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UtaMochi/詩餅
2023年7月24日 19:28
20230720躊躇う時にさえ地に足付かず膨れる腹ごと大空に舞う侘しさなどは片隅にやりイーゼルには冗談ばかり立てかける絵の具の色もわからないのに筆はやたらに早くなる洗濯物と一緒に羽ばたき鳥どもには挨拶もしない煙草の煙と親友になれば副流煙でも十分飛べる要らなくなったライターを投げ捨て明日の天気を占っている吐き捨てた台詞を思い返してクスクス笑う 驚いたアイツの顔が
2023年7月23日 14:08
20230721踏んづけたワインの瓶の破片を腹立たしげに飲み込む夜に客人は来ないすっぽかされた約束の中で拘束された馬鹿らしい愚痴を吐き捨てる葉巻がなくなったので湿気った煙草の煙を吸い込んで吐き出す煙が笑っているので瓶を投げる踏んづけるための破片がまた飛び散る嘘をつけない性格のせいでもしくは本当のことを言ってしまうせいで見放されてしまったことに気がつけばまた足の裏の傷を
2023年7月22日 16:57
20230720独り言に敷き詰められた部屋の中でポツリとまた任せるままに生まれるのを待って一言で変わる景色を夢見て何も持っていないことを哀れんで一日が終わる役に立たないものが愛おしくて全てが無駄だと思い込むことに必死になり生きているのも死んでいるのも同じでゾンビになった気分で夜を徘徊する古着で武装したままでならすれ違う人々は気が付かないだろうそっと首元に歯形を残して似
2023年7月16日 21:15
20230716心がどこにあるかわからなくなり目隠しされて触れる誰かの温もりを毛嫌いした夏に降る雪や冬に鳴く蝉のように温もりはないものだと思い込んだ街は賑やかだった 照らされるビルが眩しかったそれだけだった 誰の顔も思い出せなかった寂しさとは違う思いで擦り切れそうになった喉が渇き続けて 水を飲んでも治らなかった落とし物を取りに行くべきだろうかどこに落としたかすらわからない
2023年7月16日 20:32
20230716足の裏を蚊に刺されたので眠れそうにない夜が過ぎてゆく明日の予定を数えてみたら数えるものがないことに気が付く耳元を飛んでいる何かを叩きつけて鼓膜まで届いた衝撃が独り言を残すその言葉を頼りに夜道を歩いていこう足の裏の痒みを誤魔化すためだけにネオンに導かれた蛾のように彼はフラフラとしているぶつかる人々には気付かれないその方が都合が良い足の裏にガラスの破片
2023年7月15日 12:44
20230713鉄を喰らう あと少し生き延びる彼は走る 血は滴り落ちるぶら下がった悪魔たちを振り解く誘う天使たちをバラバラにする飲んだくれてしまう時は最低なことすら受け入れられるシラフではまともに見れない景色を彼は呪う 醜いと嘲る錆を喰らう 寿命を縮めるために彼は逆らう 血は壁にサインする悪魔だと思っていた人々を思い出す天使なんていなかったと思い出す酒なんて一滴も
2023年7月14日 13:02
20230713ぶちまけられたメモ帳の片隅で虐げられる思いが痕跡を残している彼の持っているマグカップが落ちて割れる紙が茶色に染まるとどうも良くなる考え事は大事な部分だけを残してあとは腐って仕舞えば良い洗濯バサミで挟んだメモ帳には何も意味がない 彼はそう思いこむ新しいコーヒーをいれる割れたマグカップはオブジェにする彼の足の裏に刺さった破片たちは赤く染まりながら時間を数え
2023年7月13日 20:58
20230710見知らぬ場所で会う懐かしい人の顔をした誰か夢の中でなら上手く話が出来るそれは嬉しくも悲しくもある思い出と向き合う時間が長過ぎて起きた後にはほろ苦さが残るそれは舌に残るコーヒーのようで眠気はカフェインか何かに吸い取られる自分が何者か気付かされた瞬間から誰かに期待することをやめてしまった楽になった分だけ辛くなるのはもう寄り添うこともないと知る時だ懐かし
2023年7月13日 18:22
20230629心臓が狭苦しい箱の中に取り残されて考え事や思いとは別の時を数えている彼の身体は痺れてしまって全てが他人事のように感じている日々が過ぎるのが恐ろしく時間を止めるために寝てみる起きても何も変わっていない焦らないように見ないふりをするしかない飛行機が通り過ぎる音が聞こえる彼はその度にそれがミサイルでないかと考えるこのアパートに突っ込んで彼だけを潰して時が消え
2023年7月13日 01:39
20230629「ほら みて おもしろいでしょう」「あうええ」「まぁ じょうずにまねっこしてるのね」「あー」ホームビデオを見ながら口を押さえている肩が震えているのは寒さのせいではなかった母親の優しげな声が聞こえる幼児は愛くるしく笑っているしばらく経つと場面が変わるぼやける視界の中で揺れているブランコ幼児は少し大きくなって少年になる瞳が潤んでいるのは優しさの代償ではなか