいち早く昇進し、3度の幕内優勝を手に大関にまで昇った御嶽海でしたが、そこを頂点として2022年は急降下。大関の座からはわずか4場所で陥落し、その後も負け越し続きで番付を平幕下位にまで下げてしまいました。2023年は逆

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令和6年・春場所雑記

令和6年・春場所雑記

「荒れる春場所」

よく目にし耳にするフレーズですね。季節が冬から春に移り変わり、天候が不安定になるこの時期に開催される大阪・春場所は、上位陣が崩れることが多く、番狂わせが起きやすいことからくる言葉です。

ただ、実際にはどうなのかな? 試みに、年6場所制が定着した昭和33(1958年)年以降、昨年までに発生した、究極の番狂わせである平幕優勝の回数を場所別に見てみました。

年6場所制になってから

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令和6年・初場所雑記

令和6年・初場所雑記

ここ数年続いていた「戦国乱世」もようやく治まってきたようである。

この初場所、前半は朝乃山、中盤からは大の里といった平幕力士に優勝争いのリードを許してはいたが、終盤は横綱・照ノ富士、大関・霧島と豊昇龍、関脇・琴ノ若と、番付上位の4人による競り合いとなり、非常に締まった場所になった。そしてその争いを制したのが横綱なのだから、文句のつけようはない。いい場所だった。

優勝した照ノ富士は、とくに前半戦

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大相撲VAR

大相撲VAR

一見すると保守的に見える大相撲だが、以前にも書いたように、じつはかなり革新的な改革を繰り返してきている。

明治以降だけでも、優勝制度の制定、引き分けの廃止、不戦勝制度の開始、東西制の開始と廃止、戦後になってからも優勝決定戦の実施、テレビ中継のために四本柱の撤廃、横綱審議委員会の設置、一門別総当たりから部屋別総当たりへの変更、公傷制度の実施と廃止……つい先日も新弟子の付け出し制度が変更された。力士

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令和5年・九州場所雑記

令和5年・九州場所雑記

ここ何年かつづいていた、序盤から番狂わせ、潰しあい、波乱、平幕力士の快進撃などが続いて誰が優勝するか予想もできない戦国場所。見ているこちらも、すっかりそうした乱世モードに慣れ切っていました。

それがこの九州場所では、横綱・照ノ富士こそ全休で不在でしたが、序盤戦を上位陣の3大関、3関脇が好調に乗り切って、いつになく締まった印象で始まりした。

その後、上位陣が潰しあいに入ると、するすると中位から下

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史上最強の年間最多勝2023

史上最強の年間最多勝2023

10月30日に新番付が発表され、いよいよ納めの九州場所が近づいてきました。

場所の最大の焦点は、先場所優勝の大関・貴景勝の綱盗りなるかでしょうか。もちろん横綱・照ノ富士の復活なるか(そもそも出場できるのかがまだ不明)、豊昇龍、霧島の両大関の巻き返しはいかに、ふたたびチャンスを迎えた大栄翔をはじめ琴ノ若、若元春の関脇陣の大関盗り、一気に4人も誕生した新入幕勢の活躍……などなど見どころは豊富です。

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史上最強の新弟子・改

史上最強の新弟子・改

大関・貴景勝の優勝で秋場所が閉幕し、場所後の番付編成会議も終了して、あとは九州場所の新番付発表を待つばかり、と思っていたら、場所後の9月28日に見逃せないニュースが流れてきた。

身長167センチ未満も入門可能に 大相撲の新弟子検査基準を改定
(産経ニュース)

大相撲に入門するための条件に変更があったのだ。その改訂点は大雑把にいって2つ。その1つがこれ。

現行の基準は身長167センチ以上、体重

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令和5年・秋場所雑記

令和5年・秋場所雑記

ここ数年の傾向で、すっかり感覚がバグっているようです。

場所終盤の10日目を過ぎて、1敗で単独トップに立ったのは平幕の熱海富士。それも今場所再入幕で、幕尻近い東15枚目。追ってくる一団には、大関はじめ経験豊富なベテランもおり、ふつうならそのまま優勝とは思わないでしょう。

しかし戦国乱世に慣れてしまった目には、なんとなくこのまま熱海富士が突っ走るのではないかと映りました。そういえば今年はまだ平幕

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カラフル力士参上

カラフル力士参上

来たる秋場所に4人の新十両が誕生することになった。大器・大の里、向中野あらため天照鵬、なぜか四股名をつけなかった高橋、そして石崎あらため朝紅龍。いずれも有望株であり、早くも来場所の十両の土俵が楽しみになってきた。

なかで私の目を惹いたのが、高砂部屋の朝紅龍。

かつて横綱・朝青龍と、関脇・朝赤龍が並んでいた高砂部屋。現在の師匠はその朝赤龍なのだが、弟子に色違いの朝紅龍の四股名を送った形だ。

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令和5年・名古屋場所雑記

令和5年・名古屋場所雑記

場所前の焦点といえば
1 横綱・照ノ富士の連覇なるか
2 新大関・霧島(霧馬山改め)の活躍は
3 豊昇龍、大栄翔、若元春の関脇陣の大関昇進なるか
4 初土俵から4場所目で新入幕の伯桜鵬の成績は
まぁこんなところだったでしょうか。

初日から新大関が休場、横綱も途中休場になりましたが、3関脇が土俵を引っ張り、新入幕の怪物も優勝争いに食い込むなど、場所前の期待から外れた点と、期待に応えた面が微妙に交錯

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