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詩「こましゃくれ」

20230721

踏んづけたワインの瓶の破片を
腹立たしげに飲み込む夜に客人は来ない
すっぽかされた約束の中で
拘束された馬鹿らしい愚痴を吐き捨てる

葉巻がなくなったので
湿気った煙草の煙を吸い込んで吐き出す
煙が笑っているので瓶を投げる
踏んづけるための破片がまた飛び散る

嘘をつけない性格のせいで
もしくは本当のことを言ってしまうせいで
見放されてしまったことに気がつけば
また足の裏の傷を気にすることしか出来ない

よれたコートとソファーにめり込む
しかめ面がおかしくてたまらない
煙は堪えきれずにまた笑い出す
客人もないのに賑やかな夜になる

テレビをつけてラジオもつける
掃除機をつけてレコードをかける
全て古びたもので構成されているのに
まだ成人でないことは隠している

残酷な夢を見て死が恐ろしくなる
校庭で走っている友人たちを思い出す
不味くて仕方がないワインを飲み干す
そのあとは何かを弔うように無言でじっとする

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