支援者、介護者、教育者が認知行動療法の落ちやすい穴はここ!
放デイや児童発達支援ではコミュニケーションが一方的な子や、集団の遊びに参加できない子など社会性スキルがゆっくり発達している子がいます。
また、自己コントロール(我慢する)力が弱く、集中して遊べずに集団へ参加できないなど、それぞれ持っている課題は人それぞれです。
集団生活の中にみえる、人とのかかわりに悩みを抱えている子たちが多いです。
そのため、他者と折り合いがつかず・・・と保護者との関係もうまくとれずにいたり愛情をかけているにもかかわらず、なかなかそれに振り返ってくれないという子もいます。その結果、家庭の中で養育者さんたちの頑張りがなかなか形に現れずお悩みの方も多いです。
私が勤めている放デイは施設の中のルールは職員で一貫しており(場面的に変わることもありますが)なるべく子どもがわかりやすい環境になるように配慮しています。
先ほども話した困り感を持っている子どもたちは決して人が嫌いで、人と向き合わないのではありません。子どもたちもうまく人とかかわれずに困っています。ですから、関わろうとしたときには相手をコントロールして、関わるのが自分が一番関わりやすいのです。
そのため、話が一方的だったり、距離が近かったり・・・と相手本意ではなく、自分本位になってしまいがちです。
養育者の中には支援者や医療者に「家庭での関わりが薄いのでは?」と言われることもあるようで、深く傷つき、より関わりを持つことを遠ざける原因となることもあります。
よく、一貫性のある関わりというアドバイスをされることがあるようで、一生懸命家庭のルールを一貫させようと奮闘させている家庭もあります。
これは子どもたちが同じ場面になった場合に記憶を辿って、「あの時こうだったから、またこうしよう!
」という学習するようにするためで、これを認知行動療法と認識する人もいます。
この時、関わる側は自分の感情をコントロール力がないとなかなかツラいのです。しかし、その場面が子どもの力になると思うと関わる側も自分を律することができます。
すると、徐々に教育者が家庭に生まれます。「あれしてね!」「これはだめ!」という指示の言葉が生まれ、増殖します。
ん?と思いませんか。
こんなことで学習することが子どもにいいと認知行動療法は言われているの?こんな飼育的なものがいいの?
それは間違いです。
認知行動療法は「〜べき!」や「〜しなきゃ!」「自分なんて〜」という自動的な思考に焦点をあてて、認知の偏りを修正します。その過程として楽しめる活動ややりがいのある活動を、優先順位をつけて行っていきながら、"自動的な思考には根拠がありませんよ〜!"と反証していくのです。
ということは!
フィードバック(結果と原因の振り返り)をするということです!しかも、その時間を楽しく!←ここが大事。
だから、叱ったりすることが行動の導きではありません。叱るくらいなら私は無視してもいいと思います。
しかし、その分良いことや当たり前に行っている生活動作を倍の倍認めてあげるのです。
これこそが認知行動療法の正しい解釈なのです。
報酬を用意して、できた時にあげるというのも認知行動療法のトークン法として療育場面で取り入れられることが多くあります。
報酬を上げるために!という目的になってしまっては本末転倒です。あくまで、出来たらあげるというもの。
成功させなきゃ、学習させなきゃと大人が「〜なきゃ!」となっているのであれば、あなたは上司に適切な認知行動療法を受けていない証拠!(笑)
ちゃんと認めて労ってくれる方の下で働きたいですよね?
子どもも介護される側もみんな同じです。
認知行動療法の穴はココです。自分のことも上手にフィードバックしないとうまくいきません。
だからこそ、職員関係が良好なところがうまくいくのです。
施設選びは働く側も、利用者側も職員関係が良さそうなところにしましょう。(笑)