【陽だまり日記】帰り道と夜明け
帰り道。
それはもう冷たい風が頬を撫でていくものだから、痛いほどだった。
久しく忘れていた寒さに、いつのまにか肩が強張っていたらしい。
少しずつ、弛めるように肩を竦め終える頃、吐いた息が白いことに気付いた。
夜の雨空からは、雫が絶えずほとほとと落ちてきて、小さく鼻を啜る。
この街に、冬の爪先が向けられている。
冬の夜は、心の余白を孤独にさせる。
空白を浮き上がらせて、あの寒空にぽつんと浮かばせてしまう。
まるで自分がたった独りのように思わせる。
冬の夜の底があるのなら、そ