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詩「朧」

20230716

心がどこにあるかわからなくなり
目隠しされて触れる誰かの温もりを毛嫌いした
夏に降る雪や冬に鳴く蝉のように
温もりはないものだと思い込んだ

街は賑やかだった 照らされるビルが眩しかった
それだけだった 誰の顔も思い出せなかった
寂しさとは違う思いで擦り切れそうになった
喉が渇き続けて 水を飲んでも治らなかった

落とし物を取りに行くべきだろうか
どこに落としたかすらわからないのに
心はきっとどこかに仕舞ってあった
その他の大切だった何かを 探すべきだろうか

わからなくなった 何もかも知らないフリをした
無駄なものばかり目に映った
街が恋しくなった 誰かの温もりが恋しくなった
それが悲しいと感じて 天井を見つめている

心が見つかった それにしても
こんなに汚れていただろうか
馬鹿らしくなった 眠りたくなった
夢を見たかった どんな夢でも良かった

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