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史上最強の年間最多勝2024
新番付も発表され、今年も納めの九州場所が迫ってきました。
新大関となる大の里を中心に場所前の話題も盛り上がってきましたが、私が注目したいのは、例年と同じように年間最多勝の行方です。年間6場所すべてで幕内に在位した力士たち、総計29力士による争い、さて今年はどんな情勢になっているんでしょうか?
まずは秋場所までの成績を、例によって見づらい表でご覧ください。
(秋場所までの成績順。黄色は勝ち越し場所、赤数字は幕内優勝)
![](https://assets.st-note.com/img/1730300091-SGhIWMjo40l5PvAaFf2YqXT7.png)
年間6場所90番のうち、75番を消化した時点で、トップに立ったのは、今場所新大関の大の里。すでに56勝を積み上げ、1場所平均11勝以上。堂々の首位です。九州場所で4番以上勝てば、1場所平均10勝以上の60勝ラインをクリアできます。これはすでに横綱クラスの成績といえるでしょう。新入幕の年に年間最多勝を獲得すれば、これも前代未聞の快挙。まったく大した新星です。
その大の里を追うのは大関の2人、琴櫻と豊昇龍。先輩大関の意地を見せて、なんとか大の里を捕らえたいところです。
琴櫻はここまで52勝なので、15戦全勝すれば合計67勝まで伸びます。大の里が11勝に届かなければ逆転できます。ただし大の里が今年初場所の新入幕以来、11勝を下回ったのは名古屋場所だけ(9勝6敗)、ほかのすべての場所では11勝以上を積み上げているのですから、琴櫻的にはかなり苦しい展開です。でも大の里が新大関の重圧を受けることを考えれば、可能性はそう低いわけではないかも。信じて、全勝優勝をめざそう。
同じく大関の豊昇龍は、ここ2場所は負傷の影響もあってか星が伸びず、現在のところ48勝で第3位。大の里との差が8勝なので、大の里が休場でもしないかぎり、逆転は難しいでしょう。
第4位は今年大躍進した平戸海ですが、ここまで43勝は立派な成績ですが、大の里とは13勝差なので、こちらも逆転は不可能かな。
数字上で年間最多勝の可能性があるのはここまで41勝以上の力士なのですが、それをクリアできて可能性を残しているのは、上記4人のほかには美ノ海、大栄翔、王鵬の3人だけ。とはいえ、冷静に考えても、彼らが年間最多勝を獲得する可能性は、現実的にはありませんよね。
つまり今年の年間最多勝争いは、大の里と琴櫻の2人にほぼ絞られたといっていいでしょう。さあどちらが年間覇者となるか?
という話題に、本来年間最多勝の本命となるはずの横綱の名がないのは、なんとも残念。横綱・照ノ富士の今年は、優勝か休場かの2択で、ここまで27勝どまり。この成績は、年間最多勝の資格を持つ(6場所全部で幕内)29力士のうちで最下位です。2度も優勝してるのに。九州場所での積み上げができれば最下位脱出も数字上は可能でしょうが、そううまく運ぶとは思えません。九州場所に出場か休場かも微妙だし、どうやら昨年に続いて2年連続の最下位になりそうです。
さて、もうひとつの興味は年間通しての勝ち越し。
年6場所すべて勝ち越しは、けっこう高いハードルです。表を見ていただければお分かりのとおり、今年このハードルを越えられる可能性を残しているのは、大の里、琴櫻、豊昇龍の3大関だけ。なんといっても大関なのですから、3人とも全場所勝ち越しは達成していただきたい。
では角度を変えて、年間の勝ち星が90勝の半分以上、つまり年間合計での勝ち越しはどうでしょう? 46勝以上が勝ち越しになるわけですが、このラインをクリアすれば幕内完全定着だといっても差し支えないでしょう。秋場所まででこのラインを越えている、つまりはすでに年間勝ち越しを達成しているのは、3大関のみ。
九州場所の成績しだいで年間勝ち越しに届くには、ここまでの5場所で31勝以上が必要条件なのですが、23人がここを越えています。
6場所幕内が全部で29人なので、かなりの人数が可能性を残していることになります。でも、たとえばここまで31勝の北勝富士だと、九州場所での15戦全勝が条件になるわけで、これはキツイ(でも不可能ではないぞ、頑張れ)
さあ、何人が、これをクリアできるのでしょうか? ちなみに昨年は11人が年間勝ち越しを達成しています。
横綱の出場が不透明(11月1日現在)な今場所ですが、大関陣を軸とした優勝争いは、またまた混戦の可能性もあり、楽しめそうです。加えて、年間最多勝争いに目を向けてみるのも、楽しいですよ。
大相撲/丸いジャングル 目次
【2024/11/8】 予想通り(?)初日の取組に横綱・照ノ富士の名はなく、2場所連続の休場となりました。これで上記の通り、年間最多勝争いでは照ノ富士の2年連続の最下位が確定。来年も自己の体調が最大の敵になりそうですね。
【2024/11/19】 10日目が終了。3大関を中心にした引き締まった感じの優勝争いが展開されている一方で、最多勝争いもいよいよ終盤戦に突入。
大の里のトップは変わらないが、ここまで3敗を喫し、1敗キープの琴櫻との差は2勝にまで縮まってきた。まだ両者の直接対決があるだけに、最多勝の行方からも目が離せない。
そして3位の豊昇龍以下は、この時点で数字上も最多勝の可能性は消滅した。来年頑張ろう。
ここまで全場所勝ち越しだった3大関は、九州場所も全員勝ち越して年間6場所全勝ち越しを確定。この部門では大関の権威を守ったかな。
また、この時点で年間勝ち越しの46勝を上回ったのは場所前でクリアしていた3大関に加えて、大栄翔、阿炎、隆の勝、若元春の4人。
残り5日間で可能性がある41勝以上なのは、平戸海、美ノ海、王鵬、正代、琴勝峰、霧島、玉鷲、一山本、翔猿の9人。
昨年は9人が46勝以上で年間勝ち越しを達成し、2人が勝率5割の45勝だった。
さあ今年は何人が達成するかな。
【2024/11/24】 九州場所が終了。ご存じのとおり、大関・琴櫻が初優勝を果たしました。大器がついに悲願を達成したが、さて、年間最多勝のほうはどうなった?
猛烈な競り合いとなっていた琴櫻と新大関の大の里だったが、大の里が終盤に崩れて場所前の4勝差を守れず。14日目の直接対決で勝利した͡琴櫻が年間66勝で初の年間最多勝を獲得した。おめでとう。
大の里は65勝。さすがの怪物も新大関の重圧に屈したのか、今場所は9勝止まり。あの大鵬以来の新入幕年での年間最多勝は達成できなかった。この記録は2度とチャンスがないわけで、痛恨だね。
3位は12勝を挙げて準優勝の豊昇龍で61勝。トップと5勝差はやや開きすぎだが、来場所は琴櫻とともに綱盗り場所となりそうだし、来年は最多勝にも手が届くかも。
続く4位の阿炎は51勝だから、上位3人との差がくっきりとついた形。来年以降の天下取りレースは、どうやら3大関の争いになりそうだ。
5位以下に続くのは、隆の勝(50勝)、若元春(50勝)、大栄翔(50勝)、王鵬(47勝)、平戸海(47勝)、美ノ海(46勝)で、ここまでが年間勝ち越しをクリア。年間勝ち越しの達成者は10名だった。
さて、来年はどんな顔ぶれがここに並ぶのか? 来年九州場所後にまた会いましょう。